2018年 08月 30日
第16回東京音楽コンクール弦楽部門決勝
チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を一度に別なソロで2回聞けることってありませんよね。
そこにシベリウスのヴァイオリン協奏曲も加わります。
忘れてはいけないのがバルトークのヴィオラ協奏曲です。
バルトークは地味な印象を持っていますが、今回はソロが特別です。
さて、どうだったでしょうか?
出場順です。
北田 千尋(ヴァイオリン) KITADA Chihiro, Violin
P.I.チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
高木 凜々子(ヴァイオリン) TAKAGI Ririko, Violin
P.I.チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
有冨 萌々子(ヴィオラ) ARITOMI Momoko, Viola
B.バルトーク:ヴィオラ協奏曲 Sz.120 シェルイ補筆版
関 朋岳(ヴァイオリン) SEKI Tomotaka, Violin
J.シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47
8月29日(水)18:00開演
東京文化会館 大ホール
指揮:大井剛史
管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団
まずは、北田さんのチャイコフスキーです。
流石に上手で、チャイコフスキーを美しく技巧的に弾きます。
オーケストラは、ちょっと合わせにくかった感じです。
チャイコフスキーは、今風に云えば、LGBTだったという話を聞きますが、作品にはちょっと抑鬱のイメージがあり、演奏は難しいのだと思います。
北田さんはさらっと美しく弾きましたが、松脂がぶっ飛んで目を開けていられないくらいに弾いてほしいと思うところがありました。
個人的な感想では、北田さんには、もっと只々美しい曲を選んでほしいと思いました。
次が高木さんのチャイコフスキー。
高木さんは、女性ですが、背がすらっと高く、弾いている姿も格好いいです。
いかすという表現が似合います。
先程感じたチャイコフスキーへの違和感をぶっ飛ばして私のイメージ通りに演奏してくれました。
チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は、私のお気に入り曲ではないのですが、上記の懸念をすべて埋めてくれて、チャイコフスキーの真髄を聞かせてくれました。
Brava!!!
休憩をはさんで、有冨さんのバルトークのヴィオラ協奏曲です。
衣装も凄いですが、ヴィオラの魅力が全開です。
ちょっと凄むような低域から輝かしい高域まで余すところなく聞かせてくれます。
有冨さんの演奏を聞いてから、実は、ヴィオラはヴァイオリンよりももっと可能性がある楽器なのではないかと感じるようになりました。
バルトークの曲は、そんなに耳に心地よい曲ではなく、いわゆる名曲というカテゴリとは違うかもしれませんが、そんなことは関係ないです。
とにかくヴィオラの魅力を余すことなく聞かせてくれました。
Brava!!!
最後は関さんのシベリウスです。
関さんは、豹柄の色違いのような風呂敷のようなちょっと変わったいでたちで登場。
チューニングもしません。
絶対音感で合わせてきたようです。
他の方は、オーケストラ側に合わせて微調整するのですが、関さんは絶対の自信があったのか、あるいは、緊張してしまったのか。
シベリウスのヴァイオリン協奏曲は、いわゆる名曲の中ではあまり一般向けではないかもしれません。
この曲は、フィンランドという、冬は真っ暗な日が続く、森と自然に恵まれた環境を想起させる名曲だと思います。
そして、オーケストレーションまで含めて非常に完成度が高い曲だと思います。
その完成度の高い曲を見事に聞かせてくれました。
小さな音から大きな音まで弾き分けますが、特にピアニッシモが見事。
音の輝き、散乱する音、という点では別カテゴリーのヴィオラを除く全参加者の中ではピカイチでした。
シベリウスをシベリウスらしく魅力を最大限に聞かせてくれました。
Bravo!!!
私は有冨さんのヴィオラを聴衆賞に1票。
女房も同じでした。
正直云うと、高木さん、有冨さん、関さんは、甲乙付け難く、どういう順位になっても納得という感じでした。
審査結果は、
第1位 First Prize
関 朋岳(ヴァイオリン) SEKI Tomotaka, Violin
第2位 Second Prize
高木 凜々子(ヴァイオリン) TAKAGI Ririko, Violin
第3位 Third Prize
有冨 萌々子(ヴィオラ) ARITOMI Momoko, Viola
入選 Finalist
北田 千尋(ヴァイオリン) KITADA Chihiro, Violin
聴衆賞 Audience Award
高木 凜々子(ヴァイオリン) TAKAGI Ririko, Violin
最も価値ある(と思う)聴衆賞は高木さんでした。
しかも二位入賞!
おめでとうございます!
人気演奏家として引っ張りだこになる姿が目に浮かびます。
表彰は聞いていませんが、多分聴衆賞はかなり割れたのではないかと思います。
本物の一位は、関さんでした。
二次予選を聴いたときには、関さんに一位になってほしいと思っていました。
本選でも、関さんは圧倒的なパフォーマンスを聞かせてくれました。
華のある高木さんとは対照的にちょっと地味ですが、オーソドックスな感じで素晴らしかったです。
おめでとうございます。
有冨さんは三位。残念でした...
本当に残念です。
一位をとってほしかったです。
私の投じた聴衆賞でも及ばず。
一位から三位までは、正直いって甲乙つけがたかった(しつこく書きますが)です。
でも、三位おめでとうございます。
北田さんは、ファイナリストとして入選。
パガニーニとかモーツァルトとか選んでくれたらもっと違う結果になったと思います。
弦楽部門は比較的選択の自由があるので、選曲も重要だと思います。
皆さん、感動をどうもありがとう御座いました。

