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足し算型解決法/引き算型解決法

先日、録画していた『開運・何でも鑑定団』という番組を見ていたら、珍しくオーディオ趣味の人が出ていました。
トラックの冷蔵用の荷室(冷蔵庫?用語が分からない)をオーディオ用に改造してリスニングルームにしたとのことで、広くない空間に高価そうな装置がたくさん置いてありました。
家族に気を使わずに大きな音が出せるのがいいそうです。

その部屋を見ていてちょっと考えてしまいました。
『4畳半の部屋に38cm3ウェイ(4ウェイ)を置いてもいい』と書いていた加銅鉄平さんという方がいました。
それはそれで別にかまいませんが、問題は大きいでしょう。
私は38cm4ウェイにかじりついて聴きたくはありません。
38cmは38cmの使い方があるのであって、4畳半で使うというのは、実用性を考えたらどうなのかと思います。
狭い部屋で大型装置を使用しても、悪いことはたくさん思いつきますが、良いことは何ひとつ思いつきません。
オーディオと生演奏を聴く経験を重ねれば重ねるほど、音楽を聴く目的のためには、できるだけシンプルな方がいいと思うようになってきました。
ネットワークはないほうがいいし、アンプもなるべく単純な回路構成で、1台にまとめるほうがいい。
良かれと思って改善していくと別な問題が出てくるので、それを改善し続けていくのが旧来のオーディオマニアですが、結局、やればやるほど悪くなる部分が出てきます。
こうした改善により生じる必要悪そのものを取り去るのが単純化で、ある水準の品質のものに対して、技術的に何らかのものを足して問題解決するか、単純化して引き算で問題解決するか、そんな違いだろうと思います。
人間誰しも老いると耳の機能が低下しますが、その前にこういうことに気付けば、引き算型改善でコスト削減できます。
気付くのが遅いと、聴覚では判断できなくなるので、足し算型解決法しかありません。
超豪勢な装置を使うオーディオマニアが年配の人に多いのはこんな理由でしょう。

ある程度の品質のオーディオ装置を揃えると、あとは音の違いは部屋の違いになってきます。

豪著なオーディオ装置を揃えられる人は金銭的に豊かである

金銭的に豊かな人は、余分なものがない広い部屋を持っている

結果として良い音がする

このロジックをスキップして

『豪著なオーディオ装置はいい音がする』

としてしまうと、

『せっかくカネを掛けたのに音が良くならない』

『この装置が悪いに違いない』

となって、装置にカネをつぎ込み続けることになります。
ちゃんとしたメーカーの装置が悪いわけないので、部屋が同じだと装置を換えても期待通りの差が出ないことは多いでしょう。
途中で金銭的に豊かになって部屋が広くなればそこで気付くでしょうが、下手すると一生オーディオ貧乏になってしまうかもしれません。
何でも鑑定団にオーディオ機器が登場したことがあるかどうか分かりませんが、骨董品を集めすぎて家族が出ていってしまったりする話はよくあります。
オーディオでそうなるのだけは避けるほうがいいと思います。

『ボクの趣味、ひとから見れば、それで何?』
『ひとの趣味、ボクから見れば、それで何?』

趣味ってそんなもんなんですよね。


# by mcap-cr | 2019-07-20 06:59 | オーディオ一般 | Trackback | Comments(0)

スピーカーユニット取付用穴加工

スピーカーユニットを、必要穴が小さめのものに交換した記事を書いていて思い当たることがありました(記事)。

スピーカーユニットのマグネットは今でもフェライトが主流です。
アルニコは高級品だし、ネオジウムも最近はだんだん見なくなってきました。
フェライト磁石の欠点は、磁力が弱いことと、素材そのももの磁気抵抗が大きいため、厚くしても磁力増強効果が小さいことです。
このため、FostexのFEの限定品は、磁力を上げるためにマグネットの径をぎりぎりまで大きくしてあるので取付が大変です。
それだけでなく、振動板背面の気道がマグネットで塞がれるために、背圧が増えるであろうと推定されます。
このために、穴にテーパー加工を施す人は多いだろうと思います。

そこで、取説通りのユニット取付方法よりも改善するモデルができるのではないかと考えました。
それを思い付いたのが上記の記事のときです。
取付穴は大きくしたい、しかし、中心からずれるのは防ぎたい。
また、フランジで穴をすべて塞げないと空気してしまう。

