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はこにわオーディオ工学研究分科会 (旧名: バスレフ研究所)

MMX-2試聴

MMX-2の試聴を続けています。
スリットバスレフは少し間隔を拡げ、共振周波数を上げて様子見です。
スリットから音圧が逃げてMMX効果が損なわれるかと思えばそうではなく、MMX効果は変わりません。
箱の内寸は200mm x 200mm x 382mmなので、15リットル程度ですが、これで問題は感じませんでした。
また、容積が小さいほうがMMX効果が大きいかと思えばそうでもなさそうです。
ただし、MMX効果は、対向配置にするほうが大きいように感じました。
以前製作した"Die Bremse"というモデルは、90度配置でしたが、180度対向配置のMMX-1やMMX-2のほうがMMX効果を大きく感じます。
配線図は下記のとおりです。
MMX-2試聴_a0246407_20104210.png
破線は箱を表します。
密閉ではなく、底側のスリットダクト分が空いています。
MMXは、振動板背面の音の漏れを利用する形式なので、こんなふうにだだ漏れではMMX効果が発揮されないかと思いきやそうではありません。
正面のツィータは、思いの外いい感じの高域を聞かせてくれます。
これは、おそらく北日本音響の製品で、フルレンジとして作られたもののフルレンジとしては使いみちがないのでゴミ同然でジャンクになったのでしょう。
型番はF03007H0とありますが、北日本音響のカタログにはこの型番はありません。
秋葉の日米無線で1本150円で売られていたものをまとめて何十本か購入したものでまだ余っていますが、ツィーターとして使うなら割と使えるユニットです。
ツィータをカバーして直接音が聞こえないようにして聴くとちょっとつまらない音になったので、ツィータは効いているのでしょう。
いまのところ、コンデンサは4.7μFですが、もう少し小さいほうがいいかもしれません。
スリットダクトを拡げた効果はどうか?
やはり低音は出ません。
スリットバスレフの作り方が悪かったか...
やっぱり多自由度バスレフの低音のほうが好きです。
それでもMMXとしての拡がりは十分すぎる感じです。
スピーカーの外側に拡がる音場は、スピーカーの存在を忘れさせます。
目隠しして聞いたらこういう形の物とは思わないでしょう。
MMX-2試聴_a0246407_09202778.jpg
MMX-1の音に慣れていましたが、MMX-2もしばらく聞いてみたいと思います。
これをMCAP-CRとして仕上げればこの方式は完成かな。

by mcap-cr | 2023-11-07 18:57 | オーディオ一般 | Trackback | Comments(6)
Commented by tincan at 2023-11-08 09:18 x
詳細な情報で全貌が良くわかりました。バスレフポートも容積もあまりmmx効果には関係ないとか。そういうものなのですね。ツイーターのモノラル感がmmx効果を阻害するかと思ったのですが、そうでもなさそうで良かった。ツイータの左右を開けなければならないとすると、単箱の意味がなくなりますもんね。
純粋な2ウエイネットワークにするとmmx効果は弱くなるだろうから、コンデンサのみの簡易型がべストでしょう。あっさりとこれで完成ですね。
Commented by mcap-cr at 2023-11-08 19:16
> tincanさん
いろいろ考えてみたのですが、密閉にするというと、箱の働きは熱力学的に断熱圧縮モデルですが、バスレフでも共振周波数以上はやはり断熱圧縮モデルです。
差信号が問題になるのは比較的高い周波数なので、箱に閉じ込められた断熱圧縮効果よりも空間を伝播する圧縮波(音波)の影響のほうがずっと強いのではないかと思います。
箱が立米単位に大きいのでない限り、音波による伝播が主体ならMMX効果は箱の容積や隙間には影響されないのではないかと考えています。
Commented by マイクロ・トレーダー at 2023-11-09 11:35 x
 長岡鉄男氏設計のスピーカーに「F-16C」というものがあります。元々、普通の方式のスピーカー(つまり、R+Lのステレオ)として計画されたものですが…、途中で「これは1本でもステレオになるのではないか」という気づきがあり、試してみたところ見事な音場ができたというものです。長岡氏の文章を引用すると…「実験は大成功で、実にナチュラルで聴きやすい美しいサウンドと、深々とした高密度の音場がホログラフのように浮かび上がった」という…。

 フルレンジではなくウーファー(+ツィーター)を使っている点、R/Lの空気室が独立している点が「MMX」と異なりますが、スピーカーユニットのレイアウト(ほぼ左右対向)は近いものがあり、電気的な差信号を用いない点も共通です。特に感じるのは、「生成される音場のイメージの記述」が両者似ているのではないか…ということです。

 「F-16C」の初出は、音元出版 オーディオ・アクセサリー誌1986年40号。音楽之友社 オーディオ選書 長岡鉄男 最新スピーカークラフト② フロア型と音場型 にも掲載されています。
Commented by mcap-cr at 2023-11-09 19:09
> マイクロ・トレーダーさん
F-16Cの記事を久しぶりに読んでみました。大きすぎることもあり当時はあまり気にしていませんでした。
F-16Cは、ネットワークも入った本格的なシステムで、構成を極限まで削ったMMXとは内容が違う感じです。でも偶然似たところがあるとすれば、何らかの法則があるのだと思います。
長岡先生にMMXを聴いてほしかったなと思います。
MMXは簡単に実験できるので、是非とも一度お試しください。
Commented by tincan at 2023-11-09 22:04 x
>会長さん
> マイクロ・トレーダーさん

横から参入で失礼します。F-16Cは良く知らないのですが、単一箱に左右のユニットが入っていたとしても、音響的に左右が絶縁されていたとしたら、-R-Lの信号がSPコーンを通して外部に流れるというMMXの理論と違う理由で、音場感が発揮されている、と解釈できますね。如何でしょう?
Commented by mcap-cr at 2023-11-10 06:30
> tincanさん
F-16Cは、屏風型の折りたたみで、面積の狭い縁面にツィータ群を配置し、広い面の外側2面に20cmウーファーをひとつずつ配置します。
完全に畳んだ状態ではなく、少し開いた状態で使うので、ウーファー完全対向とは違って斜め前方外向きなので、反射音が効果的に出ているのではないかと考えています。
大掛かりでコストも大きいので、自分で作って試してみるのは躊躇します。
長岡先生はこのような実験を経てバックロードや共鳴管にたどり着いたのだろうと思います。

生演奏を主とすれば、オーディオは箱庭で充分でしょう。
by MCAP-CR

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