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スピーカー設計の教科書に書いていないこと(2)

スピーカー設計の教科書類には重要なのに書いていないことがたくさんあると思います。
前回は、フレームの役割について書きました。

今回は、クーロン摩擦について書きます。

クーロン摩擦のモデルとは、大雑把に云うと、静摩擦係数と動摩擦係数が違い、動摩擦係数のほうが静摩擦係数よりも小さい、ということです。

これが何を意味するかと云うと、小出力の場合の立ち上がり特性に影響を与えます。
クーロンモデルをスピーカーユニットの動きに対応させて書くと、スピーカーユニットの振動板に駆動力を掛けると、最初は動かず、突然動き出す、ということになります。
こういうものを制御しようとしても、上手に制御できるはずがなく、どうしても立ち上がりに段差が出ます。

段差が出ると、振動板の動きがぎこちなくなるので、当然音が変わる(はず)です。
クーロンモデルは、静止(正しく言えば等速運動)しているものを動かす場合には、真空中に浮いていないかぎり、当てはまります。

これを回避する方法はないのか、というと、ある程度回避できる方法があります。
その方法とは、ディザリング、と呼ばれるもので、常時振動板を動かしておけば、摩擦係数が動摩擦と同じになるので、段差の影響は回避されます。
このためには、振動板を、可聴帯域より低い周波数で動かしておけばいいということになります。

最近は、LPレコードを聴く機会がめっきり減りましたが、LPレコードはソリなどにより、振動板が常時動く、ディザリングの効果を持ちます。
かつては、サブソニックフィルタなどでこういう動きを消していましたが、本当はディザリング効果があって、かえって良かったのかもしれません。

こういうのも、スピーカーの教科書には書いて欲しいなあ。


Commented by kaneya at 2018-05-03 15:07
スピーカーはダンパーという一種のバネで固定された錘に例えられると思います。静摩擦係数と動摩擦係数に差があるのかどうか、有ったとしても通常仕様のレベルではもう誤差の範囲で問題にしなくても良さそうなレベルでないかと想像します。振動板を極端に重くしたウーファーでは問題になるかも知れませんが。

それに、これを気にしても私には解消法がわからないので(常にユニットを動かしてというのは私には論外に思える対処法なので)、気にしないことにしようと思ってます。
Commented by mcap-cr at 2018-05-03 17:50
> kaneyaさん
別にディザリングを推奨する意図はありません。
思い込みで説を唱える前に調べることをお勧めします。
Commented by Kuni at 2018-05-06 17:02
やはり、スピーカー作りは、難しい~。知らない用語に、数式…。でも、絶族すれば、音が鳴る。
上記のやりとりでも、摩擦の話に質量の項目が入っている。スピーカーに限らず混乱する事が多い。
話が、1度進むと修正って難しい事があります。宇宙船が、地球に帰って来る時に高熱になる。
つい最近まで、摩擦によるものと思ってました。記事を見ても、そう書いてある事ので、そうなんだと思ってました。
近頃では、あれは圧縮断熱の作用と書かれる事が、多くなりました。一つ知識が修正されました。

高飛び込みのプールに、放水してるのもディサリングの応用なのかな?

LPじゃなくて、CDにも低音が入ってますね。あるオケCDの演奏前の部分に、頭が痛くなるぐらいの低音が入ってます。
これは、ディサリング効果じゃなくて、空調の音なんでしょう。Alpair7の時は気にならなかったので、40~50Hz以下かもしれない。
大人になって、勉強する事多いですね。
Commented by mcap-cr at 2018-05-07 06:17
> Kuniさん
おはようございます。
CDに入っている低音は、楽音とか収録時にカットし忘れた(意図的に残した?)ノイズだと思います。
LPの場合は、レコードのソリや中心のズレなど、周波数が低すぎて音にならない部分が多いと思います。
聞こえる怪しい低音は30~40Hzくらいが多いのではないかと思います。
宇宙船等が大気圏に突入して高熱になるのは、断熱圧縮と摩擦の両方があると思います。
どちらにしても、結果として同じ(量は同じとは限らないが)効果が出るはずです。
理由付けが変わるのは、その時々の書いている人の知識や目的によるので、少し引いて見ていれば良いと思います。

by mcap-cr | 2018-05-02 19:18 | スピーカー設計 | Trackback | Comments(4)

生演奏を主とすれば、オーディオは箱庭で充分でしょう。