2020年 01月 22日
オーディオマニアの習性から『十分』の意味を学ぶ
故障の内容は水の詰まりです。
排水ホースの勾配が十分にとれないために、ゴミが流れていかずにとうとう詰まってしまいました。
しかし、洗濯機の下には手が入らないのでメンテナンスができません。
洗濯機そのものも重すぎるので、一人で動かすのは危険です。
ということで修理をお願いしました。
かなりの部分を分解、点検、交換し、新品のように蘇らせてくれました。
さすがに修理の方はスキルがあります。
こういう問題が発生する要因は複数あります。
まずは、設計事務所の問題。
スペースが限られているのは理解しますが、洗濯機のメンテ空間を確保していないので、洗濯機を動かさなければ日常メンテができません。
また、給水用の蛇口の位置にも問題があり、低すぎるので、新しい製品はギリギリやっと押し込める程度です。
ですから、メンテ空間を確保するために全体を底上げすることもできません。
住宅は何十年も使いますが、家電品は数年サイクルで入替えます。
また、製品がモデルチェンジしてどんどん変わるので、設置場所やユーティリティの場所は余裕を持って設計しなければならないのに、その時点の主流の製品のことしか考えていません。
蛇口の高さに余裕を持っていなければ、製品仕様が変わると付けられなくなるし、メーカーの製品開発の妨げにもなります。
これは、蛇口位置だけでなく、排水パンについても同じです。
さらに云えば不動産デベロッパーの問題のほうが上位にあります。
洗濯場のような必要な空間を十分に確保しない。
狭いところに無理やり設計させるのですから、設計事務所もこんな設計しかできません。
もっと云えば買う側の資金の問題なのですが、そこまでいうとビッグバンまで遡ってしまうのでやむを得ません。
次は、売る側の問題です。
こういう状況は容易に想像できるのにメーカーにちゃんとフィードバックしていない。
販売店が状況を確認してから設置したのですから、販売店の知識不十分というのもあります。
今回の問題は、定期的な薬品洗浄でそこそこ対策できたようですが、そういう説明はしていきませんでした。
メーカーのの問題もあります。
定期的な薬品洗浄についての注意書きのラベルはありません。
今回の場合は、日常のメンテができないので、薬品洗浄でできるだけの予防をするしかありません。
底面に手が入らないので、ホースの状況が確認できません。
いったん下がってから上がるようになっていると当然水が滞留して詰まりやすくなります。
これは、当然想定される故障の原因なので、メーカーの責任はあるでしょう。
そして、買うほうが学ぶべきのは、オーディオマニアと同様の愚です。
容量や能力が大きいほうが何かといいだろうと思い、余裕を持って設置可能なギリギリサイズのものを選定する。
これが誤りのもとです。
洗濯機の洗濯・乾燥容量の表示はキログラムになっていますが、この数字の大きいものを選定するほうが、洗濯の回数が少くていいと考えて大きいものを選びます。
この余裕が問題です。
偶に洗濯量が増えるくらいだったら、洗濯回数を増やせば済むはなしです。
どうせ洗濯機の稼働率なんか、乾燥を含めたって一日2回してもせいぜい6数時間のものです。
業務用ではないのですから、稼働率100%になることはありません。
必要十分なサイズのものを選べば、メンテナンスの空間もとれたかもしれません。
以前も、エアコンの容量なんか不足側で選ぶほうがいいと書いた気がしますが(記事が見つからない)、洗濯機も同じで、大容量にする必要があるのは人数の多い家庭だけです。
それだって、昔は手洗いで、つぎは小さな洗濯機で洗濯していた訳です。
そうなると、また、メーカー責任に戻るか...
こういうことを極端にやっているのが一部のオーディオマニアです。
たとえば、アンプの出力を洗濯機に例えれば、一般家庭で、100家族分の洗濯が可能な洗濯機を持つようなものです。
一部のオーデイオマニアの辞書には、『十分』はありません。
日本の半分が吹っ飛ぶような地震を想定して原発の稼働を差し止めるような判断をするのが、一部のオーディオマニアです。
これに近いことをふつうの人もやってしまっている訳なので、この『十分』の基準を『自分の実用上十分』な仕様や性能がどの程度かを常に考える必要があるのでしょう。

