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それまでの価値観の崩壊

オーディオ装置に対する私の伝統的価値観は、ここ何年かで既に崩壊状態という状況です。
音楽についても、演奏者の一般的な評判による価値感が完全崩壊に近付いています。

タワレコに発注していたベートーヴェンのピアノ・ソナタの全集3作品がセブンイレブンに到着予定との連絡を受けて、取りに行きました。

今回購入したのは下記の3つでした。

(1)タイトル:Beethoven: The Complete Piano Sonatas<初回生産完全限定盤>
アーティスト:リチャード・グード
(2)タイトル:Daniel Barenboim - Beethoven Recordings<限定盤>
アーティスト:ダニエル・バレンボイム
(3)タイトル:ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ全集、バガテル集<限定盤>
アーティスト:スティーヴン・コヴァセヴィッチ

バレンボイム版には、オペラ、交響曲や協奏曲を含む他のベートーヴェン作品も多数収録されている35枚セットです。
バレンボイムは、ピアニストですが指揮活動にも力を入れていたので、こういうセットを作ることが可能です。
指揮者や作曲家は、同時にピアノの名手であることも多いので、当然のことなのでしょう。
バレンボイムは、私が高校生の頃から盛んに雑誌などで取り上げられてきましたが、、レギュラー価格のレコードを買う余裕はなかったので、バレンボイム版はひとつも買うことがありませんでした。
CDセットの表紙を見ると、若い頃のハンサムなバレンボイムや円熟してまた格好良い紳士のバレンボイムの写真が出ています。
解説書は英語ですが、バレンボイムとベートーヴェン作品、というような簡単な解説だけです。
私が学生の頃には考えられなかった価格設定なのでこういうところはコストダウンのための省略なのでしょう。

グード版は、写真が全部同じで、解説書にはグードに関する説明もありません。

コヴァセヴィッチ版は、写真はいろいろありますが、解説書には、やはりコヴァセヴィッチの説明はありません。
コヴァセヴィッチの写真を見ると、全部違う人みたいな感じでどれがご本人の感じに近いのかよくわかりません。

それはどうでもいいのですが、最も聴きたかったのは、Sonata in C minor, Op.111です。
すぐに、この曲が収録されているGoodeのCDを吸い出してからUSBメモリーにコピーして聴きました。

なろほど...
心にしみるいい演奏です。
最初にこの演奏を聴いたら、Op.111はこういう曲だと思ったでしょう。

それから、購入した上記のCDを全部吸い出してからひとつずつ丹念に聴いてみました。
どの演奏もそれぞれ素晴らしい表現です。
確かに表現はどれも違いますが、Op.111を含め、違ってもある範囲に収まっているように感じます。

そもそもどうしてこの曲を聴きたくなったかというと、先日PTNAの特級入賞者コンサートで、上田実季さんの演奏を聴いたからです。
上田さんは、この曲を、モダンな節でジャズのように弾くところがありました。
それを聴いて、『この曲ってこういう曲だったのかな?』と思い、CDでグルダの演奏を聴き直してみても全然違います。
グルダの演奏は何度も聴きましたが、やっぱり全然違います。
それで、他の人はどう演奏しているのか気になってしょうがないので、今回、3作品も買ってしまった次第です。

グード以外にもコヴァセヴィッチとバレンボイムを買ったので以前から持っていたグルダを含めて聴き直してみると、皆それぞれに素晴らしい演奏です。

それでも上田さんの生演奏を思い出して比較するとモダンな感じはありません。
上田さんの演奏を聴いたとき、上田さんが凄い、というよりも、ベートーヴェンは、こんなにモダンな曲をつくっていたのだと感心し、『ベートーヴェンはやっぱり偉い』と思いました。
こうやって比較してみると、上田さんは、よく研究して新鮮な感覚で解釈して演奏しているのでしょう。
まだ新人の演奏で名曲を再認識することができました。

ここ何年かで、新人やこれからの人の演奏や歌唱を聴くことが多くなり、今まで自分の中に構築そてきた価値の概念が叩き潰されてきました。
上田さんのベートーヴェンを聴いてそれにトドメを刺されたような感じです。


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by mcap-cr | 2019-05-20 06:57 | 音楽・コンクール | Trackback | Comments(0)

音楽は生演奏が最高ですが、レコード音楽は、工学オーディオによってリーゾナブルなコストで楽しみましょう。


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