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はこにわオーディオ工学研究分科会 (旧名: バスレフ研究所)

東京文化会館ニューイヤーコンサート

昨日は、東京文化会館のニューイヤーコンサートに行きました。
演奏者は、
小林研一郎指揮東京都交響楽団
ヴァイオリン独奏木嶋真優
詳細はこのページです。
自分は、東京文化会館友の会会員なので、会員割引でA席を購入していました。
A席とはいっても、巨大な会場の3階席で、ステージまでは100mもありそうに感じました。
東京文化会館は、昨年時間をかけて改装していたので、どのように変わったのか楽しみにしていました。
しかし、何が変わったのか外見では全くわかりません。
耐震補強しただけのようです。
席がものすごく狭いので、座席を増やしたのかと思ってしまいました。
身長170cmの自分でも、前の席と膝との間隔が10cmくらいしかないのですから、背の高い人は牢獄に入れられているような感じでしょう。
幅も狭いので、体重80kgくらいがせいぜいではないでしょうか。
ヨーロッパの劇場を見習って客席を減らすべきでしょう。

いや、それだけではありません。
エレベータもエスカレータもありません。
これでは、体の悪い人は、この劇場で公演を楽しむのは無理でしょう。
一体なんのために改装したのか、日本は、障害のある人に優しくないのです。

さて前置きはこのくらいにして、早速演奏です。
第一曲目は、J.シュトラウス2世:ワルツ「春の声」です。
妙にごつごつした感じで始まります。
こういう演奏もありなのか???
演奏が進むとすこし柔らかな感じになったので、ひょっとしたら単なる練習不足かも、なんて、嫌なことを考えてしまいます。
2曲目から、4曲目までは、木嶋真優さんの独奏が入る曲目です。
10分前後の曲を3曲。
これくらい時間をとるなら、シューマンとかブラームスとかプロコフィエフとか、聴き応えのある協奏曲をやってほしかったな、なんて自分勝手な妄想を巡らします。
自分の席は、ステージまで遠いので、ヴァイオリンの線が細く感じます。
フラジオレット奏法なんて、ものすごく小さな音でしか聴こえません。
あのパガニーニだって、このホールだったら真価を発揮できなかったかもしれません。

聴いていてオーディオ趣味のことを考えていました。
やっぱり、オーディオ装置に正解などありません。
ホールによって、聴取位置によって、聞こえ方が全然違うのだから、原音なんて分かるわけがなく、比較対象の原音がないのだったら、良し悪しはユーザーが決めるしかありません。
原音再生なんて吹聴している人は詐欺師かも。
せいぜい原音と同等の音圧再生が限界でしょう。
しかし、自分が聞いていた席での音圧程度なら、専用のオーディオルームでなくても可能かもしれません。
やっぱりオーディオにカネを掛けるよりはコンサートに通うべきです。
そうしないと唯我独尊オーディオ趣味になってしまいます。
手段が目的になるのが趣味ではありますが。

さて、木島さんの独奏が終わると、木島さんのアンコールです。
小林研一郎さんもオーケストラ席から一緒に聴いています。
知らない曲でした。残念。

後半は、有名なドヴォルザークの『新世界より』。
生で聴くのは初めてです。
ンンンン....
演奏に揺らぎを感じます。
意図した揺らぎなのか、そういうつもりではない揺らぎなのか。
音がすーっと小さくなって、木管楽器が始まる、その瞬間に特に揺らぎを感じます。
自分の敬愛する指揮者の演奏には揺らぎをあまり感じません。
この曲は、ずっと以前には、LPレコードでは、ユージン・オーマンディ指揮ロンドン交響楽団の演奏を何度も聴きました。
この演奏は、職人的にはっきり明確な演奏で、何のためらいもなく、ゆらぎは全く感じません。

そうそう、今までに、生で演奏の揺らぎを感じたことがありました。
1992年のピッツバーグ交響楽団の演奏で、指揮者は忘れましたが、難しそうな現代音楽でした。
その違和感を感じながらそのシーズンの定期演奏会の曲目を全部聞いたのですが、最初のうちは揺らぎを感じました。
しかし、指揮が、アンドレ・プレヴィンになると、揺らぎがない。
その当時の音楽監督であった、ロリン・マゼルの指揮ではさらに揺らぎなんか全く感じません。
客演指揮者とのリハーサル不足による揺らぎだったのかも、と思います。
自分は、揺らぎのない揺ぎ無い演奏のほうが圧倒的に好きで、揺らいでいると寛げません。
小林研一郎さんは初めてでしたが、この揺らぎが、意図したものなのか気になるところです。

アンコールは、小林研一郎さんの第二の故郷、ハンガリーを題材にした、ハンガリー舞曲第5番です。
こちらは、意図的に思い切りためて、そのあとスパッと切るようなはっきりした演奏でした。
このアンコールで思い切り締めてくれました。
Bravi!
by mcap-cr | 2015-01-04 08:44 | 音楽・コンクール | Trackback | Comments(2)
Commented by 揺らぎ at 2015-01-26 10:52 x
 揺らぎは指揮者と演奏者の感情の高揚で自然生じるとものだと思います。その時は、聴いていて心地良く感じて気が付きません。
 それが、練習不足とか、指揮者のと信頼関係が欠如して一体感が無いと、その揺らぎに統一感無く不快に感じてしまうと思います。
Commented by mcap-cr at 2015-01-26 22:46
grigriさん
やっぱり、練習不足とか、あんまり良い意味でない揺らぎだったような気がします。
揺らぎを感じない演奏のほうがいいですね。
それと、この後の記事で、東京音楽コンクールについて書きましたが、コンクールはお勧めですよ。
かつては軽く見ていましたが、それは大きな間違いでした。

生演奏を主とすれば、オーディオは箱庭で充分でしょう。
by MCAP-CR

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