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はこにわオーディオ工学研究分科会 (旧名: バスレフ研究所)

Stereo誌1987年の記事から

しばらく前に実家の片付けに行ったときに、古い雑誌を見付けたので、一部だけスキャンしてきました。
今でもほぼ読むところがなく、どうでも良さそうな内容が満載でした。
当時はこれを有り難く読んでいた訳で、三十数年の経過というのは、オーディオの価値観も全く変えてしまう期間だったと改めて感じました。

その中でちょっと気になった記事があったので紹介します。

オーディオQ&A:新規購入

CDを中心とした40万くらいのコンポを教会で楽しみたいが

Q:教会の方にコンポを選んでほしいと頼まれました。CDプレーヤー、プリ・メインアンプ、スピーカーの3点で、予算は低下で40万円ぐらい。主に聴く場所は自室(8畳和室)ですが、礼拝堂(50畳くらいで高さもかなりある)で、礼拝に来られた方にも聞かせたいとのことです。クラシックの大編成のものやミサ曲などが礼拝堂に鳴り響くような雰囲気を体験してみたいそうです。礼拝堂でのセッティングのアドバイスもお願いいたします。

A:デッドな8畳和室とライブな50畳礼拝堂では条件が違いすぎるので、兼用型のシステムを選ぶのは難しくなります。礼拝堂用のスピーカーには大型フロアタイプを持っていきたいところですが、予算も限られているので、中途半端はやめて、59800円の中から選びます。締りがよくパワーが入り、ライブな礼拝堂でもブーミーにならないと思われるオンキョーD-77X(59800円)。アンプは大音量再生を前提に電源に注目。ソニーTA-F555ESX(128000円)とします。予算の残りが約15万円あるのでCPの高い本格的CDプレーヤーが変えますが、総合的に見ると山はCDX-2200(168000円)、切れのよい豪快なサウンドならティアックZD+6000(165000円)教会の雰囲気にマッチするデザインならテクニクスSL-P1200(1600000円(注:間違い?))でしょう。セッティングについては、8畳和室から移動しなければならないので、礼拝堂専用のラックとスピーカースタンドが必要です。ラックは適当なものでよく、場合によっては床に直置きでもかまいませんが、スピーカースタンドはできるだけ丈夫で背の高いものが必要です。パイプオルガンもそうですが、教会の音楽は高いところから降り注ぐ感じのほうがいいようです。いわゆるオーディオ用品ではなく、電話台とか、電子レンジをのせる台といったものの方がいいかもしれません。できれば1mぐらいの高さがほしいところ、それ以上高いとセッティングが困難、というより危険になります<長岡>


当時はまだ長岡先生ご健在で、こういうQ&Aも担当されていました。
システムは型番を見ても思い出しませんが、この当時のスピーカーシステムは59800円でも、今だと100万円クラスに相当するかもしれません。
教会で鳴らすなんて羨ましい限りですが、礼拝堂という用語からすると、プロテスタントの牧師かつオーナーかもしれません。
プライベートの部屋が8畳和室ということで長岡先生が書かれているように礼拝堂とは部屋の状態が違いすぎて同じスピーカーシステムでは無理でしょう。
当時の59800円のスピーカーシステムは礼拝堂では使いにくいだろうと思います。
設置面積が大きく目立ってしまうし、おまけに、デザインが礼拝堂にはマッチしません。
しかも、正面からしか音を出さないタイプなので、せっかくの礼拝堂の音響効果を活かすことができません。
最後のほうに書かれているように、高く設置するのが良いが高すぎると危険だ、というおそらく不本意に書かれたと思われるアドバイスがあります。
本当は、長岡先生オリジナルのスピーカーシステムを紹介したかったでしょうが、工作のアドバイスではなかったのでこういうものを選んだのでしょう。
昔も今も礼拝堂で鳴らすのに丁度いいスピーカーシステムは自作以外に無さそうです。

この記事から33年が経過しています。
当時と現在とを比較すると、以下のようになっているだろうと思います。

スピーカーシステム →大幅値上げ
CDプレーヤー →大幅価格ダウンの汎用品でOK
アンプ →アナログは(多分)大差ないが、低価格品のパフォーマンスは今のほうが良い

