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はこにわオーディオ工学研究分科会 (旧名: バスレフ研究所)

日本音楽コンクール放送2日目−ヴァイオリン部門

一昔前は、『ヴァイオリン』という表記が一般的でしたが、最近は『バイオリン』という表記に統一されつつあります。
これは、"V"という発音のない日本語の近似発音として"B"と同じにしたものですが、以前は、頑張って表記に違いを出そうとしていました。
それを、どんどん簡素化していってレベルを落とそうとしているのか、失敗したゆとり教育を思い起こさせるような政策が進んでいるようです。
外国語の日本語表記って、とっても困るんです。
なぜなら日本語表記を見ても実際の発音が分からないから。
たとえば、ニューユークでタクシーに乗って『ロックフェラー・センターに行ってください』と伝えようと思ってもロックフェラーの綴が分からないと全く通じません。
綴で考える(日本語の場合は、漢字で考える)国がそんなに多い訳ではありません。
アメリカ人なんか、ちょっとした日本人よりも綴が書けないなんていうことも珍しくありません。
上記の場合、ロックフェラー=Rockefeller、なので、日本人の苦手な発音が出てきます。
カタカナで伝えたって全然伝わらないのは、あちらに行ったことのある人は経験済だと思います。
同じような例で、ウィーンでベルベデーレ宮殿に行きたいことがありました。
しかし、綴がわからん...これではタクシー運転手に伝えることができません。
"Ich moechte nach Shloss ○☓☆※ gehen...(ドイツ固有の文字のないタイプライターで書くときの表記をしています。ドイツ語の引用符は英語と違うが音にならないのでこういう差は気にしない。)"
日本語からでは綴がいくつも想像できてしまいます。
BELVEDERE
BERBEDELE
BERBEDELLE...
これじゃ発音できないんです。
後で調べたら、"Belvedere"が正解でした。
なんだよ、イタリア語じゃねーか!
と云ってもしょうがない。
カタカナ語ってできるだけ無くすほうがいいように思います。
ガイドブックなんか見ていて思うのは、地図の地名にカタカナ表記していることです。
これじゃあ人に聞いたりタクシー運転手に見せたりできないですよね。
現地に行っても役立たないガイドブックって何でしょう?

と、変な話になってしまいましたが、日本音楽コンクールの話題です。
私の今回の聞きどころは、高木凛々子さんと北川千紗さんのシベリウス聴き比べにありました。
頂いた録音で予選の放送を聴いたときは、平野友葵さんの演奏が最も心に残ったのですが、曲目が違うので、聴き比べは難しい。
高木さんと北川さんは藝大の同級生でどちらも成績優秀者のみ入れる同声会の会員です。
私が先に聴いたのは北川さんが15才のときの演奏で、日本にはこんな天才がいたんだ...とただただ驚きました。
その後は聴いていませんでしたが、シンガポール国際コンクールで二位・聴衆賞を受賞したという情報がありました。
高木さんの演奏を聴いたのは2018年の東京音楽コンクールのときで、二次予選での華麗な演奏、本選(二位)でのグリグリとえぐりこんでくる演奏に感銘を受けました。
二人の演奏を同時に聴いたのは2019年の同声会新人演奏会のときでした。
高木さんもさすがでしたが、7年の時を経て聴いた北川さんには、更に大きな進化を感じました。
こういう同級生の対決(適切な言葉じゃないなあ)は、どういう感じなのかわかりませんが、優秀な人がそういうところに集まったのでしょう。
曲目のシベリウスというのも興味津々で、最近になって生で聴くことが多くなりました。
全部東京音楽コンクールでした。
最初は高木さんが出場した2年前の一位、関朋岳さんのソロで、こんなにいい曲だったか!と圧倒されました。
次は2年後の東京音楽コンクールでは、福田麻子さん(三位)のソロと佐々木つくしさん(二位)の演奏で同じときに聴きました。そのときは、佐々木さんのソロは完璧と思いました。

さて、ようやく今回の放送ですが、やはり、放送では生演奏のようには伝わらない部分が多いです。
まず、演奏者のオーラが伝わらない。
演奏者が出てきた瞬間、第一音が始まった瞬間、途中の空白、ファイナル...そういうオーラは、録音では伝わりません(自分の感性が足らないせいか?)。

最初に高木さんの演奏を聴いてみると、あまり高木さんらしさを感じませんでした。
途中、高木さんらしくないミスのように聞こえる部分もあり、音が裏返ってしまったように聞こえる部分もありました。
肩に力がはいってしまったのかもしれません。
録音があまり良くないようにも聴こえます。
高木さんの場合、良くも悪くも主張が強いタイプだと思います。
生で聴くと主張の強さが音にも演奏にも出ていると思うのですが、放送ではよくわからない。
高木さんのスパッとした勢いの良さが感じられず、ちょっと控えめな感じに聴こえました。

一位だった北川さんのほうもオーラが伝わらない。
よくよく聴くとさすが北川さんと感じさせる表現が随所に聴こえますが、録音がごちゃっとしてしまっていて、音があまり美しく聴こえません。
演奏が特別なのはよく分かります。
流石にあの北川さんならではの安定感と細かなところまで心が入った演奏はなかなか聴けるものではないでしょう。
生で聴きたかった.....
今回の放送ではあまりよく伝わってこなかったのです。
オペラシティのホールでは聴いたことがないので、ホールの音響がよく分かりませんが、録音で聴くとどうもよくありません。
ソロの部分の音が妙に大きく聴こえたりする割に、オーケストラの盛り上がりが寂しいので、ダイナミックレンジの圧縮方法に癖があるのかもしれません。
録音の様子を見ていないのでなんともいえませんが、どうもこの録音は好みではありません。
逆に、フィナーレが少しおとなしい感じに聴こえるのも録音のせいかもしれません。
そうではなく箱庭オーディオの限界なのか...
でも先日のアメリカで収録したベルクのヴァイオリン協奏曲はこんなにペラっとした音には聴こえなかったし...
ピアノのときも感じたのですが、ちょっと収録では比較しずらい感じもありなんとも微妙な感じでした。

