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はこにわオーディオ工学研究分科会 (旧名: バスレフ研究所)

UP4D-PR ver.2の製作(7)

先週は、仕事は調整したものの、東京音楽コンクールの二次予選を月・水・金と全部聞いてしまったので、工作のほうはなかなか進みませんでした。
遅い工作ですが着実に進めたので、昨日ようやく音が出せる状態になりました

途中の状態の写真を載せます。
まずは、最終組立前の構造がよくわかる状態です。
UP4D-PR ver.2の製作(7)_a0246407_15541683.jpg
左側の2本が、共鳴管の下側の部分、同じように見えますが左右対称です。
今回の作品は、木口が見えるので、左右同じだとバランスが悪く、対称に製作しました。
右側の横になっているのが本体部分、共鳴管の上側で、こちらも左右対称です。
UP4D-PR ver.2の製作(7)_a0246407_15542689.jpg
今回ははんだ付けはありません。
端子を使った圧着接続になります。
内部配線は、単線なので、端子から抜けにくいよう、折り曲げています。
UP4D-PR ver.2の製作(7)_a0246407_15542117.jpg
端子は、スピーカーユニット専用のものではないので、スピーカー端子にはゆるゆるです。
プライヤーで潰して端子の嵌り具合を調整します。
最初は手こずりましたが、慣れると何とかなりました。
折り曲げを同時に潰さずに片側ずつ潰します。
軽く潰したら嵌めてみて抜けなくなればOKです。
入りにくかったらフラットのドライバーを押し込んで少し拡げ、拡げ過ぎたら潰すという繰り返しです。
UP4D-PR ver.2の製作(7)_a0246407_15541177.jpg
いちばん困ったのは、スピーカーユニットの裏側のナットの取り受けです。
今回は、フランジナットとボルトで留めることにしたのですが、共鳴管から手を突っ込んでも、中が狭い上にマグネット邪魔をするので、ナットが手からこぼれ落ちてマグネットにくっついてしまいます。
指2本でつまむことができないので考えたのが、この、養生テープでナットを指に仮留する方法で、大変でしたが何とかできました。
素直に木ねじ留めにすれば良かったと本当に後悔しました。
しかし、同時にM4の爪付きナットにしなくて良かったと思います。
スピーカーユニットのフランジの孔が小さいので、M4だったら精度が出せなかったと思います。
今回はM3のボルトナット留めなので、何とか組み立てられました。
M3の爪付きナットがあれば良かったかもしれません。
M3はアマゾンでは見付かりますが、ホームセンターでは見たことがありません。
UP4D-PR ver.2の製作(7)_a0246407_15540567.jpg
いよよ完成です。
右側は、裏側です。

UP4D-PR ver.2の製作(7)_a0246407_15543158.jpg
本日いよいよ本格的に試聴です。

いいのは室内楽の弦楽器です。
弦楽器は、前後左右高さがよく分かり、まさにホールで聞いている感じになります。
先週の東京音楽コンクール二次予選では、声楽を含む楽器ごとの、音の出方と音場も観察していました。
そこで分かったことは、
(1)弦楽器は胴からの音が支配的なので、指向性なく音が放散する。また、弦の擦過音など、音が輝かしく散乱する。
(2)声楽は意外に指向性が強く、正面からずれると音圧や周波数特性が変わってくる。ホールでは、多くの人がいろいろな方向を向いて歌うので、どちらが正面か分かりませんが、背面からの反射音はあまり感じませんでした。
(3)金管楽器は、本体からの音が強いですが、特にホーンからの放射音が支配的なので、反射音が強く出る。トランペットやトロンボーンは正面を向くことが多いが、テューバなどは、高音は天井からの反射音が強い。

UP4D-PRで聴くとオペラのアリアは、オーケストラ部分は拡がり、独唱部分は、横の拡がりと同時に指向性を感じます。
結果としてオペラのアリアもとてもいいです。

教会で収録された合唱は音が広がって素晴らしいですが、オルガンの低音は出ないので、その部分が食い足りなく残ります。
これは、想定の範囲内です。
1本の普通の共鳴管は、長さだけで最低周波数が決まるので、これは文句を云うことではなく、物理的に正しいことです。
不足する低音は、サブウーファーで補うのが正しい使い方でしょう。

録画しておいた花火を聴くと、これはなかなかです。
低音が弱いので軽い音ですが、パチパチ弾ける部分はリアルです。

では、全体としてどうか、というと、第一号機の経験があるので、すべてが想定の範囲内でしたが、音楽ファンが聞いたらビックリするでしょう。
今回は、Stereo誌ムックの高級ユニットを使ったとはいえ、音は一級品です。
オーディオマニアの嗜好特性は分かりませんが、音楽ファンとか、演奏家自身が聞けばハイエンドよりいいと思う人もいるかもしれません。
ハイエンドでも出せない音であることは間違いありません。

Stereo誌ムックのこのユニットは、こういう後面開放に近いシステムよりも、背面に負荷を掛けて低音を絞り出すシステムに向いているかもしれませんが、こういう単純な構成でも十分使えるようです。
ちなみに、今回は、4Ωユニットをシリパラ4Ωで使っています。

後記
これを作ってしまってから、置く場所がないことに今更ながら気付きました。
TR130eの最初のモデルを処分しよう(差し上げよう)と思いますので、聞いてみたいと思う方はホームページの問い合わせフォームからご連絡ください。
発送はできませんが、クルマなどで取りに来られる方歓迎です。


by mcap-cr | 2018-08-26 16:51 | 工作 | Trackback | Comments(2)
Commented by Kuni at 2018-08-26 23:05 x
完成、おめでとうございます。
内部配線、ピンポン用は抵抗が高そうに思うのは気のせいでしょうね。
まぁ、国産材も品櫃基準を誤魔化してるぐらいだから気のせいですね。
高級スピーカー沢山使ってるので、良い音がしそうです。
それよりも音場型の効果の出来ですね。録音も無指向録音なら、効果が凄そうです。
私も冬の工作をしたくなりました。
Commented by mcap-cr at 2018-08-27 07:58
> Kuniさん
内部配線は、管に手を入れずらいのできれいにできていません。
それでもタフピッチ銅の電気抵抗率は決まっているので問題ないと思います。
高級ユニットは久しぶりですが、こういう後面開放に近い構造だと、もっと安価な素材との差は小さいと思います。
オフ会ではこのシステムを鳴らす予定なので是非ともお越しください。
お待ちしています。

生演奏を主とすれば、オーディオは箱庭で充分でしょう。
by MCAP-CR

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