カーテンの寸法から商品のマーケティングを考えてしまった

最近、世の中の常識が通用しないことが多いと考えるようになりました。
今住んでいる家は、もう少しで20年になろうとしていますが、自室にある出窓のカーテンはまだ朽ちていません。
というのは使っていないからです。
使おうと思っても使えないからです。
世の中の常識的な観点では、出窓のカーテンは、出窓が全部隠れるのが正しいので、自宅のカーテンは、出窓の下150mmまで延びています。
この考え方は、御殿の状況を想定しているのでしょう。
御殿だったらカーテンは飾りという場合の多いので、そのほうが見た目がいいでしょう。
しかし、実際に使うと状況が全然違います。
私の自室は、東側を向いており、朝の特定時間帯だけ出窓から強烈に日が差します。
周囲に建物が多いので、眩しいときと暗いときが極端にあります。
床まである大きな窓は北側に面しているので日は全く当たりません。
眩しいのは出窓の斜め上からの日射なので、出窓を全部隠す必要はありません。
部屋全体が暗いし、出窓のガラスは、外から見えないタイプなので、遮光という機能を最優先にすると全部隠さないほうが都合がいいということが分かりました。
もうひとつの問題は、付近の設置物との関係です。
御殿に暮らすのだったらこういう場所にはものを置きませんが、実生活では、物はどんどん壁際、窓際に追いやられるので、長いカーテンは周囲にものに当たります。
結果として開け閉めできません。
カーテンって何だろう?
と考えたら、御殿のカーテンと暮らしのカーテンとは、まったく別のものであることに気付きました。
同じ形をしていても目的が違うまったく別のものです。
御殿のカーテンはインテリアですが、
暮らしのカーテンは遮光ツールです。
設計が違って当たり前です。
暮らし方によって違うので、定型にはあてはまりません。
インテリアとして使いたい人は配置を犠牲にするとか、ものを置かないとかそういう使い方をすればいいし、実用的に使いたい人は、必要最低限の寸法にすれば邪魔になりません。
カーテン屋は、こういう風には教育されないので、長さは床からXXミリ上げて窓からYYミリ下げるとか、定型句しか言えません。
どうしてこういうあたりまえのことに気付かなかったのか...

たぶん、目的から機能や形状を考えるのはエンジニアの仕事なのだと思います。
それ以外の人は、こうだからこうする、とパターンで考える。
これが長い期間を経て、人々が誤りに気付き始めて徐々に変わってくる。
世の歴史とはそういうものの積み重ねなのだと思います。

そういえば、オーディオ趣味なんていうのもこれに似ているのかもしれません。
ここ10年以上オーディオ店には行ったことがないのでわかりませんが、
かつては、
- 予算
- 好きな音楽のジャンル
- 部屋の大きさ
こんな順で薦められていたような記憶があります。

条件を決めたら予算いっぱいで決める。
あるいはローンを組んで買う。

こんな買い方は無駄の極みなのですが、知識がないと、『高価=いい音』とか『高価=ステータス』となってしまうので、カネ余りで買うならどんどん高価なものにシフトしてしまいます。

パフォーマンス重視なら予算はどんどん下げられます。
パフォーマンスに差が見いだせないなら安いほうがいい。
こういうのはものすごくエンジニア的考え方です。

オーディオの場合、性能よりも、ブランド性に意義がある感じです。
本来は、性能で価格が決まるべきですが、そうはなっていません。
A社のBというアンプでないとこの味は出せない...
なんて本当に考えている人がいるのはちょっと怖いですが...

カーテンの場合、高価なものは手触りが良いしデザイン性に優れるので、これも価値訴求でしょう。
しかし、私のように目的を遮光とするなら、デザイン性はどうでも良く、遮光できて落ち着く色ならどれでもいい感じです。
しかも、寸法は、必要最低限と最大以下という条件をクリアすればいいので既製品が使えます。

商品仕様を決めるには、客層をどこに絞るかで全然別物になるのですが、何となく同じようなものになっているのは、ある意味まだまだマーケッティングの改善の余地があるということなのでしょう。


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by mcap-cr | 2018-11-03 06:40 | その他 | Trackback | Comments(0)

工学オーディオに取組むオカルト嫌いです。


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