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はこにわオーディオ工学研究分科会 (旧名: バスレフ研究所)

BSCD2

一昨日、グリゴーロのコンサートに行ったときにCDを2枚購入してきました。
そのなかの1枚に"BSCD2 Blue-spec CD2"というラベルが貼ってありました。
聞いたことのない規格だったので調べてみました。


このページから推察すると、CDの規格と違うものではなく、カッティングや素材を変えてアナログ的に改善し、読取りエラーの低減を目的とした規格のようです。
そもそもこれは規格と言えるのだろうか?

検索してみると、上記のサイトとは別に、オーディオマニアの戯言のようなのも見つかりました。
このBSCD2は、CD規格の中に含まれるのですから読み取りエラーの改善以外の差はありません。
そのエラーの多寡にしたって具体的なデータはないので、気持ちの差しかありません。
更に、リッピングすればCRCチェックするので、読取りエラーはなくなります。
CDの規格そのものは、読取り誤差を前提としてエラー補正まで決めてあるので、伝統的なCDプレーヤーで直接再生するのであれば、エラーの多寡で音が変わります。
しかし、いったん読み込んでCRCチェックしてからメモリーに取り込むようなプレーヤーであれば差は出ません。
エラーチェックしてリトライするのですから、違うはずはなく、こういうアナログ的な、技術者でないユーザに誤解を与える商法は止めてほしいと思います。
このBSCD2でいえるのは、
『読取りエラーが減るようにアナログ的な工夫をしたので、従来CDと比較すると読取りエラーがすくないであろうと推定される。しかるに、読取りながらエラー補正して再生する従来型のCDプレーヤーで再生するならばいくぶん原音に近くなる効果が得られるであろうと推察できる方式である。』
というところだろうと思います。

これがどの程度の効果があるのかは、同じ内容のものを従来法でCDとして作成し、従来の逐次再生型の同一のCDプレーヤーで比較再生してブラインドで違いを評価すれば、効果があることを証明できるでしょう。
私のようにリッピングしてからVolimioサーバーで再生するような、オーディオマニアからほど遠い輩にとっては、まことに『ご苦労さま』な工夫です。

それと関係ありませんが、前日購入したCDのうち1枚をリッピングするときに、インターネット情報で、トラック名などが取得されるものがありました。
フリーCDDBが一部再開したのかもしれません。
しかし、Asunderを使用してWAVフォーマットにリッピングする場合には、ファイル名にしかならずタグには書き込めません。
また、OGG形式でリッピングする場合でも、そのままでは再生時に醜いところがあるので、結局、Kid3を使ってタグ編集しました。
CDも残りがあと数百枚に減ってきたので、CDDBが無くてもまあいいか、と思うようになってきました。
それと、Volumioを使って再生する場合には、やはり、タグに記入された内容を表示するほうが見やすいので、結局Vorbis OGG形式に圧縮したものを聴くことになります。
気休めでしかありませんが、最近は圧縮の品質レベルをデフォルトの6から8に上げています。
目隠しで聞いて違いが判るとは思えませんが、気は心。
これは、
(1)音はCDよりエラー補正不要な分良いが、Volumioで表示したときに詳細が分からないフォーマット
(2)Volumioで表示したときに詳細が分かって便利だが、圧縮してあるフォーマット。しかし自分が(1)との違いが聞き分けられるかどうかわからない程度の差しかない。
さて、どちらを選ぶでしょう?
という命題です。
自分は、(2)を選ぶが、念のため(1)もとっておく、というまことに無駄な選択をしています。
これも、まことに『ご苦労さま』な努力ですね。

by mcap-cr | 2021-06-24 05:28 | オーディオ一般 | Trackback | Comments(4)
Commented by muuku at 2021-06-24 09:49
改めて考えて見るとCDを買う時って適切な環境で視聴して納得しての購入って意外と少ないことに気がつきます。
本来であれば洋服や靴の様に自分に合うかじっくり確認してからの方が理想なのでしょうが、音以外の情報で判断している訳です。
BSCD2の表記も規格と言うより無意識(なんとなく音が良さそう)の内に判断材料とするであろう言うマーケティング戦略なのでしょう。正直自分もBSCD2の表記は音はともかく「こだわって作ったCD」と言う漠然としたイメージがあります。
オーディオ的にはマニア向けにレコーディング・エンジニアがこだわった印として例えが間違っているかもですが「能率100dB以上推奨」等、再生側にスペックを要求する規格表記などはどうでしょう。バカな案ですねハイ(^_^;)
Commented by mcap-cr at 2021-06-24 15:40
> muukuさん
BSCD2は、たしかに『なんとなく音が良さそう』というイメージしかないと思います。
本当の音の良し悪しは、記録ではなく、収録の過程にあるのですが、そちらのほうで『なんとなく音がいい』というイメージは作りにくいかもしれませんね。
再生側にスペックを要求するというので、かつて、アンプやスピーカーシステムに『CD対応』とうたわれたのを思い出しました。
英語などでは、"Best played with 100dB/W loudspeaker"のように表記するものもあったように思います。日本語で『推奨』と書くとトラブルになりやすいかもしれません。
Commented by Grigri at 2021-06-25 14:40
 音の善し悪し等、定量的に測れないし、優れた演奏か否かも判りません。最近は、サブスクで聴いており、未来永劫 CDを購入することは無いです。
 レコード会社、演奏家にとって厳しい時代になりますが、聴く方としては、廉価に、リッピング等不要で、素晴らしい音楽に出会えるチャンスが増えました。
 最終的に演奏家は、サブスク、YouYube等を活用してプロモーションし、生演奏に繋ぐ方法で、相乗効果を狙います。結果、サブスクと生演奏会だけが残ると思います。
Commented by mcap-cr at 2021-06-25 16:02
> Grigriさん
私はまだサブスクをしたことがありません。
今後するかどうか微妙なところではありますが、購入したCDだけでもかなりの量があるので、現実的に聞き切れていないし、最近はFMも録音して聴いているので、これからはサブスクで聞くのは、個人的には限られた範囲になってくるだろうと思います。
音楽は、クラシックの場合、Youtubeで再生回数を稼ぐのは難しいと思いますし、かといってCDを売るのも簡単ではないので、自主販売の録音が増えてくるかもしれません。
ダウンロード販売になればそれもいいし、ストリーミングもありますが、ストリーミングの場合、版元が潰れてしまうと聞けなくなってしまうのは怖くもあります。
個人的には、生演奏とダウンロード販売があれば、もうCDを買い足さなくていいかもと思っていますが、なぜか、CDのほうが安価だったりするのもよくわかりません。
名盤を所有する喜びというのも時代とともに消えていくのかもしれません。

生演奏を主とすれば、オーディオは箱庭で充分でしょう。
by MCAP-CR

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