FE108S使用のMCAP-CRの設計法検討(1)
私は、列車の中でブログ記事を書くことが多いですが、入力中にタッチパッドを触って誤操作してしまい、記事を消してしまうことがあります。
Windows10では、キーボードでタッチパッドを有効化/無効化するほうほうが分からず、そのままにしていますが、正直言って使いにくい。
Linuxで作業するほうが良いのでしょうが、このパソコンはデュアルブート化していないのでできません。
必要な時は使うものなので、完全無効化はできません。
ハンカチでタッチパッドを覆うような原始的な対策しかないのでしょうか?
消してしまったのは、30年物のFE108Sを使って、新しくMCAP-CRシステムを作りたいと思い書いていた記事です。
ブログサイトにログインして直接書くと、誤操作で記事が飛んでしまう危険性が大きいので、テキストエディタで書き直しています。
とはいっても、何を書いたのか忘れてしまったので、新しく書きます。
FE108Sは、Fostexの強力型限定ユニットで、スーパースワンで有名になった製品です。
長岡式バックロードホーン以外で、このユニットを使って成功したという人はいるでしょうが、私はよく知りません。
周波数特性を見るとさほど極端なハイ上りでもなさそうですが、聴感上は、かなりハイ上がりに聞こえます。
ということで、中低域から低域にかけて、ホーン効果で持ち上げるのを狙った長岡式バックロードホーンが好適なのだと思います。
ただし、長岡式バックロードホーンには問題がいくつかあります。
性能的な問題点を挙げる人が多いですが、私は、そこではなく、寸法・形状がいちばんの問題点だと思います。
小口径の長岡式バックロードホーンは、幅が狭くて奥行きが大きいのが基本のようで、これを逆にした奥行き小さく幅が広いのもあります。
スワン系は形が違いますが、いずれにしても、フットプリントが大きく、屋敷以外の住居空間には馴染みません。
そういえば、スワン系の問題点には、上に物が置けないというものもありました。
そこで、バスレフを拡張したMCAP-CRを考えます。
MCAP-CRは、振動の共振を利用したシステムなので、ホーンとは考え方が違って、広い範囲に亘って負荷をかけるのは苦手です。
ですから、おおむね200Hz以上の中低域には適用しにくく、FE208SSのように高域に向けてまっすぐレベルが上がっていくようなユニットを使うには適していないと思います。
FE108Sの場合には、200Hzくらいから上は、まあまあフラットな特性のようなので、最低域を欲張らなければ、MCAP-CRでもいける可能性はあります。
最低域を欲張らないといっても、長岡式バックロードホーンのローエンドくらいまでは普通に出るとは思います。
過去にもFE108SをMCAP-CRで試したことがありますが、そのときは、最低域を欲張りすぎて、中低域が凹んでしまいました。
この中低域の凹みを防ぐ設計法が見つかれば実用的に使える可能性があります。
そこで、MCAP-CRの性能上の特徴を整理してみました。
最も大きな特徴は、寸法・形状を自由に設計できることですが、今回は、性能に焦点を当てます。
性能の特徴は下記の通りです。
共振を利用しているが、分散できるので、バスレフ固有の癖が小さい。
最低域をダブルバスレフ程度まで伸ばせる。
設計が完璧ならかなりフラットになるよう追い込める『はず』である。
最後の『はず』というのが曲者で、完璧は無理にしても、実用上それより上を目指してもしょうがないレベルまでもっていくのは簡単なことではありません。
いままでにも相当数の試作を行ってきましたが、自己評価として完璧なものはありません。
聴感上は、これより上を目指す必要はないと考えられるレベルのものはありますが、無響室を持っている訳ではないので、測定まではできていません。
実用上は十分であっても、完璧には程遠いと思っています。
初期段階で、手計算に近いプログラムで共振周波数を推定して設計したモデルが意外にいいパフォーマンスを出していたりするのが面白いところです。
一方、シミュレータプログラムは、ダクトの摩擦モデルがリニアなので、これをノンリニアモデルにもっていく目標はありますが、設計上の動作解析には、現状のままでも十分であると思います。
いままでの試作経験と、このシミュレータプログラムを使って、FE108Sという難物のアプリケーションにのぞむというのは技術的に興味のある挑戦です。
続きます。
Windows10では、キーボードでタッチパッドを有効化/無効化するほうほうが分からず、そのままにしていますが、正直言って使いにくい。
Linuxで作業するほうが良いのでしょうが、このパソコンはデュアルブート化していないのでできません。
必要な時は使うものなので、完全無効化はできません。
ハンカチでタッチパッドを覆うような原始的な対策しかないのでしょうか?