パイオニア製品のようにフランジが極端に小さい場合はこの方法が適切でない場合もありますが、フランジの寸法に余裕があれば大丈夫です。
取付用のネジ孔が取付穴に近すぎる場合には、スピーカーユニットを背面から引っ張る方法での取付が必要になりますが、ネジ孔位置に余裕があれば、全面からのネジ止めでも何とかなります。

ということで、手元にあったFE103En-Sの寸法例で図を描いてみました。

a0246407_14303226.png
改善案のほうは、2mm厚の小さな木片を使ってスピーカーユニットの中心からのズレを抑えます。
このようにフランジの立派なユニットなら問題なくいけそうです。
必要穴径102mm+端子板切り欠きというのも格好良くありませんが、改善案だったらほとんどの部分で穴径106mmになるので取付も余裕でできるだろうし、穴を削らなくれも気道がある程度確保できそうです。
木片は作ってもいいですが、アイスキャンディーの棒の厚みがおよそ2mmなので、こういう廃材の再利用のほうがエコでしょう。


# by mcap-cr | 2019-07-19 06:01 | 工作 | Trackback | Comments(2)

Youtubeだけど

昨日、有富萌々子さんと上田実季さんのリサイタルの紹介の記事を書きました。
ちょっと思い出したのですが、有富さんが、先日仙台国際音楽コンクールのことをtweetしていました。
レベルの高さに驚いたそうです。
同じ演奏者として聴くと、その演奏者の意図が良くわかるので、演奏に入り込んでしまうのでしょう。
しかも、納得して聴いた後に、その出場者が評価されなかったらまたショックでしょう。
その場に聞きに行ったのかと思っていましたが、ひょっとしたらそうでないのかもしれません。

また、同じくツィッターで同コンクールの結果を見ることができました。

ヴァイオリン部門では、昨年の東京音楽コンクールでは力を発揮しきれなかった北田千尋さんが、優勝まではいけませんでしたが、その北田さんが出場した同コンクールの前年の覇者の荒井里桜さんよりも上位の成績を残していました。
しかも、北田さんが出場した年の同じ東京音楽コンクールで優勝の関朋岳さんよりも上の成績でした。
北田さん、やっぱり実力は流石なんだ。
おめでとうございます(一位じゃないのでそう言えるのか微妙ですが、2017年と2018年の東京音楽コンクールの覇者を超えたのは素晴らしいことだと思います)。

仙台国際音楽コンクールについて、ツィッターを探していたら、演奏を全部聴けることが分かりました。


仙台国際音楽コンクールでは事前審査の後予選があり、セミファイナル、決勝となります。
決勝は、3日間に亘って続き、2曲も演奏しなければなりません。
一発勝負に近い東京音楽コンクールとは随分違います。

全員聴けるのですが、時間がかかるので、何人かを選んで予選から少しずつ聴いてみました。
予選の演目はバッハの協奏曲です。
小編成でのソロです。
関さんから聴き始め、荒井さん、北田さん...、最終結果が最上位(一位なしの二位)のシャノン・リーさんも含めていろいろな方の演奏を含めて少しずつ聴いていきました。
関さんは、今回は予選で涙を呑んでいます。
関さんの演奏は、というと、あくまでもYoutubeを普通のPC+サンワサプライのヘッドホンで聴いた限りでは、調子はそれほどでもないようでした。
しかし、ひと通り聴いたあともう一度関さんの演奏を聴くと、あれ?どうして予選で涙を呑んだのか?と評価が変わりました。
自分のような素人には絶対評価する能力がないので、その都度いろいろな要因で首尾一貫しない評価をしていただけなのでしょう。
その不確かさがその短い間にも起きるということです。

聴いた方たちの演奏はみな素晴らしく、この中から順位をつけるのは、辛いだろうと思いました。
その中でも、北田さんの演奏は、決勝まで聴いても特に素晴らしく感じました。
北田さんは、東京音楽コンクールのときは、チャイコフスキーを選んだのですが、もっと美しい曲を選ぶほうが実力が発揮できるだろうと思いました。(記事
今回は、決勝では、メンデルスゾーンとモーツァルトの協奏曲を選曲していて、どちらも、北田さんの真価を発揮できたと思います。
メンデルスゾーンもモーツァルトもどちらも卓越していて、オーケストラの方々もいい感じで演奏していました。
東京音楽コンクールでもメンデルスゾーンを選んでいたら別な結果だったかもしれません。
このYoutubeでは、特に荒井さんと比較して聴いていましたが、北田さんのほうが実力を発揮したように感じました。
荒井さんの演奏はまだ生で聞いたことがないので比較は難しいのですが。

