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はこにわオーディオ工学研究分科会 (旧名: バスレフ研究所)

UP4D-Tシステムのメインを変更

昨日は日本橋七福神に行きました。
日本橋三越主催で、協賛の老舗商店もあり、山本海苔店からは、縁起皿を頂戴できたりしたので、時間のあるときはずっと参加していました。
それが今年で終りだそうです。
本格的な景気回復は永久に無さそうな気がします(そう思っていてもあるとき突然良くなったりするので悲観する必要はありませんが)。

昨年、UP4D-Tの工作は完了していましたが、これに関する予定がもうひとつありました。
それは、メインとなるフルレンジのユニットを交換することです。
それまでは、Tangbandの木製フェイズプラグのユニット(生産中止らしくTBのページにも載っていない)を使ったMCAP-CRの1号機や昨年のオフ会に持参したPM-M0841CKを使ったMCAP-CRのシステムを使っていました。
しかし、本命のユニットは、東京コーン紙のF77G98-6です。
このユニットは、メーカーデータでは20kHzまでフラットですが、聴感上は、高域の寂しいユニットです。
上記のPM-M0841CKをF77G98-6に交換することは最初から考えていました。
交換を想定してサブフランジを用意してあったので、作業は簡単に終りました。
UP4D-Tシステムのメインを変更_a0246407_09022714.jpg

PM-M0841CKと比較すると、F77G98-6は、高域が弱いような気がします。
また能率が少し低いようです。
しかし、F77G98-6を単独で聴き続けると慣れてしまって高域不足が気にならなくなる微妙なフルレンジです。
それでもフルレンジの中では、プラスツィータの効果が分かりやすいほうでしょう。
結果的には、F77G98-6の能率が低いので、アッテネータなしでは難しかった感じがします。

UP4D-Tは、アッテネータを完全に絞るとほぼ聞こえなくなります。
その状態で聴いてから、UP4D-Tのアッテネータの効果を効かせていくと全く違うサウンドに変身しました。
高域の付加によりヴァイオリンの音は輝かしくなります。
また、高音の散乱する様子は、ツィータが4方向を向いたUP4D-Tならではのものです。
F77G98-6単独では、少し鼻の詰まった感じのあったものが、高級なシステムに変身した感じです。
F77G98-6は、秋月電子の投げ売りで150円でしたが、ツィータが必要になると、ピュアオーディオ使用では割安感はさほどないのかもしれません。
それでもFostexのFE83Enを買う金額で30本以上買えたので、かけ離れためちゃめちゃな数字の比較で頭がぐちゃぐちゃです。
ツィータに使用した正体不明のフルレンジジャンクユニットF03007H0も1本150円でしたが、フルレンジとして使うと低音が全く出ません。
こういうのを割れ鍋に閉じ蓋というのでしょう。
どちらも単独では使いにくいが組み合わせると素晴らしいパフォーマンスを示します。
割れ鍋に閉じ蓋というよりも、三人寄れば文殊の知恵に近いのかもしれません。

問題は、ツィータ側に低域カットのコンデンサとアッテネータという2つの操作端をつくってしまったことで、どこが最適なのか全くわからなくなってしまったことです。
こういうフレキシブルなシステムはユニバーサルに使うには良いのですが、組合せを限定するときに困ります。
キャパシタの容量を減らしてカットのポイントを上げると同時に高域のレベルが下がります。
キャパシタの容量を増やしてカットのポイントを下げて高域のレベルが上がってもアッテネータで高域のレベルを落とせるとなると、どのあたりでクロスさせればいいのか分かりません。
こういうのは測定で追い込むのが良いのかもしれませんが、UP4D-Tの場合、音場感を付加するのが主目的なので、ある意味高域のフラットさは問題ではありません。
UP4D-Tは、高域がフラットのほうが音場感が良い訳ではないので、高域をフラットにすることが目的ではありません。

UP4D-Tが普通のスーパーツィータより良いところは、設置に神経質にならずに済むところです。
普通のスーパーツィータは、バッフル面から何ミリ後退させるとか、正相がいいとか逆相がいいとか、キャパシターの容量が同じでもメーカーが違うと音が変わるとか悩みますが、UP4D-Tだと、気にしなくても大差ありません。
結局は耳を頼りに生演奏に最も近い感じで決めていくことになります。
あまり技術的ではありませんが。

こういうファジーオーディオもいいのかもしれません。
というか、こういう製品があってもいいし、需要はあると思います。
でも実際に販売するにはコストが高そうです。
商品にするならこういう怪しいフルレンジは使えないしキャパシターも切替式にしなければならないだろうし...
いかにも自作らしさ満点のシステムになりました。


by mcap-cr | 2020-01-05 06:16 | 工作 | Trackback | Comments(4)
Commented by マイクロ・トレーダー at 2020-01-05 10:43 x
「F77G98-6」を35台、所有しています。入手の経緯は、新品を購入/オークションで新古品を購入/オークションで中古品を購入、と色々です。聴きくらべをしましたが、注目すべきは、個々で「高域の伸びが違う」という点です。多くはおっしゃられる様に、(また他のブログにも散見されますが)高域が伸びていません。しかし、中古で入手した一群は高域が伸びてデリケートな音を聴かせます。これが「ロットの違い」なのか、「経年変化」なのか、「使い込んだ結果」なのかはわかりません。高域の伸びる個体は、ダンパーが微妙に柔らかいように感じます。

フランジに無粋な塗装が施され、荒い使用の結果変形し、隅に埃が溜まったようなみすぼらしい中古「F77G98-6」が、最も素晴らしい音楽を奏でるので、思わず苦笑いが出てしまいます。

もし「F77G98-6」に対して異なる評価があるとしたら、このようなことが影響しているのかもしれません。
Commented by mcap-cr at 2020-01-05 12:52
> マイクロ・トレーダーさん
ロット?によっても違うのですね。
モデルチェンジされて新しい製品が秋月に並んでいました。
値段は五百円でしたがそれでもFE83Enの十分の一ですね。
試してみようか悩んでいます。
Commented by hiro-osawa at 2020-01-06 01:49
「F77G98-6」は上も下も出ませんが、中音域の大変素直で癖もとげもないこと素晴らしく他ではなかなか得られない逸品です
ダンパー強度関連して高音域に個体差あるとの情報は興味あります 強引にエージングしたら改善できるかもですね
新型登場とは楽しいです これもフレームやヨークが錆びたら\150になったりするかもしれませんので私はも少し待ちます
Commented by mcap-cr at 2020-01-06 05:30
> hiro-osawaさん
いま単独で聞き込んでみると、上は微妙かもしれませんが、下は問題なさそうです。
癖のない中音域は魅力で、音楽が生きてきます。
ひょっとしたら価格に騙されて過小評価されているのかもしれません。

生演奏を主とすれば、オーディオは箱庭で充分でしょう。
by MCAP-CR

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