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by MCAP-CR
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音楽ソフトの収録方法

マルチ録音について否定的な意見を書いたところ指摘を頂きました。
そこで、少し、マルチ録音について書こうと思います。
その前に、音楽の楽譜から、脳内での認知にかかるまでの伝達を図にしてみました。
この図は、私のウェブサイトの中の伝達関数論、というところに書いた図を元に書き直したものです。
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図の中でケーブルなどのアクセサリ類については省略しています。
なぜなら、ケーブル類は、最低価格品でも、可聴帯域を少し超える範囲までは、伝達関数が、実用的には1に近いからです。
伝達関数が1というのは、入力をそのまま出力する、理想的な性能です。
アンプの場合には、動特性が完璧なら、伝達関数は、可変の定数ですが、動特性が無視できないので、省略してありません。
オーディオ技術のなかで物理的に影響の大きなものは、(D)収録方法、(F2)マスタリング、(I)スピーカーシステム、(J)リスニングルーム、といったところでしょう。
人間の感覚、という要素で見ると、上記の他に(L)脳が無視できません。
これは、知識による思い込みとか、精神的な状態などの、数字にできない部分です。

先日、コメントを頂いたのは、(D)収録方法と(F2)マスタリングという部分の話です。
マルチ録音は、マイクの性能の不足を補うために、音源に近付けて収録する方法です。
音源に近付けることで、高域の空間減衰が少ないクリアな音になります。
空間での距離による減衰は、高域のほうが大きいので、離れて聴くとハイ落ちになります。
マイクロフォンを音源に近付ける場合、音源数が増えるとマイクロフォンの数も増やさなければなりません。
それを記録するには、収録中に、2チャンネルとしてミキシングするか、マイクロフォンの数だけ別々に記録しておいて、あとで2チャンネルにミキシングして収めるかでしょう。
ずっと以前は、記録メディアが貴重だったので、マスターテープも多くは2チャンネルだったと思いますが、今は24チャンネルとか48チャンネルとかにして保存してあるかもしれません。私だったらマルチの収録をする場合には、マイクロフォンの本数分の全チャンネル保存しておきます。
マルチ録音は、ミキシングまで含めてひとつの作品として構築する目的か、または、聞こえにくい部分もクリアに捉えるか、どちらかがが多いでしょう。
前者の場合は、レコード音楽という聴き方に限定するという手法なので、生演奏は、不可能か、妥協が必要になります。
むしろ、生であることは意味が少なく、演奏者がそこに居ることが重要です。
演奏者の口パクを批判するなんて、お門違いと云えます。
生を目指さない制作作品は、再生方法には正解がないので、聞く人が納得すればそれが正しい再生になります。
制作者は、聞く人の再生環境を想定して、それに合わせた加工をするので、高級オーディオを前提としないミニコンポやラジカセで良い印象が得られるよう加工することもあるそうです。
ワンポイントで不足する部分を補う制作の場合は、演奏の音を、ピカソの絵のようにスケッチする感じといえば良いでしょうか。
ピカソの画法にもいろいろありますが、割とお馴染みなのは、2方向から見たものを平面上に描く手法でしょう。
顔が鯵の開きみたいに見えますが、意図して描いたので、それでいいのです。
ピカソは、子供のように描くことを目指していたのが、なかなかそれが出来なかったそうで、開きのような画法は、子供のように描く手法のひとつなのだそうです。
マイクロフォンをそれぞれのパート専用に分ければ、確かに細部を克明に記録することができそうです。
これだけでは、演奏したホールの音を記録するには無理があるので、楽器から離れたホールの音も収録しておいて重ねたりもするそうです。
オーディオイベントに使われるクラシック系のソースは、概ねこの手法による録音ではないかと思います。

ワンポイント録音は、室内楽曲のような編成であれば、有効な手法だと思います。
私は、録音はしたことがないので、生の音を記録する難しさを知りません。
生録できるようになったら、もっと幅が拡がるのだと思います。
ゆくゆくは、生録の技術も研究してゆきたいと思います。


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by mcap-cr | 2017-03-17 21:20 | 音楽ソフト | Trackback | Comments(0)