コンクールは、じゃんけんのようなもので、絶対的に強い人がいる訳ではなく、そのときどきで勝者が決まるようです。
(どの先生に師事しているかも影響があるのではないかと想像しますが。)
ときが変わってところが変われば別な結果になるくらい、皆さんの実力が伯仲していて、順位が下がったところで、その分だけ真の実力(というか音楽性というかよくわかりませんが)が悪く評価されたわけではないでしょう。

心配なのは、実力者が勢揃いしてしまうと、本当の才能が埋もれてしまうことです。
この仙台国際にしても、実力者の関さんでさえ勝ち残れなかった訳で、他にも実力通りに評価されなかった人は大勢いるでしょう。
結果が出ないと、なかなか世に出るチャンスを得にくいので、過去に埋もれてしまった才能は多数でしょう。

それでも、コンクールを一度でも聴いて知っていると、無意識のうちに応援してしまいます。
今回はYoutubeで聴いただけでしたが、『北田さん凄い!次は一位だ!』と思ってしまった人は、自分だけではないかもしれません。


# by mcap-cr | 2019-07-18 06:23 | 音楽・コンクール | Trackback | Comments(2)

リサイタル情報

今年の前半は、コンサートやリサイタルを聴く機会が多かったのですが、6月以降は、まだ生演奏を聴く機会がありません。
昨日の朝、ツィッターを見ていたら、ヴィオラ奏者の有冨萌々子さんが、ウィーンフィルのアカデミー生に合格したことを知りました。
しかもザルツブルク音楽祭にも出演されるとのこと。
おめでとうございます!
見た時点の8時間前にご本人がツィートされていたので、ほとんどタイムラグがない感じです。
しばらく前には、ウィーンでの試験がうまくいったことや、日本に帰国されていたことをツィッターで拝見していましたが、また、拠点がウィーンになることでしょう。
と思っていたら、ご本人から、リサイタルのご案内を頂いてしまいました。
今回は、文京楽器で演奏されるそうです。
何と、また、上田実季さんとの共演です。(2月のリサイタルの記事1
私は、上田さんのファンでもあるので、このブログでは、上田さんについても書いています。
特に印象が残ったのは、PTNA入賞者コンサートで聴いたベートーヴェンのソナタ第32番ハ短調Op.111でした(記事)。
それ以来、この曲が特にお気に入りになってしまい、全集のCDを3セットも購入してしまい、何度も聴くようになりました。

有冨萌々子さんと上田実季さんの、つぎのリサイタルは、下記の通りです。
2019年9月7日(土)17時開演
会場は文京楽器です。
すぐに予約が埋まると思いますのでお早目にご予約ください。
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# by mcap-cr | 2019-07-17 00:00 | 音楽・コンクール | Trackback | Comments(0)

真贋を見極める目

マスコミは真実を伝えません。
マスコミのやっていることは、情報に自分の希望する色を着けること。
情報の一部を取り出すことそのものが色を付けることでもありますが、元の情報とかけ離れた印象に持っていくというのがマスコミのやり方です。
そして、その方法は、K国のやり方と極めて似ている。
騙しの手法を極めていけば同じになるのか、あるいは、騙しの起源がどこか共通だったのか、そういうことは分かりませんが、騙しには手法があって、自分で真贋を見極めなければ嘘の情報を掴まされるということです。

新聞記事のコピーです。
おそらくこの記事はマシなほうだと思いますが、思うことを書きます。
ツッコミどころ満載の記事よりは、それらしくてもちょっと不審な点があるという程度の記事でしょう。

リンク元は、
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190713-11745224-bloom_st-bus_all

記事の内容です。引用部分を青で書く人が多いので、青にしています。

半導体材料輸出規制、韓国側から撤回要請ない-経産省幹部

7/13(土) 18:55配信

(ブルームバーグ): 経済産業省の岩松潤貿易管理課長は13日午後、臨時の記者会見を行い、フッ化水素など3品目の半導体材料の対韓輸出規制を巡る事務レベル会合で、韓国側から措置の撤回を求める発言はなかったとの認識をあらためて示した。

