デジタル創生期の音の記憶

オフ会の後は、2回目に発表していちばん人気のなかったMarkAudioのOM-MF5を使ったシステムを聴いています。
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これは、オーディオとしては高解像度的な音で、3作のうち、ちょっと聴いた感じではいちばんいい音でした。
音友シリーズの中では、最も気に入ったのは、スキャンスピークの10F/8422-03を使用したシステムでしたが、MF-OM5の音は一聴して違いがあります。
特にヴァイオリンの音の違いが顕著です。

MF-OM5の音をずっと聴いていて古い記憶が蘇ってきました。
MF-OM5の音は、自分の学生時代に、CDが発売された直後にオーディオ店のデモで鳴らされていたときの音と似ていると思います。
そんな古い記憶と比較しても意味があるかどうかは別として、当時デモで鳴らされていた音は、こんな感じの音に聞こえました。

CD発売当初は、実質ノイズゼロ、広大なダイナミックレンジ、可聴帯域で完全フラットなレスポンスというスペックが売りでした。
オーディオ店では、CDを使ってノイズゼロの世界を聞かせていました。
それまでは、LPレコードでは、プチプチ音が、テープオーディオでは、ヒスノイズが耳障りでした。
そこにCDが出現してノイズゼロ、これは大きな変化でした。
デモで鳴らす音は、それまでの自然な音とは違い、オーディオ的な艶の乗った音でした。
どうしてこういう音のソースばかりデモ用に鳴らしていたのかはよく分かりませんが、それまでのアナログとの違いを印象付ける必要があったのでしょう。

CDが登場すると、CD対応アンプとかCD対応スピーカーなんていうのも登場しました。
CDは、アンプのAUX端子に繋げば音が出るし、スピーカーとCDなんて全く関係ないのに、オーディオ愛好者を馬鹿にしていたのか、広告代理店の担当者が素晴らしい反知性の持ち主だった故かわかりませんが、さすがに、広告塔の先生方も、CD対応ナントカの説明には苦慮していました。
もちろん、アンプのセレクタ−に"CD"という表示があるからCD対応アンプというなら筋は通っていますが、技術的には全く関係のないことです。
CDの発売当初は、『レコードプレーヤーでは再生できません』みたいなことが書かれていました。
見れば分かると思うのですが、実際にLPレコードのプレーヤーに掛けてしまった人っているのでしょうか?

CDについては、レコード会社もずいぶん戦略的に失敗したと思います。
当初はデジテル録音のソースが限られていたので、新盤しかCDにならなかったのですが、徐々に過去のアナログ録音のCD化が進みました。
当初のアナログソースのCDには、ノイズフィルターの掛けすぎで、音が死んでしまったものが多く有りました。
ノイズゼロが売りでも、元から入っているノイズはどうしょうもないと思いますが、意味が分からずにノイズにクレームを入れる人を想定しての対応だと思います。
結果として、CDにアレルギーのある人が出現し、アナログのほうが良いという人が多くなってしまいました。
CDのほうがアナログより音が悪い理由なんか全然ないのですけどね。
そりゃあ、アナログ録音のソースを加工すれば音は悪くなりますが、これは、CDだから悪い訳ではなく、加工の仕方が悪いだけのことです。
今では、配布のための複写規格が総合的な音の良し悪しに与える影響なんか殆ど無いということは、多くの人が気付いていると思いますが、それでも、ハイレゾ規格が無くならないところを見ると、集中して聞き分けようとして、やっと分かるかわからないかの差が重要だと考える層がそれなりにいるという証だと思います。

ところで、どうしてMF-OM5の音って、デジタル創生期のデモの音に似てるのかなあ?
気のせい?



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by mcap-cr | 2018-10-22 06:23 | オーディオ一般 | Trackback | Comments(0)

工学オーディオに取組むオカルト嫌いです。


by MCAP-CR