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工学オーディオに取組むオカルト嫌いです。


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カテゴリ:コンクール( 22 )

ピアノ部門の決勝については2回にわたり書き綴ってきました。
結果については、私がとやかくいっても言論の自由の範囲内でしかありません。
演奏曲目の半分がラフマニノフの二番であることと、同曲はあまり好みではなかったことを書きました。
それが、最初の太田糸音さんの演奏を聴いてからずっとラフマニノフの2番が頭の中を巡っています。
同じコンクールで直後に結果として優勝した人の演奏も聴いたのですが、そちらのほうはあまり印象には残っていません。
印象に残っているのは、最初に聴いた太田さんの演奏だけです。
始まる前の緊張感、第一音の緊張感、旋律の移り変わり....
聴いている間、ずっと、故郷を離れたラフマニノフの気持ちとかを考えていました。
どうしてこういう曲を書いたのだろう。
この曲で気持ちを表現することに成功したと自己評価しているのだろうか。
故郷に帰りたかったのだろうか。
鍵盤を叩く一音一音がこうした疑問を投げかけてきました。

太田さんの演奏に釘付けというのもあったのですが、演奏という表現を通り越して曲そのものが自分にインパクトを与えてきました。
気付くと、大して好きでなかったはずの曲がとても好きになっていました。
私は楽譜を読んで感動するスキルがありませんから、音を通してしか感動することができません。
もちろんそれが作品の伝達方法ですからそれでも良いので、ストレートに曲の意図が伝わってくる演奏がいいと思います。

CDのような記録物で聴くならば繰り返し何度も聴くのが前提の演奏のほうが良いですが、生で聴くなら、二度と聞けないと思うほどの演奏のほうがいいです。
いったい、CDで聴き直したら同じような感動が得られるのか、と考えながら次に聴くのが怖い感じがします。


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by mcap-cr | 2017-09-02 00:00 | コンクール | Trackback | Comments(0)
昨日に引き続き、東京音楽コンクールを聞いて感じたことを書きます。
最初に演奏順と順位について。
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見事に逆です。
常にこうなるという訳ではありませんが、この傾向は否めないと思います。
オリンピックの種目も採点が絡むものは大体こんな感じです。
今回、演目を考えるとある程度、この順番にならざるを得ないように思います。
たとえば、3番と4番を入れ替えていたら...
微妙だったのではないでしょうか。
オーケストラ側の都合もあるので、演奏順序は、完全くじ引きではないと思います。
特に1番と4番を入れ替えていたらどうなったのか。
仮定の話なのでどうしようもありませんが、ハンディキャップマッチであることはしょうがないことでしょう。
やっぱりハンディがあっても圧倒的実力でぶっ飛ばすことができるのが真の実力なのでしょう。

実は、ある方から二次予選の感想を頂いていました。
8名だけしか聞けなかったとのことですが、その方が二次予選で気になった方は、すべて決勝に進めなかったそうです。
二次予選はオーケストラがなくピアノだけなので不確定要素は限られてきます。
実力を発揮しやすいのは二次予選でしょう。
実際には、二次予選で埋もれた中にはもっとすごい人がいたのかもしれません。
審査員の好みもあるでしょうし、思惑もあるでしょうから、オーディオ機器のベストバイのように、特定の人が押しなべて最高ではない高得点で勝ち残り、採点者によって満点のあった人が、ほかの審査員からは評価がもらえずに敗退、こんな図式もありそうです。
かつて、ポゴレリッチがショパンコンクールの予選で敗退したときに、アルゲリッチ審査員が怒って帰ってしまったなんていうことがあったそうです。
このコンクールの声楽を聞いてずっと思ってきました。
正直言って甲乙つけがたい、そういうときに、何かがあるのだろうと思います。
コンクールが違えば審査員が違って順序が違う、そういうことはおおいにありそうです。

少しオーディオ趣味の話題です。
曲によってオーケストラの編成が少し違うのですが、その中にハープがありました。
ハープは、ラフマニノフの狂詩曲で使用されていましたが、正直言って旋律はよくわかりませんでした。
座席は11行目の見やすい席だったのですが、ハープの演奏者は頭しか見えません。
いま弾いてるんだろうな、と思っても分からないものはわからないです。
オーディオ趣味の人は、演奏会だとこういうのが聞こえないからといって、オーディオ装置で聞こうとしたりします。
私は、やっぱり生の演奏のほうがいいので、頑張って聞き分けようとは思いません。
そもそも、装置の差よりも録音の差のほうがよほど大きいだろうと思います。

