2017年 04月 12日
複利計算の疑問(2)
借金残高の瞬間的な変化分は、現在の残高(Q)に利率(r)を掛けたものなので、残高は次式のように表されます。利率は、時間に対する増分(将来は減もあり得る)なので、年利でも日歩でも同じですが、期間によって数字が変わります。ここでは、特に単位を限定しないで表現します。

上記の微分方程式を解くには、まず両辺をQで割り、dtを掛けて変数分離します。

変数を左右部分離したところで両辺を積分します。ただし、Cは積分定数とします。
上記の対数の関係式を指数型に変形します。
途中の返済がない場合には、初期条件(借入額をQ0とする)を考慮すると残高は下記の通りとなります。
ここで、年利をRとすると、1年間の残高は次式のようになります。
通常の表示方法の年利Rを3%とし、瞬間的な利率と同じだとして計算してみます。すなわち、r≃R=0.03とすると
上の式を見ると、年間の利率が3.0454534...%となり年利Rと一致しません。
何故でしょうか?
それは、最初の部分方程式を見ると気付くのですが、Rを期間の単純平均としたためです。理論的には、この年利は、指数関数の線型近似値であり、正しく計算するには複利の根本である指数計算を線型近似せずに計算しなければなりません。
(6)式は、近似式なので、表示利率と理論利率を用いて(5)式を修正してみます。
ここで表示利率(年利)をR、理論利率(年利)をrとして関係を導いてみます。借入金が0でなかったことを前提として各辺をQ0で割ると次式となります。

よって、理論利率rについて解くと次式のようになります。
同様に表示利率Rについて解くと次式のようになります。
ここで、表示年率3%(R=0.03)のときの理論年率rを計算すると0.029558802(2.9558802%)となり僅かながら違いが出ました。
この関係を利率を変えてプロットしてみます。

実際には、返済はこのような連続時間ではなく、毎月何日というように、離散的に実行してゆくし、うるう年とかうるう秒とかがあって誤差が出るので、実用的には理論値にも簡便な修正が必要です。
こういうことを突っ込むと、拒否反応を起こす人もいるかもしれないですが、上記の計算は、全て高校で教わる内容なので、金融機関で働く高卒以上の人は、知っていなければならない内容です(イヤミですが)。
次に続きます。

