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はこにわオーディオ工学研究分科会 (旧名: バスレフ研究所)

プラスツィータ(または、スーパーツィータ)効果

いままでも何度かプラスツィータの効果について書いてきました。
たとえば、下記のような特性のフルレンジユニットに20kHzより上が伸びていないツィータをプラスして効果があるのか?といえば効果を感じないわけではありません。というより大いに感じます。
プラスツィータ(または、スーパーツィータ)効果_a0246407_06265552.png
F77G98/6(のカタログデータ)

UP4D-Tを試して以来、スーパーツィータの効果の説明に疑問を持つようになりました。
スーパーツィータ効果を普及した重要な人物は、長岡先生(私は弟子ではないが)だと思います。
長岡先生が、効能率型バックロードホーンの高域にワンポイントでスーパーツィータを足していたたので、それに倣う人が多いようです。
私ももちろんやってみました。
スーパーツィータは可聴帯域の外にまで音域を拡げることが可能です。
20kHzより高い周波数の音が聞こえるという主張もありますが、他の条件を同等にして試験で確認することが困難なので、この説は検証未確認であるといって良いでしょう。
切りきれずに可聴帯域に食い込んだ分を聴いているのは確かなので、そちらのほうで理屈を考える必要があります。

スーパーツィータを使うと確かに、良い音に聞こえます。
長岡先生公開したが測定値では、F特は大差なく、本人も測定値にほとんど違いはないのにもかかわらず効果を感じると書いておられました。
当時先生が使用していたFostexのFEシリーズはどれも可聴帯域の限界付近まで再生できているはずですが、スーパーツィータを足すと良くなったように聞こえます。
最近は、プラスツィータの実験をしてきたので、スーパーツィータの効果的は、音源位置が追加されることにあると思うようになりました。

高能率ユニットに追加するスーパーツィータは、ホーンタイプが多いようです。
ホーン型は、指向性が強いので、ちょっとずれると効果が薄れてしまいます。
コーン型は、指向性が低いのでこの点は有利ですが、能率が低いので、高能率型と組み合わせるには専用のアンプが必要です。
私が普段聴いているシステムは、能率が低いのでコーンツィータに専用のアンプを付けなくても十分な効果を感じることができます。
そこで行き着いた結論が、『音源位置が分散することで良くなったように聞こえる』という仮説です。
音源は小さいことが良いとする従来説の真逆です。

私の説では、最悪は同軸型。
ウーファーは思い切り離れていても良く、むしろ遠いほうがいいくらいです。
これは体験しないとわかりません。

オフ会に大型のシステムを持ち込むことはできませんが、ツィータを離すことメリットはしっかり感じられるだろうと思います。

by mcap-cr | 2020-09-11 06:16 | オーディオ一般 | Trackback | Comments(8)
Commented by muuku at 2020-09-11 07:26 x
素人考えですが、「法則」と言うのは、仮説→検証→証明→第三者による再現 見たいな工程を経て「承認」される思うのですが、オーディオの法則の中には何故かこうした工程をすっ飛ばして一般に普及したものが多いように感じます。
何故でしょう?科学者、数学者のように音響学者もいるかと思うのですがオーディオはこうした学問とは別のものなのでしょうかね。
逆にだからこそ自作スピーカーって「新しい発見」があって面白いのかもしれませんね。
Commented by tincan at 2020-09-11 08:38 x
プラスツィータは確かに効果がありますね。
これはフルレンジの高音域のインピータンスが右肩上がりに大きくなるからで、一方ツイターの方は大抵インピが低い、よってツイターの方にたくさん電流が流れ、高音域はツイーターが支配する、という理屈だと理解しています。
ただトータルのサウンド感、クロスの繫がり感で多少違和感があり、長時間は聴いていられない。極超高音域を味付けに多少乗っける、とした方が自然な感じになると思います。位相の違いかもしれません。私的にはフルレンジ側にコイルを入れてみたい。
『音源位置が分散することで良くなったように聞こえる』というのは私も会長のUP4D-TCを製作し我「脚立」と比較試聴をし、はっきり理解をしました。近年のウーファ・ツイーター近接型全盛はメーカーの都合なのです(箱を小さくしたいから)。といっても消費者の方も、デカ箱の両端にユニットが離れている構図、は受け入れ難いものがありますが(笑)
Commented by mcap-cr at 2020-09-11 12:25
> muukuさん
オーディオに厳密性を求められない、というのは厳正な事実だと思います。
そうでなければハイエンドオーディオなんか成り立ちません。
ブラインドテストを拒否する人で成り立っている市場なので、先入観が全てと云っても良いと思います。
周囲の条件も変わってきているのに結論だけが独り歩きになっている、そういうバーチャルリアリティの世界がふつうのオーディオ趣味なのだと思います。
そこに科学的な実験と検証を持ち込むと大変なことになるのだと思います。
Commented by mcap-cr at 2020-09-11 12:32
> tincanさん
インピーダンスによる効果ということですね。
確かに高域バランスはツィーター側にシフトするはずですね。
考えたことがありませんでした。
大きな箱の両側にユニットが散っているというレイアウト面白いですね。
最近は大きな箱を自宅に置いていないのでわかりませんがデザイン的に良ければいいかもしれません。
逆にウーファー等は後ろや下向きに見えなくしてしまって、スコーカーをスリムな箱に入れれば音場感は良くなるかもしれません。
こういうのも流行りがあるので案外いいのかもしれませんね。
Commented by tincan at 2020-09-11 15:27 x
>ウーファー等は後ろや下向きに見えなくしてしまって、スコーカーをスリムな箱に入れれば音場感は良くなるかも