話を戻して、コンクールで気になったのは、ピアノがスタインウェイだけだったことです。
40年位前に、私は感動したのですが、あまり話題にならなかったコンペティションという映画がありました。
コンクールの舞台裏を描いたラブストーリーで、出場者の心理の揺れを描いていました。
ソ連のからの出場者の先生が亡命して中断になったりと審査に影響しそうなことが次々と発生しました。
主題では、コンクールで好き合った二人の出場者のうちの、女性のほうのピアノに異変が発生し、中断します。
そこで、その先生(女)が、演目をモーツァルトからプロコフィエフに変更するよう指揮者(男)に迫ります。
この二人にも何かの関係があったらしく、指揮者は渋々演目を変更します。
ところが、変更した演目での演奏が素晴らしく、これが、さらにポイントアップに繋がって優勝してしまうのでした。
ピアノの異変事件がなければ優勝しなかったんだろうな、と思わせる演出でした。

前振りが長かったのですが、この映画のコンクールでは、演奏者がピアノを選択することができました。
ショパンコンクールもピアノを選ぶことができます。
東京音楽コンクールでは、スタインウェイだけです。
そこで、スタインウェイに適した曲目を選ばなければならない....
こういうのも出場者が乗り越えなければならない課題のようです。
もうひとつ言いたいのは、最初にオーケストラだけの曲を1曲やってよ、ということです。
それでいくらかは条件の差を緩和できると思います。

オーディオ機器のベストバイとかは、、それを信じて買う人がいます。
もちろん私も過去にはそう思っていましたが、いまは、全然違います。
コンクールもそうで、以前は優勝者がいちばん上手なのだろうと思っていましたが、すくなくとも、私を感動させる能力は順位と関係ないことを知りました。
私の感動なんかどうでもいいのではありますが、私を別な愛好家に置き換えても同様でしょう。

選定方法が全く違う、採点がプロセスを含めて完全に公開される、また、順位が大きな意味を持たない、そういうコンクールを作ってゆく時期に来たのではないかと思います。


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by mcap-cr | 2017-08-30 00:00 | コンクール | Trackback | Comments(0)
2017年は、楽しみにしていた楽部門がありませんでした、幸いにもピアノ部門は日曜日だったので、決勝選を聞きに行くことができました。
曲目は、ラフマニノフのピアノ協奏曲第二番を選択した方が二名、ベートーベンのピアノ協奏曲第三番を選択した方が一名、ラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲を選択した方が一名でした。
夏のこの時期にラフマニノフは少しイメージが違いますが、事前にCDを聴いてから出かけました。
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ラフマニノフのピアノ協奏曲は、実をいうとそんなに好きな作品ではありませんでした。
名曲中の名曲であるのは確かなのですが、好みの問題です。

順番は、太田糸音さん(ラフマニノフ2番)、丸山晟民さん(ベートーベン)、原田莉奈さん(ラフマニノフ狂詩曲)、ノ・ヒソンさん(ラフマニノフ2番)という順番でした。
これって最初に演奏した人が圧倒的に不利なんじゃないでしょうか。
もちろんプロの採点者は同じ条件だというでしょうが。
今まで聞いたいて感じだと、どうしても最初はオーケストラが弱いです。
同じにするためには、リハーサルの時間を増やさなければいけないと思います。

さて、太田さんのラフマニノフです。
神経を集中させて聞きます。
最初の数秒間で、すごい緊張感が伝わってきます。
それと共に、ラフマニノフの2番を選曲する理由も分かりました。
ピアノの独走で始まるので、自分のペースに持っていきやすいのではないかと思います。
それでも、オーケストラの調子はいまいちですが、ピアノは、屈託なくガンガンと響かせます。
ラフマニノフが祖国で暮らせずに亡命していったという気持ちが込められている曲だと感じました。
ラフマニノフがどういう気持ちでこの曲を作曲し、演奏したか、そういう心が伝わってくる演奏です。
本人が思い通りに弾けたのかどうかはわかりません。
しかし、こういう演奏は、コンクールでなければ聞けないのではないかと思います。
単に上手な演奏ならCDで聞けばよいと思います。
会場まで足を運んで聞くのなら、一期一会の演奏のほうが良い。
曲が終わったときには不覚にも右側の頬が濡れていました。

次は、丸山さんのベートーベンです。
この曲は昨年の優勝者コンサートでチョン・キュビンさんが演奏したのと同じ曲です。
キュビンさんは、音を響かせるタイプの演奏でしたが、丸山さんは、ペダルで細かく音を制御する演奏です。
どちらかというと、私は響かせるタイプのほうが好きですが、一緒に行った女房は、こうした細かく丁寧にペダルで制御する音のほうが良い響きに感じるそうです。
こういうのは好みの差なのでしょう。
オーケストラも調子が上がってきました。
この曲を第一番に演奏するとかなり不利だと思います。
オーケストラだけの序奏が長いと、オーケストラの出来で演奏が方向づけられてしまいます。
二番目の演奏なので、よかったと思います。