岩松氏は会見で、12日に同省内で行った会合での韓国側の反応について「議事録には撤回の2文字は確認できなかった」と言明した。その上で、韓国側の記者説明は公表しないことで合意した部分や事実誤認が含まれているとして「遺憾に感じている」とも述べ、在日韓国大使館に抗議したことも明らかにした

NHKによると、韓国側で事務レベル会合に出席した産業通商資源省のチョン・チャンス貿易安保課長は13日、羽田空港で記者団に対し、日本側の説明に対して韓国側は納得も理解もできないと強く反論したことを明らかにした。ハン・チョルヒ北東アジア通商課長は日本に原状の回復と措置の撤回を要請したと述べた。

日本政府は韓国の輸出管理を巡り、不適切な事案があったとして4日、半導体の製造に使用されるフッ化水素など3品目について、輸出許可取得の手続きが簡素な「包括輸出許可制度」の対象から韓国を外し、個別の許可制とする措置を発動した。このほか、貿易上の優遇措置が適用される「ホワイト国」から除外する政令改正への意見募集を24日まで行っている。

(c)2019 Bloomberg L.P.


語彙が多いのは結構なことですが、報道において、解釈を曖昧にする表現を使うのは明示的に禁止すべきでしょう。
STE(Simplified Technical English)のように、用語や用法を制限するのが正しいあり方であろうと思います(過去記事)。

まず、経済産業省は、公開した写真に『事務的説明会』という文言が映るようにしたのにもかかわらず、この報道は、それを、『事務レベル会合』と表記しています。
説明会と会合とでは全然違うんですけどね。
会合には意見の交換はあるでしょうが、説明会は、一方的に説明を聴くだけです。
質疑応答程度はあるでしょう。
しかし、議論しないことを意図したので、『説明会』とした訳ですが、この意図を捻じ曲げて『会合』という表記に変えてあります。

『確認できなかった』というのがもとはどういう文言だったのか分かりませんが、ひょっとしたら、『撤回という文字は議事録にありません』とか『撤回については議論されませんでした』かもしれないし、『議事録には記載されなかったが、ことわりのうえ、議事録に記載しないことで同意させた』のかもしれません。
『確認できなかった』というのは『ない』とは意味が違います。
オーディオの議論では、『ケーブルの違いによる音の違いは、ブラインドテストでは判別できなかった』というのと、『ケーブルの違いによる音の差はない』というような違いでしょう。

『明らかにした』というのも、事実ではありません。
取材した際に、何らかの口上があったことだけが事実であって、その口上の内容をそのまま書く以外は、事実を伝えることができません。
被取材側が、『〜と書け』と一字一句指定した場合には、
『と質問したのに対し、回答は〜と書くよう指定された』と書けば、それが回答であったことが分かります。
ところが、『明らかにした』というのは、前提に何らかの事実があって、その事実(真実)の内容を説明した場合に限って使える用法です。
すなわち、何らかの事実が前提になっているということです。
この場合明白なのは、被取材者が何らかの口上により回答しただけのことなので、『と述べた』以上のことは書けません。
こう書けば、その内容が事実であったかどうかは問題ではありません。
と述べたことが事実なのですから。
述べた内容が嘘でもいい訳です。

しかし、このようなミスリーディングな印象を与えるのが、代表的な手法であり、重要なニュースがあっても自分が伝えたくなければ決して報道しません。
これが、俗に云う『報道しない自由』ですが、私はこれを『報道機関による隠蔽の自由』と呼びます。
隠蔽しても、『報道する価値がないから報道しなかった』と云えばいいだけですから。
ただし、この手法もいつまで使えるわけではないでしょう。
新聞やテレビしか情報源のない情弱者は、どんどん減っていきます。
これから残る情弱者は、真贋を見極めることのできない頭弱者だけになっていくでしょう。

大切なのは、自分で考えて自分で判断することです。
その道の権威が云っているから間違いない、とか、あの人が云っているから間違いない、ということもあるでしょうが、それは、自分の頭が及ばない部分だけにしておかなければなりません。
社会科学の問題なんかは、中学生でも高校生でも、自分の頭で考えれば真贋を見極めることは可能でしょう。
怪しい表現を探し、その表現の裏に隠れた書き手の真意を読めば、疑わしい部分はかなり検知して情報から排除できるはずです。
関連過去記事



# by mcap-cr | 2019-07-16 05:27 | 報道 | Trackback | Comments(2)

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