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文化の違い

コロナ禍で商売上がったりの期間が続きました。
幸いにもその間は仕事の勉強をある程度出来たので、いままで気にしていなかったことが見えるようになってきました。
こういうのは部門の違うエンジニアリング間の文化の違いというところがあります。
私はもともとは産業機械や部品工場設備、無機化学プラントの設計から始めたので、そちらのほうが自分の基本になっています。
若い頃に身につけたものは、ずっと忘れない(と思う)いますが、同じだけのことを歳とってからやろうとすると何倍も時間がかかります。
若い頃柔軟だった思考もだんだん固まってくると新しい考え方を受け入れにくくなるのでしょう。
もちろん、継続して吸収してきた技術はその後の他分野での理解に役立つことは間違いありませんが、それでも若い頃に比べると掘り下げるのが苦手になってきたと思います。

最近は、米国政府の仕事しかやっていませんが、政府の仕事なんか、日本の業者に回ってくるのは、インフラや建物、付帯設備くらいしかありません。
機密を要する内容は、米国のメーカーの専門で、日本メーカーがつけ入る隙きはまったくありません。
むしろそうでなければ機密が外に漏れてしまう訳で、日本国内の米国施設の仕事で機密性がなく、かつ米国から業者を呼んできてやらせるより安上がりな事以外は日本の業者には回ってきません。

最近ようやくありついた仕事の中に、ちょっと機密性のある装置の付帯設備の手直しがありました。
実は2年前まで関わっていた仕事なのですが、そのときは、その機密性の部分はノータッチだったので、純粋に建物と付帯設備のプロジェクトでした。
ですから、どうしてそうなっているのか分からないのに設計図で指定されているからその通りのせざるを得なかったところがありました。
その後、いったん引き渡されたのですが、主役の装置を運転するとどうもうまくいかなかったようです。
それで、手直しをすることになって、最初に建物設備の人が担当してうまくいかなかったので、自分が代りに入るようになったものです。
プロジェクトに入って最初に見ると、選定された空調設備が仕様を満たしていません。
それではまずいので、提言をまとめて提出しました。
どうして仕様を満たさないものが選定されたかというと、建物用の標準空調機を使ったからです。
空調機は、人を寒さや暑さから守るシロモノであって、機械装置を温めたり冷やしたりする目的には設計されていません。
目的に合わせて制御プログラムが組み込まれていて、それをユーザーが勝手に変更する訳にはいかないので、目的に適合させることは不可能です。
ということで、標準空調機からカスタムなエアハンドリングユニット(日本名はよくわからない)に設計変更を提言しました。
相手側も最初は何だろうと不思議そうでしたが説明したらそうせざるを得ないことが解って方向が変わってきました。

こういう違いがなぜ出てくるかというと、文化が違うからです。
生産機械工学や化学機械工学の文化は、基本的にプロセスが主役でそれに合わせてモノを造ります。
建築設備の衛生工学の文化は、制約の中で、建物主体を主体として標準品で付帯設備をつくります。
どちらが難しいとか優れているという問題ではなく文化が全然違うので見ているポイントが違う訳です。

米国政府の最初の失敗は、機械装置の要求仕様を伝えずに建築設備専門家に設計を依頼したことでしょう。
機械設備の部分は機械の専門家から助言を得なければならない内容でした。
こういうところで秘匿事項は書けませんが、結果として文化の違いを理解していないと起こりうることでしょう。

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by mcap-cr | 2020-06-27 07:27 | 科学・工学 | Trackback | Comments(0)