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はこにわオーディオ工学研究分科会 (旧名: バスレフ研究所)

年末年始

一昨日になりますが、恒例の『ベートーヴェンは凄い!』交響曲全曲演奏会に行ってきました。
これはもう既に毎年行われていて、私はこれで三度目になりました。
ベートーヴェンの全7曲ある交響曲をすべて一日にして演奏するのですから、最初はとんでもないことやっていると思ったのですが、三度目にもなると聴く側の自分も慣れてきて、当然のように聴きました。
13時から始めて、今年は、三枝成彰先生のお話の一部(ほぼ全て)を省略して時間を繰り上げ、23時40分くらいに終了となりました。
省略した三枝先生のお話は、ペストとクラシック音楽との関係についてで、一部だけですが、お話しいただきました。
ヨーロッパでペストが大流行し、相当の数が死んだので、残った人の分け前となる食料リソースが増えて人々が豊かになり、その結果クラシック音楽も発展したのだそうです。
ベートーヴェンの時代からマーラーまで、たった150年ほどの間にクラシック音楽が一気に発展したという解釈でした。
私はずいぶん前から人口が減少すれば人々が豊かになると思っていましたが、世の中は人口を増やせ増やせの圧力で、その一方、一時的に増やすために第三国から人間リソースを注入し、家庭を守っていた人も労働者に加えて仕事の奪い合いを助長して給料を下げ、人が貧乏になってきています。
人口が減ってもそのまま国の中での話にすれば、仕事の奪い合いが減り、安定して豊かになったろうと思います。
昔から、疫病や戦争等で時折大規模な人口減がありその後豊かになりました。
せっかくの人口自然減を悪い方向にしか持っていかない政策って何でしょうか?
もちろん軍拡して脅迫したり、大量の人民をや不法入国者を送り込んで内側から乗っ取ろうとしたり、不法移民を引き取らなかったり、嘘のプロパガンダでたかり続けたり、戦争のドサクサで領土を乗っ取った隣国に囲まれているので、人口が減るだけでは余計に危ないですが。

それはさておいて、小林研一郎先生のベートーヴェンはいつ聴いても見事で、ますます磨きがかかっています。
オーケストラも、このために組んだ人たちで、ベテランに、腕のいい若手を組合せてパフォーマンスを上げています。
あの方は、今年は第1ヴァイオリンになったとか、曲目によって場所が変わって役割期待が変わるとか、見ていていろいろな発見があります。
曲は一番から順に演奏していくのですが、この順番が絶妙なのは、ベートーヴェンが仕組んだという訳ではないでしょう。
自分が好きな初期の交響曲から始まり、有名な『英雄』、最も好きな第4番まで聴くと十分に盛り上がっています。
そして、運命、田園、更にはリズムの交響曲第7番では、もうそこでフィナーレか、という盛り上がりです。
ベートーヴェン自身のお気に入り第8番は、その後少し落ちつくのにぴったりの曲で、最後は第九で締めます。
第9には合唱や歌手のソロがありますが、今年は全員マスクしたまま歌うという、異様な演奏になりました。
マスクすると吸音効果で声が変わりますが、それでも音楽が死んでしまうことはありません。
見事に盛り上げてくれました。

ふだんなら、これだけ全部演奏するのに5回の公演が必要でしょうが、全曲聴いていると、いろいろな発見がありました。
今回は、中央11列目のやや左寄りの席だったので、第1ヴァイオリンがよく見えました。
プログラムに記載される演奏者の順番は、あいうえお順のようですが、皆さんの簡単なプロフィールが紹介されていて、どの方の経歴も素晴らしく、改めて驚きました。
私の席から目立ってよく見えたのは、大関万結さんで、今年はコンサートマスターに近いところで、全曲休み無しでした。
目立っていたのは、瀬崎明日香さんで、やや外側のポジション。今回は席が前の方だったので、これが瀬崎さんの音かな、と思うくらいよく響かせていました。
それといつもそうなのか分かりませんが、今回気付いたのは、オーケストラの端側の位置の演奏者のほうが意識して大きな音を響かせているように思いました。
中央のコンサートマスターに近い位置の奏者は割と控えめに演奏する感じで、大関さんはかなり控えめに演奏しているように感じました。
素人にはよく分かりませんが、この控えめな感じで、ヴィブラートも控えめな演奏には、何か特別なミッションがあったのか、コンサートマスターとよくコンタクトをとっていました。
考えてみると、ヴィブラートは意図的に加えた揺らぎですから、ある意味ピンポイントの基本周波数で鳴らすほうが難しいかもしれません。
ヴィブラートを効かせずに演奏するのはものすごくチャレンジングな気がします。
倉富亮太さんは、今年は第1ヴァイオリンで、わりと左側に寄ったポジションが多く、よく響かせているように感じました。
第2ヴァイオリンは、後側なので残念ながらよく見えませんでしたが、ベートーヴェンは、第二のパートに主旋律を割り当てるようなところもあり、こういうのは、楽譜を見ながらとか生で見ながら聴かないとわからないところでしょう。
ヴィオラには、先日放送で聞くことができた横溝耕一さんが出ていましたが、反対側で見にくかったのと、写真だけではどの方なのか判別できませんでした。
ベートーヴェンは、ヴィオラとチェロを組み合わせてひとつの響きを構成することが多いようで、ヴィオラだけを分離して聴くのは難しく感じました。
ヴィオラは単独で聴くと他にないくらい響きが美しいのですが、オーケストラの中では目立ちません。
重要で難しい楽器なのだろうと思います。