33年前と比較して何が良くなったかと云えば、半導体関連の製品だけでしょう。
価格が下がったのは嬉しいですが、市販のスピーカーシステムがどうなったかというと微妙な感じです。
スピーカーシステムの価格が上がったのは間違いありませんが、価格比では、パフォーマンスは...だろうと思います。

自作環境はまあまあ良いですが、スピーカーユニットの価格は上がりました(ジャンク除く)。
スピーカーユニットの音が良くなったかどうかは微妙なところで、箱の技術は十分に上がったでしょう。

私のUP4DやUP5Dも礼拝堂で聴いてみたいと思います。
ねずみ小屋のような自室と違って音がいいだろうと思います。

by mcap-cr | 2020-07-19 07:10 | オーディオ一般 | Trackback | Comments(4)
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Commented by kenbe at 2020-07-19 09:08 x
懐かしいですね。
本当に、ユニットは馬鹿げているぐらい高くなっています。
少しでも、物量投下でも見受けられれば納得するのですが、安普請で音も???では、海外製品の安くて音も良く物量投入している製品に目が向いてしまいます。
Commented by tincan at 2020-07-19 09:12 x
1987年か・・・、円高不況が終わりバブルが始まりかけた頃ですね、オーディオファンも多数居り、皆情熱を持っていて燃えていた時代だった。

普段は和室8畳にシステムを置いておいて、来客のあった時礼拝堂に移動させる訳ですね。
SP片チャン57L、34kg、amp26kg、cdp10kg、総計104kg。
大変な情熱です、とても今の私の体力では出来ません。もっとも現代のオーディオはspを除いて小型軽量が多い、また小型でも高音質。今ならそれぞれの部屋に小型で高性能のプレーヤーとアンプ、spを置くでしょう。

昔は重量製品=高音質という信仰があったが、今はそれも払拭された(長岡教徒の方からは異論が出そうですが)。
バックロードホーンにおいてすら、MJ紙の小澤先生は板厚12mmの軽量BHで高音質を実現してるらしい。
良い時代になりました。

追伸
長岡先生のsp選択には異論があります。
このsp、アッテネーターが付いていないので、各部屋における音色調節ができない。
私なら30センチ3ウエイは賛成ですが、ツイターとスコーカーにはATの付いたタイプを選びます。
Commented by mcap-cr at 2020-07-19 09:46
> kenbeさん
1987年当時、輸入品は高価だったので、ユニットは国産品が多かったようです。
それが、いまは輸入品のほうが価格が低いという逆転現象が起きていますね。
しかも、国産メーカー品も海外製造だったりしてよく分からなくなりました。
Commented by mcap-cr at 2020-07-19 09:58
> tincanさん
昔の重量大=高音質、という志向は長岡派だったと思います。
デジタル電源で軽量化を図ったメーカーもありましたがそれが失敗していました。
いまは、私も重量の大きなものが良いとは必ずしも思わなくなりました。
当時と比較すると身の丈に合ったシステムを志向するする人が増えたのだと思います。
当時は、いつか部屋をグレードアップする日を夢見て高級機を選んでいたのでしょう。

バックロードホーンは、多自由度バスレフと違って開口部などの補強しにくいところが多いので、まだ重量のメリットが多いように思います。軽量化しても9mm厚は難しいだろうと思います。
当時のその対象者が104kgを運ぶのは現実的では無さそうですね。
私のシステムだったら全部まとめて一人で運べるのですが、当時気合を入れて選ぶシステムは、重量級だったので運ぶなら全部まとめてキャリア付きラックが必要でした。
いまはいい時代になったと思います。

スピーカーのアッテネーターは、あってもフラット以外を使う人がすくなかったので、トーンコントロール同様使われない有効な機能だったと思います。
左右別々に調整する必要がなければアンプのトーンコントロールのほうが便利だという考え方だったのかもしれませんね。

生演奏を主とすれば、オーディオは箱庭で充分でしょう。
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