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ダブルバスレフの公式(2)

前回、ダブルバスレフの公式の中の、第一共振周波数については、矛盾しないことを書きました。
問題は、第二共振周波数の計算になります。

長岡先生の説明の中には、公式を使うにあたっての重要なメッセージが隠れています。
再掲します。

第二共振周波数
『第一、第二キャビネットを合算して、(1)第一ダクトは単なる気流抵抗(2)わりと小さい)と見て、第二ダクトの共振を計算する』
もう一度式を見てみます。
公式はわかりにくいので、多自由度バスレフの計算で使ってきた形のほうを見てみます。
a0246407_22502631.png
ここで、上記の長岡先生の解説を見てみると、(1)については、式に織り込まれておらず、(2)については、『無視できる』という内容に変わっています。
この条件を考慮しないで、ダブルバスレフを自由に設計すると、計算式と合わなくなります

長岡先生は、計算式と合わせるために、第一ダクトの断面積を第二ダクトの断面積よりもかなり大きくとっています。
また、第一ダクトの気流抵抗の影響を小さくするもう一つの方法として、副空気室を主空気室よりも十分に大きくとっています。
これは、多少の気流抵抗があったとしても、元々小さな主空気室の影響がなくなるだけなのでモデル公式の誤差が出にくい、ということです。

こうした条件を守らずに、ダブルバスレフを計算すると、当然のことながら計算誤差(正しくはモデルの誤差)が大きくなるので、結果が合わなくなってきます。
計算がモデル公式に合わないことを誤魔化すために、空気室の算定方法を変えて独自解釈したFナントカ社みたいなところもありますが、こういうのは、よくありません。
技術者であれば、結果がモデル公式と合わなければ、合わない理由を検証して計算を修正するか、最悪でも、合わない理由を紹介すべきです。

上記のように長岡先生の紹介したモデル公式と、実態が合わない理由は、長岡先生が説明した条件を満たさずに使用するからです。

とりあえず、ダブルバスレフの公式をやっと理解できました。



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Commented by kaneya at 2017-08-04 10:10 x
そう言えば、副空気室は主空気室の2~6倍程度と、どこかで解説されていたような気がします。大抵の場合は2~3倍程度なのかな。

F社の主空気室・副空気室がほぼ同等なダブルバスレフは、Fd1をFd2より低くするのが鉄則のようで、Fd2以下の低域がカットされそうな第2ダクトでもFd1が出るらしいことから考えて、ダブルバスレフではどちらのダクトでも、Fd1、Fd2で共振するのだろうと考えることにしています。

ただ、その解説があるStereo誌を手に入れることがもうできないのでどんな計算式なのか私は気になっています。
Commented by mcap-cr at 2017-08-04 17:41
> kaneyaさん
長岡式は、副空気室を大きくとります。また、第一ダクトの断面積を第二ダクトよりも大きくとります。
F社は、Fd1をFd2より低くとる設計にしていますが、計算式を理解せずに変な理由付けをしています。
Fd1を低く取るのは、高く取ると、副空気室と第二ダクトとで減衰してしまうので、理屈としては正しいと思います。

だからといって長岡式の設計法が間違っているとは思いません。
実用上十分な低域までカバーして、その下はディップができても、更に下にアクセントを付ける、という方式なので、ポップス系には向いていると思います。
何でもかんでもフラットでなければまかりならん、という主張もありですが、実用的にはちょっとした癖があるというのもありだと思います。
by mcap-cr | 2017-08-04 00:00 | スピーカー設計 | Trackback | Comments(2)