休憩を挟んで、原田さんの狂詩曲です。
ピアノのソロもしっかりとありますが、全体としては、オーケストラ曲なのではないかと感じました。
この曲を選ぶとは、どういう作戦だったのかな?
とっても上手だし、オーケストラも全開です。
原田さん、よほど緊張が酷かったのか、最後に、オーケストラの皆さんにお礼をするのを忘れていました。

最後は、ノ・ヒソンさんのラフマニノフ2番です。
最初始まったときに音のコントロールが上手だな、と感じました。
これは期待が持てる
と思いましたが、私の心には響いてきませんでした。
抑揚のつけ方がわりと単調に感じました。
上手いといえば、上手いのですが、こういう演奏なら、CDでもっと上手なものが聞けるし、大演奏家のような円熟は感じなかったし...
しかし、フィナーレということもあってか、オーケストラも指揮者も全開です。
最後には、指揮者も少し弾けました。
聴衆の受けは、私と違って一番良かったみたいです。

結果は、
優勝 ノ・ヒソンさん(聴衆賞も獲得)
二位 原田莉奈さん
三位 丸山晟民さん
入賞 太田糸音さん

私の素人評価とはすっかり逆の結果です。
私は、聴衆賞を太田糸音さんに投票しました。
太田さん、丸山さん、ここでめげずに大家になってくださいね。
みなさん、良い演奏をありがとうございました。

ちょっと書き足らないことがあったので、明日も引き続き書きたいと思います。


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by mcap-cr | 2017-08-29 00:00 | コンクール | Trackback | Comments(0)
東京文化会館のメールマガジンが来ました。
今年の東京音楽コンクール(第15回)は、以下のような予定です。

■第15回東京音楽コンクール 第2次予選 
ピアノ部門:8月20日(日)11:00開演  
http://www.t-bunka.jp/sponsership/spo_170820.html

木管部門:8月22日(火)11:00開演 
http://www.t-bunka.jp/sponsership/spo_170822.html

弦楽部門:8月24日(木)11:00開演 
http://www.t-bunka.jp/sponsership/spo_170824.html

■第15回東京音楽コンクール 本選
ピアノ部門:8月27日(日)17:00開演  
http://www.t-bunka.jp/sponsership/spo_170827.html

木管部門:8月29日(火)18:00開演 
http://www.t-bunka.jp/sponsership/spo_170829.html

弦楽部門:8月31日(木)18:00開演 
http://www.t-bunka.jp/sponsership/spo_170831.html

いちばんの聞き所は、二次予選でしょう。
平日の昼間なので、休みをとらなければ行けませんが、まず、コンクールの熱さを聴くには二次予選がいいです。
ひとりひとりの個性を聴いて、胸の内の熱さを知ってしまってファンになりましょう。
そして、決勝での結果を見守りましょう。

大演奏家になっていない演奏っていうと今ひとつに感じるのかもしれません。
私もかつてはそうでした。
しかし、実際にコンクールを聴いてみて、自分の偏見を思い知らされました。
まず感じたのは、技巧は、大演奏家と比べても劣らないということです。
もちろん円熟している訳ではないのでしょうが、聴いている人が感じる情熱は、大演奏家と比べて劣るとは思えません。
二次予選で、ファンになってしまいます。

今年は声楽部門がないのが残念ですが、どの楽器でも、情熱を感じるには十分です。
休暇をとっても聴きに行く価値は十分と思います。

入場料は、各日とも二次予選が500円(小ホール)、決勝戦が2,000円(大ホールでオーケストラ付)です。

過去記事はこちらです。

カテゴリ コンクール




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by mcap-cr | 2017-04-23 15:16 | コンクール | Trackback | Comments(2)
今日は、東京音楽コンクール第14回の声楽部門決勝がありました。
場所は東京文化会館、時間は18時から2時間ほどです。
二次予選では、自分の中では物議を醸す結果となりましたが、決勝はどうだったでしょうか。
前半は女声を集めています。
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最初は、キム・テウンさん(メゾソプラノ)
短い曲を続けて、最後はヴェルディで締めました。
声は綺麗だったと思います。
二曲目では声色が変わり、幅の広さを見せました。
三曲目は高い声にシフトしてソプラノのような感じでした。
どちらかというと高い声が得意なのでしょうか。