収録を聴いていて特に良かったのは、三次予選と同じく、平野友葵さんのチャイコフスキーで、抜群の安定感、こちらは会場で聴いたら更に素晴らしかったでしょう。
橘和美優さんの演奏も秀逸で、順位を付けるのがやはり気の毒です。

生と放送での比較は出来ませんが、先日生で聴いた東京音楽コンクールのヴァイオリンを思い出して無理に好みの順位を付けると、シベリウスでは、東京音楽コンクールの佐々木つくしさん(二位)、チャイコフスキーでは、日本音楽コンクールの平野友葵さん(二位)が自分の好みで、あれあれ、審査結果とはやはり合いませんね。
素人だから当然のことです。
2年前の東京音楽コンクールまで遡ると、高木さんのチャイコフスキーも忘れられません。
今回もチャイコフスキーを選択したらどうだったんだろう?たらればですが。
やっぱり全員が一位だったらいいな、という結果でした。
こういう不確かさが大きすぎる比較は意味無さそうです。

皆さん、今後の活躍が楽しみです。

by mcap-cr | 2020-11-15 06:04 | 音楽・コンクール | Trackback | Comments(4)
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Commented by tincan at 2020-11-15 10:15 x
ポピュラーの方ですが、モータウンの女性コーラスグループで、昔はシュープリームスと言っていたのですが、最近はスプリームスが多いです。綴りはThe Supremes、英語と米語では発音が違うとか、ややこしい。

ドイツに行かれたことがあるのですね、羨ましい。
バッハ先生、モー様、ベーやんの生まれ活躍した所、一度は訪れてみたいです。ハイリゲンシュタットをウロウロしたいです。行った事のある人に訊けば、普通の野林だとか。それでも行ってみたいですね。

日本音楽コンクール、バイオリン部門ですが、やはり北川千紗さんのパフォーマンスが一番正確でダイナミックな表現だったのではないでしょうか。
高木さんは音程が外れた音があったし、縮こまった演奏に聴こえた。この順位差は仕方ないと思います。当日は緊張するような悪い因子があったのでしょう、北川さんを意識して力が入ったか。

バイオリン部門の録音は平均的な録音でしたが悪くは感じませんでした。ピアノ部門の時はくぐもった音で悪い録音に聴こえました。ただ当地の電波状況が最悪なのかSN比が良くなくてコレクションするようなものは録れなかった。残念です。

テレビでもやるようです。
https://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/query.cgi?f=kwd&area=001&qt=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%AB
Commented by mcap-cr at 2020-11-15 13:37
> tincanさん
シュープリームス/スプリームスは、たぶんどちらでもカタカナ語で通じるので大丈夫そうですね。
問題は通じないやつです。
RかLか、カタカナ語では分からないので単語の中に2音節あったりするともう無理です。
日本人慣れした人だったら大丈夫でしょうが、一般人には、『日本人だから...』は通じません。
本当に難しいです。

ウィーンはオーストリアでした。
ドイツでも同じようなことがあるかもしれませんが、ベルベデーレみたいな外来語は、見たことがありませんでした。
ベートーヴェンは、ボンの出身でウィーンで亡くなっているので、どちらにもゆかりの場所があります。
モーツァルトはザルツブルグに生家があり記念館みたいになっています。
どこを見ても面白いと思います。
Rの発音って、イタリア語、フランス語、英語、米語で全然違います。ドイツ語はイタリア語とフランス語の中間のような感じ。
日本語はLに近いと思います。やっぱりカタカナ語は困るので、アルファベット表記にしてほしいです。

日本音楽コンクールは、生で聴かなきゃ駄目みたいでした。
録音では、変なふうに聴こえてしまうところが多いので(しかも変な部分はシベリウスに集中)録音環境の問題を疑い始めました。
実際に生で聴いた人の演奏を録音で聴いて違和感を持つと別な要因を疑ってしまいます。
聞きに行かないからこういうことになるわけですね。
Commented by tincan at 2020-11-15 15:22 x
>ウィーンはオーストリアでした。

そうですね、現在はオーストリアですね。
歴史関係の本ばかり読んでいたらウィーンはドイツの首都とばっかり思い違いをしていました。
相当に歴史ボケ、リタイアボケです。
Commented by mcap-cr at 2020-11-15 16:29
> tincanさん
ヨーロッパは陸続きで紛争地帯としての歴史が長いですからね。
今のヨーロッパがずっと続くこともないでしょう。
ここ数年でEUが機能しなくなって中途半端な体制になるだろうと予測します。
逆にアメリカはマジョリティの結束が固まって強くなるだろうと思います。
関係ないですが、アメリカがドイツにある票集計ソフトのサーバを差し押さえたそうなので、ドイツとアメリカとの間は機能しているようです。
B候補にとってまずいことになる差し押さえなのによくドイツが応じたと思います。
この事態を恐れてやぶれかぶれになる国がないことを祈ります。
日本のまわりは、台湾を除いて火事場泥棒ばっかりですからね。

生演奏を主とすれば、オーディオは箱庭で充分でしょう。
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