JBLのアクエリアスシリーズがそのコンセプトかもしれません。
https://ameblo.jp/lajazzaudio/entry-12256220192.html
これなどウーファの前に板を貼っています。
スコーカーはスリムな箱には入っておりませんが。
アクエは柱型の無指向性SPが有名ですが、箱型も結構あります。
商業施設などでの設置で、スピーカーとわからない、スピーカーを意識させないコンセプトなんでしょう。無指向性音場型としての性能はイマイチだと思われますが。
しかし私も本当はユニットむき出しは避けたい派でして、どこからか天上の音楽がさりげなく流れてくる、というのを目指しております。(天井からネズミの走音が・・、では艶消し)だからJBLの気持ちは良くわかります。
Commented by mcap-cr at 2020-09-11 15:34
> tincanさん
ユニットむき出しは壊しそうで気になりますよね。
手の届かない高いところに設置してかつ目立たなければいいのだろうと思います。
かつて作ったQNDRというのは、そういう使い方にマッチしていました。
音も自然で良かったのですが、高域をプラスしたくなる音でした。
QNDR+UP4D-Tという組み合わせだといいかもしれません。
ひらめきました。有難うございます。
Commented by uta at 2020-09-11 16:43 x
逆に言うとホーン型のスーパーツィータはスイートスポットに入ることで何らかの明確な差を感じるため、効果ありと認定されやすいのかもしれません
UP4D-Tの場合、明確な再生帯域の音量変化は感じられるでしょうし
音場感の変化も相対変化として認識しやすいところはあるのだと思います
この辺りのコーン型とホーン型の評価が現実に沿ったものか、曖昧なのは同意です

目を閉じてどこでどの音が鳴っていると感じるか?が明瞭であることが一つの評価軸であり
スピーカーの存在を感じない、が理想の一つだとすると
席を立ったときなどに、視聴位置が変わり差を感じとるはずです
この変化を脳内に記憶、演算して、普段の視聴位置での僅かな差を許容しつつ変化を感じ取ることもできるでしょうし
視聴位置の変化による音の変化(音の上下の広がりは視聴位置の変化との関わりはどうなのでしょうか?)に対しての評価も人や音楽の種類によっては必要なのだと思います

音場情報も音量が可変である以上、恐らく相対差で感じ取っているので
上下方向は後面を向いているスピーカーが支配的な気はしますが
4つのスピーカーの高さの差は、視聴位置の変化で感じているようにも思います
Commented by mcap-cr at 2020-09-12 06:52
> utaさん
ホーン型はこのところ使用していないのでわからないところが多いのですが、使用している方はハイパスコンデンサの容量を変えるだけでなく、位相を逆にしたり、前後にずらしたりして位置を決めています。
自分も過去にやってみたことがありますが、なにしろ何十年も前のことだし、当時はスピーカーケーブルに音の違いがあると思っていた頃のことなので、そのときの記憶はまったくアテにはなりません。
UP4D-Tの場合、音域はメインユニットに被せて使うのが基本なので比較は難しいのだと思います。どの音がどのユニットで鳴っているのかはほとんどわかりません。UP4Dシリーズの共通の特徴として、どこで鳴っているのかがよくわからないという面白さがあり、効能率ユニットにホーンツィータを追加するのとは別な効果があるのだろうと思っています。
音場に関しては、人間センサーの曖昧さが大きく、変わってもどこがどう変わったかというのを定量的に語るのは難しいようです。
UP4D-Tを料理でいえば隠し味、微妙な量を使った香辛料、そんな感じがしますが、tincanさんのシステムでのご感想から推察するとツィータの下側音域を拡げてウーファーと組み合わせる使い方もありなのだろうと思います。

生演奏を主とすれば、オーディオは箱庭で充分でしょう。
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