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いつもと違って聞こえる

私のメインシステムは、FeastrexのNF5Exという励磁型フルレンジを使用したMCAP-CR型なのですが、これは、居間に置いてあるのであまり聴くことはありません。
その日に残った仕事を片付けるのに、居間でパソコンを開くようなときに聴いたりします。
この励磁型のユニットは中高音が素直で楽器の音を良く再現するので、好きなのですが、励磁型で電気が勿体無いとか、使っているアンプが、アキュフェーズの消費電力の大きいタイプとかいうケチな理由で、あまり聴くことはありません。
もっぱら自室にある音場型のPUP5D-CR ver.2を、Stereo誌の付録アンプLXA-OT1で使っています。
コストは対照的だし、音も違うのですが、安いからと云って聴けない訳ではありません。
例えば200万円の装置で聴けば2万円の装置で聴く同じ音楽CDを100倍楽しめるなんてワケはありません。
LXA-OT1は、製造コストは数百円でしょうが、音量を上げたときに破綻することを除けば、そこそこの低音までちゃんと鳴らせるので、頑張っているといえます。

オーディオを趣味にしていると、いつもと違って聞こえることがよくあります。
1.『今日はちょっと歪みっぽいな?』
2.『今日は低音が出ないなあ?』
3.『こんな音入ってたかな?』
4.『今日は生気なく聞こえる』
5.『今日は速く聞こえる』
6.『こんな曲だったかなあ?』
7.『こんな演奏だったかなあ?』
本当に違うのかよくわかりませんが、原因に気付くこともあります。
低音の出方については、割と簡単で、居室のような小規模な部屋であれば、自分が位置を変えると低音の音量が全然違います。
これは、周波数ごとに、節の位置と腹の位置が違うためです。
節とか腹というのは、振幅の違いで、振幅が計算上ほぼゼロになるのが節、振幅が計算上最大になるところが腹の位置です。
いつもと違って聞こえる_a0246407_17483332.png
上の図は、部屋の定在波をイメージして描いたものです。
赤矢印が、腹となる部分で、位置は周波数ごとに違いがありますが、最も音圧が大きくなる部分です。
マゼンタ色で描いた矢印は、逆に、節の部分で、ここでは音圧が極小になります。
完璧なモデルなら完全にゼロとなるのですが、モデル通りになることはありえないので、極小という書き方をしています。

音は、粗密波の縦波なので、イメージしにくいですが、壁の部分が節になるので、反対側の壁が隣のもう一方の節になれば、壁と壁の真ん中付近で振幅が最大になります。部屋の壁以外に節があれば、節の位置では、振幅が極小になります。
ですから、場所が違うだけで、音が全然違います。

同じ部屋で複数の人が同時に聞いていれば、感想が違うのは当然のことです。
歪っぽいとかの音の差は、部屋の中のちょっとした置物(飾りという意味ではない)やカーテンの締まり具合、散らかり方等で音響的にも変わってきます。
それ以上に体調や気分の差が大きいでしょう。

自分の経験では、心が落ち着いていれば、音楽がゆったりと聞こえます。
実際に音がよく感じれば、ゆっくりと聞こえます。
理由は分かりませんが、音が良いと思うと脈拍が上がって体内時計が速くなるので、速さが変わらない音楽が相対的にゆっくりと聞こえるのかもしれません。
医師ではないので、いい加減なことしか考えられませんが。

今まで聞こえなかった音が聞こえるというのは、体調や、気分や、音響条件の、良い条件が重なったときでしょう。
一度気づいてしまえばそれ以降も聞こえるのだと思います。

以前、雑誌の付録のCDで、交響楽のなかのハープの演奏が聞こえるとか聞こえないとかで議論になったことがあります。
こういうのは、おそらく、楽譜が読める人には聞こえる可能性が高いと思います。
解説には、あたかも装置が良ければ聞こえるかのように書いてありましたが、それだけではないでしょう。
上記の知識のほうがよほど影響が大きいと思います。
たとえ最高のパフォーマンスのシステムで聞いても、楽譜が読めない人が聞こえるという例は、ずっとすくないのではないかと思います。
自分の場合は、聞こえたような聞こえないような...
暗示がかかれば、聞こえたように感じますから、きっと聞こえてなかったのでしょう。

ハープの音なんて、実際に目前でオーケストラを聞いていても、音が大きくなったら分かりません。
音の大きなピアノでさえも、交響楽のオーケストラと一緒では、聞こえないときがあります。
ピアノ協奏曲では、概ねピアノが引き立つように作曲してあるのでピアノの旋律はわかりますが、交響曲のパートをピアノが受け持つ場合には、フォルテシモでは、よく分かりません。
プロコフィエフの交響曲第5番を、ハインツ・ホールで聞いたときには、ピアノの熱演が見えていたのにピアノの旋律はよく分かりませんでした。

そうはいいながらも、聞こえないからといって、その部分の演奏をカットしてしまえば違和感が出るのではないでしょうか。

オーディオメーカーや雑誌等は、『どうだ!聞こえるか?』ではなく、あるはずのものがないと『聞こえないから抜いてみたけど何か違う?』と違和感を感じるのか、そういう実験をやってほしいなと思います。

どうでも良さそうな議論ではありますが、装置の良し悪しよりも本質的なのかもしれません。

Commented by kenbe at 2017-07-30 16:48
前のブログでも同じようなことを書いたことがありますが、全くその通りだと思います。
機械が聴くわけで無く、生身の人間が聴くわけだし、部屋の特性で音の傾向は変わりますので、その辺を考慮した音作り、測定、理論など必要になるように感じています。
Commented by mcap-cr at 2017-07-30 20:51
> kenbeさん
部屋の特性があるところまでは認識できるのですが、そこに合わせるのは骨が折れますね。
私は、最近は、音楽を楽しめれば、それ以上は望まなくてもいいのかなと思います。
楽しめるまでの道のりも長いのですが。
by mcap-cr | 2017-07-29 00:00 | オーディオ一般 | Trackback | Comments(2)

生演奏を主とすれば、オーディオは箱庭で充分でしょう。