敢えてコストの制約を掛けてみる

オーディオなんかは特にそうなのですが、コストに制約を掛けることで、趣味が豊かになることがあります。
自分に管理できるコストの範囲内だからといって予算上限まで使うのも趣味ですが、コストに制約を掛けるというのも趣味のあり方だと思います。

別な趣味に例えると、例えば、美術品なんかは、美術的価値が高くても入手しやすい作品を探す、自分の感性に合っていて、入手しやすい価格の作品を探す...とこんな感じではないかと思います。
美術的価値を知るには勉強しなければならないので、その勉強自体にコストを掛ける、そうすると、贋作を掴まされたりするリスクも減るでしょう。
逆に、お金があって、出費にリスクを感じないようであれば、怪しい作品に騙されるなんていうことも起こります。

私の場合などは、著名な演奏家の公演だけでなく、まだ、世に出る前のコンクールに出て演奏する演奏家や歌手に価値を見出してしまったので、500円のチケットでものすごく幸せになります。
逆に、著名演奏家の公演であっても、チケット代分の感動がある訳とは限らず、自分の感動と費用とは、必ずしも同じ傾向ではないことが分かりました。
もちろん思い入れがあれば、感動側に大きくシフトしますが。

オーディオ趣味に戻ると、一時期、オーディオのコストに対し、徹底的に制約を掛けたことがあります。
制約を掛けた結果、1本200円のスピーカーユニットを使い、最安値の木材を使い、そこでできるだけのものを作ってみました。
その結果、UP4D-PRというそれまでにない音場型ができました。

これなんかは、理屈の上から攻めていくのは簡単ではないでしょう。
- 安くて見た目の良いユニットが7cmだったから、幅87mmの木材に取り付けられた。
- スピーカーユニットを隣に並べることができなかったから段違いに付けた。
- 細い木材を使ったから音場感が良くなった。

知恵と工夫がなかったとは言えませんが、上記は、全部コストの制約を掛けなければ発見できなかったことです。

その後コストの制約を緩めてみても、最初のパフォーマンスを超えることができません。
部分的には上回っても別なところで負ける、そんな状態です。
では、この最初のものを、高額スピーカーユニットを使って、高級な木材を使って作ったらどれだけ良くなるのか?
分かりません。
良くならないかもしれません。

アンプなんかも、高級品と普及品との差を出すためには、それなりのソースを、それなりの条件で鳴らさなければなりません。
普通の使い方で高級品と普及品の音の差を見出すのが困難であることも、コストの制約を試すことにより(自分だけでなく、試験した皆)発見しました。

コストの制約を外すと、少しでもいいものを使いたくなりますが、コストを増やせば増やすほど別な問題も出てきます。

音楽を楽しむという目的に立ち返ったときに、その本質はない問題で右往左往する事態に直面すると、価値基準が崩壊して何がなんだか分からなくなります。


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by mcap-cr | 2018-06-22 19:13 | オーディオ一般 | Trackback | Comments(0)

工学オーディオに取組むオカルト嫌いです。


by MCAP-CR