2018年 08月 25日
第16回東京音楽コンクール二次予選金管部門(つづき)
その後すぐに乃木坂までルーヴル美術館展を見に行ったのであまり詳しくコメントしませんでした(地下鉄の中でスマホで書いてみた)。
今日改めて感じたことを書いてみたいと思います。
金管部門の二次予選は、しくじりの多少が結果を制する
ということです。
金管楽器は、失敗すると素人にも分かるので、失敗が目立ちます。
そもそも金管楽器は、音を出すだけでも難しいようです。
思い返してみれば、40年前、当時日本最高のオーケストラといわれていたNHK交響楽団の金管はしくじりが目立ちました。
ブブブと詰まってしまったり、それを盛り上がったいいところでやるので、これが日本最高では...と思っていました。
『くるぞ、くるぞ...ああやっぱり...』
こんな感じだったので、しくじらない海外のオーケストラはうまいなあ、と思っていました。
日本のオーケストラでも、N響以外はけっこう上手な感じがしていましたが。
それと、コンクールのルールを知らずに聞いていたことが分かりました。
声楽部門は比較的選曲が自由ですが、金管部門は、選択の自由がほとんどありません。
トランペットなんかは、二次予選、決勝とすべて同じ曲を演奏しなければなりません。
これは演奏者にとっては厳しいです。
たとえば、ジャズの演目があれば、もっと楽しく、もっと聞かせやすく演奏できると思います。
クラシックの演奏家は、実はジャズも得意なようです。
以前にピッツバーグ交響楽団のイベントを聞いていたときに、(英語ですが)『ジャズだとこんな感じ...』と言って演奏したら、もうそれはプロのジャズの演奏に聞こえました。
ジャズコンクールじゃないのでしょうがありませんが、皆さん課題曲に苦労していたので、こんな邪なことも考えてしまいました。
さて、昨日書けなかったことを書きます。
鶴田麻記さん トランペット
課題曲は、テレマンのトランペット協奏曲第一楽章とフランセのソナチネです。
とくに大きな失敗はなく乗り切りました。
正面をまっすぐ向いての演奏は、緊張感の現れかもしれません。
決勝進出おめでとうございます。
森田小百合さん トランペット
あまり大きな失敗をした感じはしませんでした。
すこし体をゆらすと音楽にゆらぎがうまれていい感じでした。
決勝進出ならず残念でした。
田村相門さん チューバ
チューバは、楽器からの音が支配的ですが、ホーンが上を向いているので、天井を反射した音が上から結構聞こえてきます。
音が縦方向に大きく広がる楽器だということがわかりました。
時折水分を補給しなければならない過酷な演奏でした。
緑川誠さん チューバ
いい感じの演奏を聞かせてくれました。
決勝に残るかな、と思いましたが残念でした。
高瀬新太郎さん トロンボーン
それまでとは楽器が変わり曲も変わり、とってもいい感じの演奏を聞かせてくれました。
失敗もほとんど感じませんでした。
決勝進出おめでとうございます。
冨岡愛彩美さん トランペット
演奏が始まったとき、音楽が生き生きしているのを感じました。
しかし...結構しくじってしまいました。
演奏後、無念の思いをいっぱいに引き揚げていく姿が痛々しく感じました。
おそらく、もっと相当の実力者ではないかと感じさせる演奏でした。
浦田誠真さん
ちょっとしくじった感じです。
冨岡さんと同じく、生き生きとした演奏で始まったので残念でした。
阿部華苗さん ホルン
ただ一人だけホルンでした。
音色を変えながらいい感じでした。
決勝進出おめでとうございます。
山崎浩司さん トランペット
やっぱりちょっとしくじった感がありました。
実力を発揮できなかったのだと思います。
三村梨紗さん トランペット
音楽も生き生き、しくじりもほとんどなく課題曲の真価を聞かせてくれました。
決勝進出おめでとうございます。
小西光太さん トロンボーン
緊張のあまりちょっと音が出なくなってしまったりしました。
力が発揮できず残念でした。
北畠真司さん チューバ
いい感じで、雰囲気良い演奏でした。
失敗も少く乗り切りました。
決勝進出おめでとうございます。
金管楽器は、失敗の少いものが制するという部門みたいです。
例えて云うならば、ちょっと前のフィギュアスケートとか器械体操のような感じです。
最近は、これらの競技も採点基準が変わって失敗の減点を別なところで取り返せるようになってきていますが、以前は、どれだけ着地をきれいに決めるかとか、転倒を避けるか、といった基準で優劣がついていたと思います。
記憶に古いコマネチなんかは、ソ連にもっと上手い、高度な技を見せる選手がいたのにもかかわらず、着地をピタリと決めて常勝していました。
金管楽器もこんな感じに近いものを感じました。
演奏者の皆さん、さぞお疲れだと思います。
決勝のチケットは購入したので、負けずに残った(まさにそういう感じ)皆さんとは、お会いできます。
是非とも決勝では真価を発揮してください。

