2017年 04月 19日
お気楽にお読みくださいね
スピーカー設計に関する従来の手法は、空気を駆動するという力学的視点が抜けていると思います。
流体とか空気弾性体の力学手法があれば是非とも読みたいのですが、そういうのがなかなか見つかりません。
最近は、特性を測定してスピーカーシステムとリスニングルームの特性を補正し、フラットな特性を得る手法が普及し始めており、従来の手法の根本を変えつつあります。
将来は、簡便なスピーカーシステムはシングルバスレフ、高級型は密閉+補正と棲み分けられてゆくのだと思います。
私は、シングルバスレフの音が嫌いなので、フルレンジ一発で、自分が納得できるところで、多自由度バスレフで妥協していますが、それは、高級オーディオとは別なアプローチです。
その程度の気軽なことを考えている訳です。
私の趣味はどちらかというと、音楽を聞くことと、特性をモデル化したりモデルを解くことなので、メインのサイト『多自由度バスレフ研究所(メニューの外部リンクをご参照ください)』では、全ての数式とそれに基づくプログラムを説明書とソース付きで開示しています。
これらは、他にやっている人がいないので、誤りを指摘して頂ければ、検証し、修正したいのですが、そちらのほうのコメントをいただくことは、残念ながらありません。
私は、従来の手法は、もう役割を終えた部分があるだろうと思います。
ですから従来法を説かれても、対応する物理モデルと数式を見ないと何とも言えません。
従来法は、電気的な用語が殆どで、式それぞれは分かるのですが、頭の悪い私には、それらの式から、物理的な実体を想像することができません。
ということで、電気を知らない私にも分かる、力学的アプローチを採用しているわけです。
ウェブサイトやブログに言葉足らずのところもあるのですが、最近、ちょっと表現に気をつけるほうがいいと思うことがありました。
私は、理学よりも工学寄りの考え方なので、実用的でなければ、『できません』と書きますし、プラスとマイナスの操作を同時にしたりしません。
プラスとマイナスを同時に操作するというのは、システムの設計上危険だからです。
産業機械でこういうことをやると事故になるレベルの危険さです。
このような前提があるので、バスレフの共振周波数以下を電気的に持ち上げるというのはあり得ない発想です。
というのは、バスレフのfdより小さな(近傍は除く)周波数を持ち上げるということは、振動板の動きを大きくして正面の音圧を上げることになりますが、同時に、ダクトから出る逆相の音波が打ち消すことになるので、音は出ますが、ふつうにフィードバックをかければ破綻するでしょう(under relaxationみたいなことをやっておけば破綻を回避できますが)。
これを『ゼロのブーストじゃないから間違ってる』とか云われても、そういうことは議論したくありません。
ご指摘のように、電気的な音圧補正フィードバックを掛けても、増幅率が大きくなるだけで、発振するわけではないので、厳密に言えば不適切な表現ですが、こんな馬鹿なことはやめるべきなので、分かりやすい表現で書いているつもりです。
それに、『こんな感じですよ』という意味でテキトーに引いた線が、『理論値と違うから間違ってる』と云われても、それだったら、実物の測定結果がその理論値にぴったり一致している例でも持ってきて欲しいなあ。
あまりの潔癖症は、処理して捨てるだけの地下水が『飲料水基準に適合してないから危険だ~!』と言っているようで不快です。
『バスレフではfdより下の周波数はレスポンスを期待しないほうがいい』とか『プラスとマイナスの操作を同時にはしない(正相と逆相の重ね合せなので)ほうがいいですよ』、とか書けばいいのでしょうが。
私が当然の前提として省略しているところは、当たり前じゃない人がいるんだ、と感じています。
私は、パラメータの類は、絶対に必要と判断しなければ使わないので、従来法に詳しい人は、『こいつは何も知らないんだ』と思うのでしょうが(そう思って専門用語を並べてくるのでしょう)、特定のパラメータをよく理解せずに使うことはしません。
電気理論は、各コンポーネントの理想形を元に理論値を出しているので、実際のアプリケーションでは、-xx dB/Octとか、そう理論通りにはいきません。空気ばね、機械ばねの非線型性、振動板やエッジの性質や、空気の力学のところまでモデル化できていないのですから、理論通り完璧にはならないことは経験のとおりです。
何度も書いている通り、私の力学モデルも、動作を仮定した簡易モデルに過ぎないので、あくまでも傾向を推定することしか出来ません。理論を実際のアプリケーションに当てはめても、モデルそのものが表現できていないところがあり、モデルを適用するにあたっての前提条件が厳密には合わないので、どのようなモデルも誤差を生じます。
単純なヘルムホルツ共鳴器のモデルでさえ、空気ばねの線型性を前提としているので、小さな空気室に巨大なダクトを付けたりすると、モデルの前提が大きく崩れます。
ぴったり合わなければ間違いであるということにはなりません。
突っ込んだ議論が必要でしたら、図とか数式とかを提示頂けるとこのブログか本サイトのほうで、議論したいと思います。
よく分からないけとこんな関係になっているみたいだという公式(従来のパラメータを使った公式にはこんなのが混じっている)については、議論しにくいと思いますが。
お気軽に見て頂ければお互いに幸せなのだと思います。

当時はいい時代でしたね。
このエントリでは、コメントを求めている訳ではないので、ご忖度くださいませ...