二人目は、注目の平山莉奈さん(メゾソプラノ)
最初の第一声から違いを魅せつけました。
キム・テウンさんも一人だけ聞いていれば良かったのですが、平山さんの声は、粒立ちが良く、旋律を正確に聴かせます。
メゾソプラノでなければ出せない味です。
やっぱりスゴイな、と感じさせられました。
最後は、ロッシーニのチェネレントラ(シンデレラ)からでした。
ロッシーニのシンデレラは、王子が結婚相手を探すために、従者と入れ替わって、候補の素性を調べる話で、ガラスの靴の話とは違いますが、オペラは、コミカルに楽しめる演出に仕上がっています。
今回の最後の部分には、平山さんの美声と、三十数ヘルツの大太鼓との掛け合いになって、また、改めて違う味を出してくれました。
ロッシーニは、オーディオ的にも仕掛けをしていたのですね。
やっぱり平山さんはすごかった。

三人目は、やはり注目の今井実希さん(ソプラノ)
天地創造の一節は、平山さんと比べて微妙な粗さを感じましたが、美しい声で丁寧に歌いあげてくれました。
つぎに、ファウストから、マルガリータが悪魔に騙されて狂ってゆくところです。
童心に返るようなところから狂気に至るまで熱唱してくれました。
やはり、魂をゆさぶる歌唱でした。
ひとつ気付いたのは、今井さんの歌唱で、オーケストラが引き立つことです。
今井さんの歌唱の間のオーケストラは、見事に朗々と響いていました。
帰宅後、同じ部分をシェリル・スチューダーのCDで聞いてみました。
今井さんのほうがずっといいじゃない!

休憩を挟んで、男声へと続きます。
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ユシュマノフ(バリトン)さんは、相変わらず安定した歌唱で、声量も十分あります。
上手い。本当に上手いです。
最後は、長めに時間をとったドン・カルロで締めてくれました。

いよいよ最終は、アン・ジョンミンさん(バリトン)
二次予選では、違和感がつきまとい、何故最終予選に残ったのか分からないと思っていました。
しかし、決勝では様子が違います。
声は朗々と響き、多くの人の心を掴んだようです。
最後は、ドン・カルロで、ユシュマノフさんと同じでした。
個人的には、ユシュマノフさんのほうが、声量も十分で上をゆくかなと思いました。

結果は、最後まで待たずに帰宅して、インターネットサイトで見ました。

圧倒的と思った平山さんは選外。何故?
きっと専門家の先生たちには気に入らないところがあったのでしょう。
それにしても残念。

一位は、アン・ジョンミンさん。
聴衆賞も獲得しました。

二位はユシュマノフさん。

三位は、今井さん。

聴衆賞の投票は迷った末に、今井さんにしました。
平山さんより荒削りな感じがしましたが、情熱が素晴らしかったし、私の魂を揺すぶってくれました。
しかし、三位に終わったのは残念。

個人的には、平山さん、今井さん、ユシュマノフさんでした。
妻は、平山さん、の次は、ユシュマノフさんか今井さんだと思っていたそうです。

私が座っていた後ろの席の若いカップルは、アン・ジョンミンさんに感激したと話していました。
一位のアンさんは、是非とも日本が好きになって帰って欲しいとおもいます。

結果と関係なく思ったことを書いておきます。
コンクールでは、オペラをまるまる一曲というわけにはいかないので、アリアを選択して歌います。
しかし、私は、オペラ作品を全体として聞くタイプなので、全体を通してある程度覚えてしまった曲以外では、アリアだけ聞いても魂が揺すぶられることは難し場合が多いです。
ヴェルディなどは、よく聞くのですが、アリアだけ抽出して聞くことがないので、部分的に聞いても、魂が揺すぶられることはあまりありません。
それに対して、今井さんが熱唱してくれたファウストは、全体を通して何度も聞いているので、一部を聞いただけで、他の部分も一瞬のうちに記憶として体を流れてゆきます。
こうして魂を激しく揺すぶられることになります。
だから自分は、専門家のように、広い視野で評価することができません。
しかしながら、歌手は、ファンを獲得することが、仕事の評価を高めることでもあるので、私のような中途半端な知識の人をファンとして獲得しなければなりません。
今年の大会では、平山さん、今井さん、そして惜しくも二次予選で敗退してしまった、倉本絵里さんに魂を揺すぶられ、ファンになってしまいました。
私は、聞くときに、実際の演奏とともに、自分の記憶と記憶を通した妄想とが融合した混沌状態になります。
魂が揺すぶられないと、記憶や妄想が出てこないので、上手いと思ってもそれだけになってしまいます。
コンクールで優勝しても、先は厳しいでしょうが、優勝に届かなかった人でも、どんどん活躍して多くの人々の魂を揺すぶり続けてゆくことを期待します。
こうした、隠れた才能が、世に出るお手伝いをしたいと切に願っています。