小林研一郎さんの話に戻ると、もう御年80歳、最初は衰えてしまったように感じましたが、途中からどんどん体力が増してくるようなエネルギッシュさを感じました。
最後は流石に疲労の色を感じましたが、それでもずっと立ったまま、体を反らせたり、低く構えたり、体力が必要な指揮でしたが、スタミナも集中力も素晴らしい。
なにより、オーケストラ団員ひとりひとりの労い方、立て方が素晴らしい。
このように麗しく歳を重ねたいと強く感じました。

昨日、元日は、ウィーンのニューイヤーコンサートの生中継を見ていました。
今年は聴衆ゼロ。
オンライン聴衆が何千名かいたそうですが、ホールはガラガラ。
それでも、演奏者ひとりひとりや指揮者のムーティは、世界中に聴いてもらっているという思いが強かったろうと思います。
いつもの年は、客席に要人の姿を探すなど邪念が入ってしまいますが今回はそういう邪念は不要でした。
ウィーンは都市封鎖で大変な状況ですが、団員は毎日検査で安全を確認しての公演だそうです。
CCPコロナに負けずに頑張ってほしいと思います。

今年はいい年になりますように。

by mcap-cr | 2021-01-02 08:24 | 音楽・コンクール | Trackback | Comments(2)
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Commented by tincan at 2021-01-02 10:55 x
ベートーベンの長い交響曲を9曲全曲演奏なんて大変なエネルギーです。しかもこれが三度目なんて、、、。
東京の方は何と元気なんだと驚嘆します。やはり若い都市のエネルギーか。

ヨーロッパのペスト流行は文化文明の大きな転換点だったそうですが、その結果クラシック音楽も発展した、は新説で初めて聴きました。
よく言われるのは農耕地は残されたが人的資源、労働力が足りずに、農地改革が劇的に行われた、との説です。

人口が減っても機械やロボットが代わりに生産してくれれば良いですが、今度は人間は何をしたら良いのか、仕事しか知らないオジサンには苦行的人生が待っているのか?
ギリシャの広場文化的に、哲学討論が盛んになる世の中になりそうです。オジサンは全員ソクラテスに!

ヴィブラートはクラシックで、いつ頃から演奏されだしたのか?私の浅学ではバロック音楽では少ないような気もしますが・・・。
わざと音程をゆらすと気持ちいいなんて、マッサージ、按摩から来ているのか(笑)
Commented by mcap-cr at 2021-01-02 13:48
> tincanさん
ペストで人が大量に亡くなった結果、農地改革が行われたというのは事実だと思います。
人が減って農地も縮小して良いのに縮小しなかった結果だと思います。
その結果、食料が豊かになったのでしょう。そして、クラシック音楽も栄えたというのが三枝説だろうと思います。

人口が減れば、人が必要とするリソースを減らせるので、縮小社会ができそうですが、残念ながら、人は常にもっと快適を求めようとします。
したがって必要な仕事が増えるでしょう。
小さな社会のほうが管理しやすいですが、住心地が良くなると、住心地が悪いところからの大量移住が発生してだんだんごちゃごちゃになるでしょう。
しかも、ラクしたい移民ばかりたくさん来ると国が回らなくなります。
ヨーロッパなんかまさにそれが起こっているのでブレグジットが起きた訳です。
結局そうなると、哲学で精神的に豊かになることもできなそうです。
日本的な国際支援は、貧しい国が貧困から脱出できるよう自活支援するわけですが、勤勉さを学ばない限りそれっきりです。

昔から『("働けるのに"が省略されていると解釈)働かざるもの食うべからず』といいますが、いまの移民問題はそうじゃない人が多いです。
サヨク系なんかまさしくそのもので、そんなことやったら地球全体が滅びてしまいます。
『可愛そう』じゃなくって『働け』なんです。
働けるよう社会づくりを支援するのが正しい国際貢献だと思います。

ヴィブラートは、バロックより後に盛んになったように思います。
バロック演奏家は敢えてヴィブラートをかけない人もいますね。
わざと音程を揺らすのは、四角四面だと心地悪いからじゃないでしょうか?
揺らしすぎると単に下手になってしまいますが、人が聴いて心安らかになったり、精神が高揚したりする適度なスパイスがヴィブラートなのではないかと思います。
何でも程々のところに丁度いい塩梅があるのでしょうね。

生演奏を主とすれば、オーディオは箱庭で充分でしょう。
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