消してしまったのは、30年物のFE108Sを使って、新しくMCAP-CRシステムを作りたいと思い書いていた記事です。
ブログサイトにログインして直接書くと、誤操作で記事が飛んでしまう危険性が大きいので、テキストエディタで書き直しています。
とはいっても、何を書いたのか忘れてしまったので、新しく書きます。
FE108Sは、Fostexの強力型限定ユニットで、スーパースワンで有名になった製品です。
長岡式バックロードホーン以外で、このユニットを使って成功したという人はいるでしょうが、私はよく知りません。
周波数特性を見るとさほど極端なハイ上りでもなさそうですが、聴感上は、かなりハイ上がりに聞こえます。
ということで、中低域から低域にかけて、ホーン効果で持ち上げるのを狙った長岡式バックロードホーンが好適なのだと思います。
ただし、長岡式バックロードホーンには問題がいくつかあります。
性能的な問題点を挙げる人が多いですが、私は、そこではなく、寸法・形状がいちばんの問題点だと思います。
小口径の長岡式バックロードホーンは、幅が狭くて奥行きが大きいのが基本のようで、これを逆にした奥行き小さく幅が広いのもあります。
スワン系は形が違いますが、いずれにしても、フットプリントが大きく、屋敷以外の住居空間には馴染みません。
そういえば、スワン系の問題点には、上に物が置けないというものもありました。
そこで、バスレフを拡張したMCAP-CRを考えます。
MCAP-CRは、振動の共振を利用したシステムなので、ホーンとは考え方が違って、広い範囲に亘って負荷をかけるのは苦手です。
ですから、おおむね200Hz以上の中低域には適用しにくく、FE208SSのように高域に向けてまっすぐレベルが上がっていくようなユニットを使うには適していないと思います。
FE108Sの場合には、200Hzくらいから上は、まあまあフラットな特性のようなので、最低域を欲張らなければ、MCAP-CRでもいける可能性はあります。
最低域を欲張らないといっても、長岡式バックロードホーンのローエンドくらいまでは普通に出るとは思います。
過去にもFE108SをMCAP-CRで試したことがありますが、そのときは、最低域を欲張りすぎて、中低域が凹んでしまいました。
この中低域の凹みを防ぐ設計法が見つかれば実用的に使える可能性があります。
そこで、MCAP-CRの性能上の特徴を整理してみました。
最も大きな特徴は、寸法・形状を自由に設計できることですが、今回は、性能に焦点を当てます。
性能の特徴は下記の通りです。
共振を利用しているが、分散できるので、バスレフ固有の癖が小さい。
最低域をダブルバスレフ程度まで伸ばせる。
設計が完璧ならかなりフラットになるよう追い込める『はず』である。
最後の『はず』というのが曲者で、完璧は無理にしても、実用上それより上を目指してもしょうがないレベルまでもっていくのは簡単なことではありません。
いままでにも相当数の試作を行ってきましたが、自己評価として完璧なものはありません。
聴感上は、これより上を目指す必要はないと考えられるレベルのものはありますが、無響室を持っている訳ではないので、測定まではできていません。
実用上は十分であっても、完璧には程遠いと思っています。
初期段階で、手計算に近いプログラムで共振周波数を推定して設計したモデルが意外にいいパフォーマンスを出していたりするのが面白いところです。
一方、シミュレータプログラムは、ダクトの摩擦モデルがリニアなので、これをノンリニアモデルにもっていく目標はありますが、設計上の動作解析には、現状のままでも十分であると思います。
いままでの試作経験と、このシミュレータプログラムを使って、FE108Sという難物のアプリケーションにのぞむというのは技術的に興味のある挑戦です。
続きます。
by mcap-cr
| 2018-10-26 06:50
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