自分のオーディオ趣味は、自分の感動の記憶を呼び覚ますためのものです。
ということで、10月15日(土)のオフ会には是非ともいらしてくださいね。

オフ会の日程が間違っていました。変更して調整します。
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by mcap-cr | 2016-08-23 23:38 | コンクール | Trackback | Comments(0)
今日は、東京文化会舘小ホールで第14回東京音楽コンクール、声楽部門第二次予選が開催されました。
東京音楽コンクールには、何年か前からハマりはじめ、声楽部門だけは、必ず二次予選から聞くようにしています。
入場料はなんと500円。とってもリーゾナブルです。

今年は、12人が第二次予選に進んでいます。
結果はもう出ているのですが、聞きながらとったメモを見ながら、結果を知る前に感じたことをそのまま書きます。

時間は、午前11時から、一人につき15分ほどの歌唱、演奏です。

最初は、ソプラノの安斎里江さん。
立派な体格の方です。
ヘンデル、トスティ、モーツァルトと歌いましたが、緊張のせいか、声量が足りなかったようでした。
伴奏のピアノも少し軽く感じました。

2人目は、昨年、決勝で聴衆賞に輝いた、メゾソプラノの平山莉奈さんです。
ベッリーニ、コルンゴルト(2曲)、Rシュトラウスと続きました。
やっぱり平山さんの歌唱力は、抜群でした。
声の美しさ、旋律の明確さ、声量、どれをとっても抜群で、平山さんを聞くだけでも来た甲斐がありました。
私の涙腺を激しく刺激したのは、全出場者の中で3人だけで、その中でも特別な感動がありました。
ロイヤルオペラあたりで歌ってほしいな、と妄想していました。

3人目は、メゾソプラノの大賀真理子さん。
ベッリーニ、レスピーギ、ヴェルディと続きました。
声量、歌唱力は、抜群。
衣装や髪型がイマイチに感じられたのは残念でした。
女房は、大賀さんの決勝進出を予想していました。

4人目は、バリトンのアン・ジョン・ミンさん。
声が良いと思いましたが、リズムに揺らぎと違和感を感じました。
また、仕草や表情が好きになれませんでした。
見ながら聞いていると、揺らぎや違和感が強かったので、最後は目を瞑って聞いてみましたが、やっぱり違和感は無くなりませんでした。

5人目は、バリトンのヴィタリ・ユシュマノフさん。
ソ連時代のレニングラード出身です。
声量、安定感が抜群でした。
女房の聞きどころのツボにハマったようで、耳にビリビリときたそうです。

昼休みを挟んで、次の4人に進みます。

6人目は、チョン・インホさん。
声の良いバスで、歌唱力が素晴らしく、よく通る声で、会場に響き渡りました。

7人めは、ソプラノの倉本絵里さん。
モーツァルト、ロッシーニ、ブリッジと続きます。
本日、私の涙腺を激しく刺激した2人目です。
美声、しっとりした情感、旋律の丁寧さ、どこをとっても素晴らしい。
いままで聞いたソプラノの中でも秀逸でした。
この方には、フォルクスオパーで歌ってほしいと妄想していました。

8番めは、ソプラノの石岡幸恵さん。
美声で旋律も正確でした。
声量もあり、素晴らしい歌唱でした。

9番めは、メゾソプラノのキム・テウンさん。
ブラームスで、深々とした歌唱を披露してくれました。

20分の休憩を挟んで最後の3人です。

10番目は、テノールの澤原行正さん。
少し声量が足りなかったのと、失敗した(ように感じた)のが残念でした。

11人目は、ソプラノの梶田真未さん。
R・シュトラウス、ヴォルフ、ヴェルディと続きます。
深々とした美しい声と明瞭な発音が魅力です。

12人目は、ソプラノの今井実希さん。
ヴェルディとリストの2曲です。
よく通る美声、華やかで、メリハリのある歌唱には唯々驚きました。
私の涙腺を刺激した3人めです。
この方には、メトロポリタン歌劇場で歌ってほしいと妄想していました。

決勝に進むのは4人と仮定して、私は、
平山さん、ユシュマノフさん、倉本さん、今井さんの4名が決勝に進むであろうと予想していました。
女房は、平山さん、大賀さん、ユシュマノフさん、今井さんの4名を予想していました。

さて、結果は、メールマガジンをそのまま引用します。
■東京文化会館メールマガジン 2016.8.18 Vol.367

第14回東京音楽コンクール 第2次予選 声楽部門 審査結果発表!

