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はこにわオーディオ工学研究分科会 (旧名: バスレフ研究所)

台湾フィルハーモニック東京公演

今日から令和元年ですね。
個人的には、皇紀2679年と表記する方式に戻すほうがいいのではないかと思います。
敗戦国日本は、戦後アメリカに支配されてしまった磁気があるので、西暦より長い歴史のある皇紀は気に入られなかったのでしょう。
本当は、個々の天皇だけでなく、その歴史に意味があるのですが、西暦より歴史があるのが災いしてしまいました。

昨日平成30年の最終日に、台湾フィルハーモニックの東京公演を聴きました。
西洋音楽は、イメージ的に北半球のそれも割と北側というイメージがあり、日本のオーケストラもかなり南側に位置するのではないかと思います。
台湾というと更に赤道寄りになり本場からはどんどん遠ざかってしまうイメージがあります。
そんないイメージは関係ないほど現在は航空機、記録物、インターネットなどで本場も本場でないところも繋がっているので、そろそろそういう偏見的イメージはなくすべきだと思っています。
西洋音楽が東洋にも受け入れられているというのが、人間の共通の間隔を証明しているだけで、文化だけでは計れないところなのでしょう。

演目は、
芥川也寸志:交響管弦楽のための音楽
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調
(ヴァイオリン:リチャード・リン)
江文也:台湾舞曲Op.1
シベリウス:交響曲第2番ニ長調
指揮は、リュウ・シャオチャ(呂招嘉)
台湾フィルハーモニック(オーケストラという名称がついていない)

芥川也寸志の交響管弦楽のための音楽は、聴いたことのない曲でしたが、いわゆる現代音楽とはちょっと違う感じで、クラシック音楽からポピュラー音楽に移行するその中途にある感じの音楽でした。
台湾のオーケストラが日本公演で日本の作曲家の作品を演奏するというのは敬愛の証という意味でしょう。
こういう場に演奏して頂いた芥川也寸志は感謝感激でしょう。

次は、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ホ短調
メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲といえば、ベートーヴェン、ブラームスの作品と並び三大ヴァイオリン協奏曲などと呼ばれます。
実際の人気順だとよく分かりませんが、どうしてこの3曲が三大なのかと考えると、レコード販売の都合上そうしたのではないかと思います。
三大に、人気の高いチャイコフスキーの作品を入れると、メンデルスゾーン+チャイコフスキーでLPレコード1枚、それにあと1曲入れるとLP2枚で三大作品が全部揃ってしまうことになります。
もっと買わせようと思えばどうしても3枚必要な三大にしてしまえばいい、そういう考えがあって三大が決まったのではないかと思います。
私の好みで云えば、シューマンやパガニーニは外せないので、そうすると三大の枠には入りません。
ヴァイオリン協奏曲には、他にも素晴らしい作品がたくさんあるので、どれも素晴らしいよ、と云ったのではLPレコードの販売促進になりません。
三大を全部揃えると必然的にB面のチャイコフスキーを聴くことになり、『これだった他にも凄いのがあるんじゃないか?』と考えるでしょう。
そうするともっとたくさん買ってしまう...そういう販売促進効果を狙った三大なのだと思います。
が、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲が名曲であることには強く同意します。
この曲は、高校生のときに、アイザック・スターンのヴァイオリン、ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団の演奏をNHKホールで聴いたことがあります。
それと五島みどりのソロで、ピッツバーグ交響楽団(指揮者は失念。マゼールだったような気もしますが)の演奏をハインツホールで聴いたことがあります。
どちらも素晴らしい演奏でした。
今回の、リチャード・リンはどうでしょう。
割と速いテンポでさっぱりと演奏していきます。
そんなに音を響かせるタイプではなく、三階席で聴いていても高音が勝っている感じです。
演奏テクニックはそれほどでもなく、ちょっとミスったかもと思わせるところも感じました。
女房曰く、『最近は上手な演奏をずっと聴いてるからちょっと...』という感想でした。
上手な演奏というのは何かと思ったら、東京音楽コンクールやその優勝者演奏会のことを指していました。
確かに、最近は、もう既に、コンクール出場者が巧すぎて、こういうソロ活動を行っている人も比較されてしまいます。
それが、すぐに伝わってしまうので、すでに実績を上げている演奏者はやりにくい時代になったのだろうと思います。
アンコールでバッハの無伴奏作品を演奏してくれました(作品名は本人が日本語で云ってくれたのですが聞き取れませんでした)。
これもサラッと弾く感じで、ねちねちと本質をえぐりだそうとする演奏ではありませんでした。

休憩を挟んで、江文也の台湾舞曲は、中国らしいいい曲でした。

シベリウスの交響曲第2番は、指揮者のリュウ・シャオチャ(呂招嘉)の得意な曲だったように思います。
シベリウスは、一部のフレーズで、直感的に聴衆を乗せるタイプではなく、前置き長くウネウネと説明を繰り返して最後に盛り上げるという曲が多いと思います。
このシベリウスの演奏は、そういう私のシベリウス観をそのまま感じさせてくれました。
途中も飽きさせることがなく最後の盛り上げ方も素晴らしかったです。
アンコールもありがとうございました。

リュウ・シャオチャ(呂招嘉)のやり方で、気に入ったのは引き上げ方です。
いつも、演奏会のあとは、どこで拍手をやめていいかなかなかタイミングがつかめませんが、最後は、オーケストラに指示を出して一緒に引き揚げていきました。
これだったら、オーケストラも早く引き揚げられるし聴衆も席を立つタイミングが明確です。

平成最後の日には、交響楽を堪能することができました。

蛇足ながら当日の会場(東京文化会館)のことをちょっと書きます。
チケットの売上は、あまり芳しいとは云えず、上階は空席が目立っていました。
空席の部分は空席が続き、売れている部分は固まっているという分布になっていました。
これは、主催者が観察して反省しなければならないことでしょう。
おそらく、席の格付けが悪く、価格の変わるゾーンは、チケットの安い方に集中し、割高と思える席は売れないということだと思います。
私の席は、3階中央の3列目右寄りでした。
ここでもA席でしたが、中央の中央セクション3列目は、全部空席でした。
ひょっとしたらそこがS席だったのでしょう。
私がチケットを購入したときは、空席状況を見ながらその中で選んでいますが、中央の中央三列目は売っていませんでした。
まさか、売り場によって売る席変えてないよね?
原始時代じゃあるまいし。
いずれにしても、これは販売方法の問題でしょう。
もっと知恵を使わないと売上は伸びていきません。
せっかく商品があっても販売の能力が低いのでは売れませんよ。




by mcap-cr | 2019-05-01 08:32 | 音楽・コンクール | Trackback | Comments(0)

生演奏を主とすれば、オーディオは箱庭で充分でしょう。
by MCAP-CR

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