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結果として初心者向け

先日烏口という製図用具を購入しました。
つけペンのようなもので、溝にインクを挿し、隙間を調整して線の太さを変えるものです。
主に妻が使うものなのですが、これが、一般のものより少し高価なものでした。
先生が使っているものより7割位高価です。
それを見て、微妙な顔をしています。
どうして嫌なのか聞いてみると、先生がもっとリーゾナブルな価格の道具を使っているのに初心者の自分が高価な道具を使うのには抵抗があるそうです。
下手くそなくせに高価なクラブを使っているゴルファーみたいだといいます。
なぜ高価な道具になったかと云うと、そこ(銀座のITOYA)で入手できるのがそれだけだったからです。
私は、高価とはいえ、数千円のものなので、しょうがないと思いましたが、道具に凝る下手くそなゴルファーみたいでプライドが傷つくそうです。

こういうのって、オーディオにもありがちです。
高価な機器を揃えればいい音がすると思い込み、少しでも高価な機器を購入する。
予算が厳しかったらローンを組んで購入する。
たしかにそういう人は多いかもしれません。
しかし、売る方は、少しでも高価なものを勧めてくるし、仲間内にもよく見せたいし、何より高価な方がいいに決まっている。
そう思うと、ちょっと無理してでもいいものを購入したくなるのだと思います。
売る側にしてみれば、一回高価な機器を売ってしまえば、次はもっと高価な機器を売れますから、さいしょからいいものを勧めます。
ところが結果として、せっかく高価な機器を揃えたのに何か物足りない、実はそれではだめでもっと高価な機器が必要だったに違いない。
こういうことは容易に想像がつきます。
最近は、オーディオ雑誌を読まなくなりましたが、何十年か前のオーディオ雑誌にはQ&Aで機器の購入相談の内容は概ねこんな感じでした。

それから年月が流れ、スピーカーシステム以外は激的に性能が向上しました。
かつては-50dBもあったノイズは-100dB前後になり、かつて0.1%RMS近くもあった回転ムラは、検知限界未満です。
アナログ機器は姿を消し、D/Aチップは十分高性能になったので、よほどの手抜きをしない限り、再生系は、高級機も普及機も差がありません。
僅かなさはあるかもしれませんが、よほど集中して聞かない限りその差を検知することはできないでしょう。
しかも差を検知できたとして、どちらがいいと感じるかはなんともいえません。
同じようにアンプの性能も向上し、低価格化してきました。
アンプにしたってふつうのソフトを耳が痛くならないレベルで再生する限り、高級機も普及機も音は大差ありません。
高級機が性能を発揮するためにはしかるべき条件があるので、その条件を満たさない限り高級機を使っても投資効果はほとんどありません。

そんなわけで、このブログには、ローエンド機器以外のことはほとんど書いてありません。
それでも、最近は、自作派を中心に無意味な高価格化に疑問を持つ人が増えてきたようで、自分で定めた目標に対しての達成を目指す人が少しずつ増えてきています。
何事にも指標がないと、目的地がわからず右往左往してしまうので、そうなったらリセットして振り出しに戻らないと、結局最後に???となるだけです。
気付かないままに終われば幸せとも言えるのですが、終わる前に気付くならなるべく早いほうがいいでしょう。

自分で気付いてみると、最近は、オーディオよりも音楽のほうにシフトしてきており、オーディオ側から見たときの着地点が見えてきたように思います。

このブログには、いろいろとオーディオ初心者には難しい内容も書いてあります。
しかし、読んだ人が真似しようとすれば、コストは子供の小遣いくらいから始められるので、結果として内容は初心者向けだということに気付きました。

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Commented by muuku at 2020-02-13 09:45 x
「弘法筆を選ばず」とも言います。腕があれば(そこに到達するまでには色々な経験を積んでいるでしょう。もちろん高い道具も使っているはずです)安い道具でもそれなりに使いこなしてしまうのでしょう。
趣味の道具はある程度本気で取り組むならむしろ可能な範囲でいいもの(長い目で見れば必ずしも高額なものではありません)を選んだ方が上達への近道だと私は思いますがいかがでしょう。
機能のために高価にならざるを得ない道具は初心者でもその違いが解るほど使いやすかったりします。

あと下手くそゴルファーを少し擁護すると本来の目的を逸脱しなければ道具に凝るのも趣味の楽しみの一つだと私は思います。
ただ、世の中には腕を自慢するならいざしらず道具自体を特に価格を自慢し出したりする人(得てして分不相応なもの)がいるのでおかしなことになるのでしょうね。




Commented by mcap-cr at 2020-02-13 12:02
> muukuさん
このあたりは考え方なのだろうと思いますが、私は、目的の機能を満たす中で最低仕様のものを使うのがいちばんいいだろうと考えています。
何かを始めるにしても、制約があるほうが、結果として良い場合が多いと思います。
カネがありすぎると贋作を掴まされるとか、そういう危険が増すので、欲しいけど制約の中であれこれやってみる、というのが趣味としても楽しいように思います(あくまでも自分の考えですよ)。
機能のために高価になるのはやむを得ませんが、同じ機能で悪くないものがあるのに、高価格で機能も性能も大差ないものを選ぶのは好きではありません。
こういうのも考え方なのですよね。
何が正しいというのが決まっている訳ではないので、最終的に決断を下すのは、その人自身で、根拠があればいいのだと思います。
by mcap-cr | 2020-02-13 05:49 | オーディオ一般 | Trackback | Comments(2)

音楽は生演奏が最高ですが、レコード音楽は、工学オーディオによってリーゾナブルなコストで楽しみましょう。


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