将来の音楽界を担うアーティストの発掘と育成・支援を目的に開催する東京音楽コンクール。
本日は第2次予選声楽部門を開催し、本選の出場者が以下のとおり決まりました。

また、本日より1月9日に開催する「第14回東京音楽コンクール優勝者&最高位入賞者コンサート」の
チケットを販売しています。ぜひお買い求めください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 第14回東京音楽コンクール 本選
 声楽部門出場者(第2次予選出場順)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 平山 莉奈(メゾソプラノ) HIRAYAMA Rina, Mezzosoprano
 【本選演奏曲目】
  G.ドニゼッティ:歌劇「ラ・ファヴォリータ」より “私のフェルナンド”
  V.ベッリーニ:歌劇「カプレーティ家とモンテッキ家」より “君だけに、僕のジュリエッタ”
  G.ロッシーニ:歌劇「チェネレントラ」より “悲しみと涙のうちに生まれ”

 アン・ジョンミン(バリトン) AHN JeongMeen, Baritone
 【本選演奏曲目】
  G.ドニゼッティ:歌劇「ドン・パスクワーレ」より “天使のように美しい娘”
  R.ワーグナー:歌劇「タンホイザー」より “死の予感のように~夕星の歌”
  G.ヴェルディ:歌劇「ドン・カルロ」より “私の最後の日が来ました~私は死に行きます”

 ヴィタリ・ユシュマノフ(バリトン) Vitaly YUSHMANOV, Baritone
 【本選演奏曲目】
  G.ヴェルディ:歌劇「仮面舞踏会」より “おまえこそ心を汚すもの”
  G.ヴェルディ:歌劇「ドン・カルロ」より “私の最後の日が来ました~私は死に行きます”

 キム・テウン(メゾソプラノ) KIM Taeeun, Mezzosoprano
 【本選演奏曲目】
  A.ベルク:「初期の7つの歌」より “ナイチンゲール”
  R.シュトラウス:「8つの歌」より “献呈” Op.10-1
  J.マスネ:歌劇「ウェルテル」より “さあ涙を流させて”
  G.ヴェルディ:歌劇「ドン・カルロ」より “おおむごい運命よ”

 今井 実希(ソプラノ) IMAI Miki, Soprano
 【本選演奏曲目】
  J.ハイドン:オラトリオ「天地創造」より “いまや野は瑞々しい緑を差し出して”
  C.グノー:歌劇「ファウスト」より “トゥーレの王~宝石の歌”

 8月23日(火)18:00開演
 東京文化会館 大ホール
 指揮:鈴木織衛
 管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団

 ※本選の出場順は確定後、ホームページで発表します。
 http://www.t-bunka.jp/sponsership/spo_160823.html


素人である、私や妻の予想とは少し違います。
いや、大きく違うと言うべきか。
絶対になかろうと予想した人も決勝に上がりました。

専門家の審査っていったいどうなんだろう?
外国人を上げないと国際にならないとか思った、とかいうことではないと思いたいです。
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by mcap-cr | 2016-08-18 21:36 | コンクール | Trackback(1) | Comments(0)
今日は涼しかったですね。
東京音楽コンクールの二次予選が来週行われます。
その翌週には、本線決勝戦ということになります。

第2次予選(東京文化会館少ホール)
声楽部門 8月18日(木)11:00
金管部門 8月20日(土)11:00
ピアノ部門 8月22日(月)11:00
入場料500円(自由席)

本選(東京文化会館大ホール)
声楽部門 8月23日(火)18:00
金管部門 8月25日(木)18:00
ピアノ部門 8月28日(日)17:00
入場料2000円(自由席)


音楽コンクールの熱さは、聴いてみなければ絶対に分かりません。
これほどまでに、熱く、圧倒的なのか、最初に聴いたときは、感動と驚愕のあまり頭のなかがグラグラになりました。
しかも、二次予選はたったの500円、本選でも2000円です。
これは聴くしかないでしょう。

詳細は以下に出ています。

http://www.t-bunka.jp/onkon/onkon.html

昨年は聴衆賞に終わってしまった平山莉奈さん(メゾソプラノ)、ことしは行けるかな?
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by mcap-cr | 2016-08-11 20:58 | コンクール | Trackback | Comments(0)
年初にひいた風邪が治りきっていませんが、昨日は第13回東京音楽コンクール 優勝者コンサートに行きました。
コンクールの予選から注目しているので、声楽の優勝者が決定してすぐの購入でした。
しかし、すでに好みの席はなく、向かって右側袖の一回席でした。
妻は遠縁に不幸があったので文化会館に行くことができず、代わりに母を招待しました。
第13回東京音楽コンクール 優勝者コンサート
日時1月11日(月) 14:00開演(13:20開場)
曲目シューベルト:「ロザムンデ」序曲
 
シューマン:チェロ協奏曲
 【出演】水野優也(Vc) *弦楽部門第1位及び聴衆賞
 
フランセ:ファゴット協奏曲
 【出演】鈴木一成(Fg) *木管部門第1位
 
ロッシーニ:歌劇『セヴィリアの理髪師』より“私は街の何でも屋”
プッチーニ:歌劇『妖精ヴィッリ』より
        “馬鹿な、そんな事があっていいのか~わたしの娘の聖なる魂よ”
ジョルダーノ:歌劇『アンドレア・シェニエ』より“祖国の敵か”
 【出演】清水勇磨(Br) *声楽部門第1位
指揮梅田俊明
出演朝岡 聡(司会)
演奏東京フィルハーモニー交響楽団
料金指定:2,000
友の会会員・シルバー(65歳以上)・ハンディキャップ:1,500


第1曲目の『ロザムンデ』は、オーケストラの慣らしのための演目でしょう。
オーケストラから見ればコンクールの優勝者は、さほどの存在ではないかもしれません。
それは穿った見方かもしれませんが。

最初は、チェロの水野さんです。
シューマンのチェロ協奏曲とは、選定が素晴らしいです。
水野さんは美しい旋律を弾いたり聞いたりするのがお好きだそうです。
若干17歳、高校生です。
このまま、世界中のコンクールを制覇してスターダムをまっしぐらに行けるといいですね。
演奏のほうは、最初から一音一音を心に刻むような演奏で、心に訴えてきます。
決勝のときはエルガーでしたが、再び聴けて良かったと思います。
残念だったのは、決勝で惜しくも敗れた藤原さんの演奏を聴けなかったところでした。
勝負なので仕方がありませんね。
藤原さんは更に上を行く素質があると期待します。

休憩を挟んで、次は、ファゴットの鈴木さんです。
フランセのファゴット協奏曲は、聞いたことのない演目でした。
オーケストラは11名で、室内楽曲のような編成です。
各パートの旋律がよくわかり、面白い曲です。
オーディオマニア向きかもしれません。
ファゴットのソロは聞いたことがなかったので、演奏についてはよく分かりませんでした。

最後は、お待ちかねの清水さんの歌唱です。
清水さんは、2013年には決勝に進めませんでしたが、2015年は見事に優勝。
見事な歌唱を聞かせてくれました。
今回は、ロッシーニから始まり、プッチーニのマイナーな歌劇と、ジョルダーノの歌劇からです。
ロッシーニは、とにかく明るい前向きなパートです。
最初だから義務的に明るい曲目にしたのだそうです。
その後の、『妖精ヴィッリ』では、暗く思い雰囲気を歌い上げ、
最後のジョルダーノでは、うつろいゆく気分の変化を歌い上げます。
声も素晴らしく見事でした。
今後は世界の舞台で活躍されることを期待します。
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by mcap-cr | 2016-01-12 19:16 | コンクール | Trackback(1) | Comments(0)

ショパンコンクール

ショパンコンクール優勝の韓国人に、仏審査員が付けた“1点”物議
という記事を読んで、ショパンコンクールに問題があるのかな、と改めて感じました。

ショパンコンクールの優勝者が、あまり活躍している印象はありません。
知らないだけなのかもしれませんが、ここ何十年か超大物といった感じの人を記憶していません。

30年くらい前に、ツィマーマン(ジメルマン)という人が優勝したことがありました。
そのときに、予選落ちしたポゴレリッチという人の採点を巡って、ちょっとした騒ぎがありました。
審査員だったアルゲリッチが、ポゴレリッチの予選落ちという採点を不服として、決勝の審査をボイコットしたという報道を記憶しています。
ツィマーマンの演奏が悪かったとは思えません。
実際に私もコンサートを聞きに行きました。
良かったですよ。本当に。

しかし、ツィマーマンは、自分自身に納得できず、その後、演奏活動を中断してしまいました。

ポゴレリッチも当時はFMで放送していましたが、その後はどうなったのでしょうか?

その後も、毎回優勝者が出ていますが、あまり活躍しているという印象がありません。

自分自身が、コンクールを聞きに行くようになって、本当にすごい人がたくさんいることが分かったし、優勝者も予選落ちも紙一重なんだな、と思うようになりました。

だから、優勝者に最低点をつける審査員がいてもおかしくありません。
それよりも、一部に高得点が多いほうが怪しさを感じたりします。

今回優勝した方のその後の活躍を期待しましょう。
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by mcap-cr | 2015-10-27 22:16 | コンクール | Trackback | Comments(0)
東京音楽コンクール、弦楽部門も凄かった。
日時 2015年8月30日(日)17:00開演
会場 東京文化会館 大ホール

C.サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲第3番 ロ短調 Op.61
石原悠企
トップは石原さん。
ぐいぐいと弾いてきます。
テンポの速いところでは、オーケストラが付いて来れなかったのは残念。
やはり、リハーサルが限られるのでしょう。
少し手を傷めていたのかな、と女房殿が言っていました。
ちゃんとリハーサルできた状態で聞いてみたいと思います。

G.ボッテジーニ:コントラバス協奏曲第2番 ロ短調
白井菜々子
コントラバスの協奏曲なんてあまり聴くことはありません。
白井さんは、始まる前に、上体を屈めて演奏の体勢に入ります。
きつそうな体勢です。
始まってすぐにその意味が分かりました。
コントラバスは、低い音が中心なので、なるべく高音を出すような曲になっていました。
するとそんな姿勢にならざるを得ないのです。
しかし、しかし、そんな拷問のような曲にビクともしない精神力と体力でぐんぐん弾いて行きます。
すごい。
コントラバスの協奏曲がこれだけ訴えかけてくるものとは知りませんでした。
このあたりですでに今年のレベルの高さにぶったまげています。

(休憩)

B.バルトーク:ヴィオラ協奏曲(シェルイ補筆版)
森朱理
森さんは、ビオラという地味な楽器を丹念に鳴らして弾いて行きます。
曲目もバルトークというちょっと地味な演目です。
演奏の素晴らしさはよく分かるのですが、曲が自分には難しすぎました。
もっと分かりやすいビオラ協奏曲ってないものなのでしょうか。
専門家の評価は高かったのではないかと思います。

D.ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番 変ホ長調 Op.107
藤原秀章
出ました!
始まってすぐにレベルの違いが分かります。
もう既に大演奏家の域に達している。
フラジオレットもピッツィカートも輪郭鮮明に慣らします。
指揮者もオーケストラも唖然という感じ。
ショスタコービッチという大作曲家の真価を教えて頂きました。

(休憩)

E.エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調 Op.85
水野優也
藤原さんの後で大変だろうと思っていましたが、水野さんは、丹念にしっとりとした演奏でオーケストラや聴衆を引き込んでいきます。
この人もスゴイ。
オーケストラも感動を隠せません。

P.チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
野見山玲奈
チャイコフスキーという、今回の演目の仲でおそらく最も有名で、名曲の誉れ高く、しかも人気曲で勝負です。
この曲は、発表当初、難しすぎて弾けないとか、腐った酒のような曲だとか、さんざんやられてきたそうですが、時間とともに評価が高まり現在では、名曲中の名曲として定着しています。
野見山さんの技巧には一点の陰りも感じられません。
音の美しさ、華麗な演奏で聞かせてくれます。
石原さんのときと同じく、テンポの速いところではオーケストラが着いてこられないのを感じました。
最後は名曲で盛り上げて締めくくる。
素晴らしい演奏でした。

指揮:大井剛史
管弦楽:東京交響楽団
大井剛史

結局演奏時間は、全部で3時間ほど。
指揮者とオーケストラは、オペラ1曲分の演奏になりました。
大変だったと思います。

ソリストを6名も集めて協奏曲を競演するコンサートなんてなかなかありそうにありません。
そんなことを実現してしまうのが音楽コンクールです。
終わってもなかなか興奮は収まりません。

ちなみに、今回も聴衆賞への投票がありました。
自分は、藤原さんに1票、女房殿は水野さんの1票でした。

さて、結果は、


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 第13回東京音楽コンクール 本選
 弦楽部門 審査結果
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 第1位 水野 優也(チェロ)
 第2位 藤原 秀章(チェロ)
 第3位 白井 菜々子(コントラバス)
 入選 石原 悠企(ヴァイオリン)、森 朱理(ヴィオラ)、野見山 玲奈(ヴァイオリン)

 聴衆賞 水野 優也(チェロ)

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第1位を獲得した水野さんは、木管部門第1位の鈴木さん、声楽部門第1位の清水さんと共に、
来年1月11日に開催する「優勝者コンサート」に出演します。
チケットは8月26日より販売を開始しました。皆様のご来場をお待ちしております!

■■第13回東京音楽コンクール 優勝者コンサート■■
http://www.t-bunka.jp/sponsership/spo_160111.html


私の一押しの藤原さんは残念でした。
水野さん、おめでとうございます。

こんなに素晴らしくても一位は一人というのが、このコンクールのレベルを示すのでしょう。
優勝者コンクールの席は結構埋まっているので、早めに購入しましょう。
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by mcap-cr | 2015-08-31 07:40 | コンクール | Trackback | Comments(0)