ステレオ再生
このところ音場型スピーカーシステムを実験してきてふと思いました。
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tincan
at 2025-03-28 14:50
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tincan
at 2025-03-29 17:05
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tincan
at 2025-03-30 11:29
初期の電気録音にはスタジオで録った直接音をリアルタイムで響きの良い部屋(エコーチェンバー)でスピーカー再生し、それをマイクで拾って直接音とミキシングする方法があったそうですね。その後鉄板エコーマシンやテープマシン、そしてデジタルエコーと発展する訳ですが、未だ有名スタジオには鉄板エコーが設置されているそうだから、根強いファンがいるということでしょう。
https://dekedickerson.com/musings/emt-plate-reverbs/
ステレオ再生とは何だろうか?
ステレオ録音が残っているのは自分の記憶では1950年代以降です。
自分がオーディオに興味を持ったのは1970年代で、その頃は、ステレオ再生というのは、左右2チャンネル(以上)があればいいと思っていました。
その当時のボーカルのレコードを聞くときに、自分が左によっていれば左側からしかボーカルが聞こえず、右に寄れば右からしかボーカルが聞こえないが、他の音は反対側からも聞こえたりする不思議な感じでした。
中学生当時は、音響信号の位相などという概念は自分の頭にはなかったので、左右を音量で振り分けていると思っていました。
当時からワンポイント録音というのもあって、左右2本のマイクで録音というのも知っていたので、左右で結構音量が違うんだと漠然と考えていました。
その後マルチマイクの録音というのもあり、16チャンネル等で収録して、音量を調整、エコーを掛け、ディレイを掛け等して2チャンネルに振り分ける録音があることを知り、すごいことをしているのだと感心していました。
その程度の知識でずっとやっていたので、あまり音響について考えることがなく、単純にいい音に感じるかどうかを重視していました。
ただ、レコードによって結構音が違うとは感じていました。
オーディオマニアの人って、自分で聞いている自分の装置について、何を考えて評価しているのだろうか?
自分の場合は、良い音の追求はとっくにやめていて、悪くなければいい、なるべく雰囲気が再生されれば良い、という程度の甘い評価に変わりました。
そして、メカニカルマトリックスMMXスピーカーシステムの音を聞いていると、個々の録音のあまりの違いを感じるようになりました。
メカニカルマトリックススピーカーは、基本的にはシステムは1台で、左右が中央に寄っています。
再生音は、録音により左右(上下、前後も)に拡がったり、モノラルと大差なかったりいろいろです。
結局は録音によるというのが結論なのですが、それにしても、こんなに違っていいのだろうか?
こんなにいろいろな録音があるならそれぞれに再生機を最適化しなければならないのではないか、と思うようになりました。
逆に言えば、そうしないなら、あれこれ注文をつけること自体がおかしい。
自分は一体何を聞いているんだ?
メカニカルマトリックスについて評価するなら、ある種の録音の再生には全く実用的ではないが、ある種の録音の再生には効果的である、と、万能ではなく、ある種の録音の再生に特化したシステムであると云えます。
これからは、メカニカルマトリックスでいこう、と考えていたのが、そうすると、モノラルのような音で聞くことを我慢しなければならないものが出てくる訳です。
ステレオ再生というなら、モノラルのような音は論外だし、録音者の意図を全く理解できていないシステムと云えます。
音場型というのは結局何を求めているのか。
ある種の録音の再生については妥協し、ある種の録音の再生には最適化する、そんなシステムでいいのか?
さっぱり分からなくなりました。
by mcap-cr
| 2025-03-27 12:35
| オーディオ一般
|
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Comments(6)

私も70年前後に本格的にオーディオ(ステレオ)に興味を持ち出したのですが、その当時はマルチマイクでのニアマイク録音に世間の注目が集まっていました。リアルな音を聴きたいということでしょう。しかしリアルには音場的にリアルであることも成立します。間接音情報が無ければ音場感は伝えられません。間接音が多くなると相対的に直接音は少なくなります。直接音が少なくなるとリアな生々しさは薄れてしまう。両者は相いれないリアルさだと思われます。
0
> tincanさん
近接のマルチマイクの録音では、間接音がすくないので、エコーをかけたりするそうですね。
直接音と間接音とは実空間では切り離せないのですが、レコード録音では切り離されてしまっているので、直接音中心では音場の実在感がないのですね。
私は、マルチ録音では実在感がなく、音楽も伝わってきにくいと感じています。
それでもマルチ録音しか残っていないソースがあるので、どうしてもそれらを聴きたい場合には、それに合うシステムが必要なのだと思います。
近接のマルチマイクの録音では、間接音がすくないので、エコーをかけたりするそうですね。
直接音と間接音とは実空間では切り離せないのですが、レコード録音では切り離されてしまっているので、直接音中心では音場の実在感がないのですね。
私は、マルチ録音では実在感がなく、音楽も伝わってきにくいと感じています。
それでもマルチ録音しか残っていないソースがあるので、どうしてもそれらを聴きたい場合には、それに合うシステムが必要なのだと思います。

スタジオで掛けるエコーは音色としての効果ですね。綺麗なエコーですが、それが提示する音には空間を示すような情報は少ないです。楽器自身にも共鳴弦などを負荷して音色を豊かに響かせているものがあります。いずれも音場感を増すようなものではありません。
奏者自身は近接して楽器を奏でている関係上、ニアの音が好きだと思います。
奏者自身は近接して楽器を奏でている関係上、ニアの音が好きだと思います。
> tincanさん
あくまでも聴く側としての意見ですが、響きというか間接音、残響音のすくない環境はあまり楽しめません。ここ何年かは放送では聴いていませんが、ずっと以前は、ハンガリーのエルケル劇場というところで収録した録音は、残響音がすくなくいい感じに聞こえなかった記憶があります。
レコード録音では、あのカラヤンは、録音には、あくまでも指揮台で聞こえる音を目指していたとか読んだ記憶があります。指揮者のことがわからない自分にはあの録音は刺さりません。
エコーは疑似残響効果もありそうですが、電気エコーと残響とでは全然違うので、結局、マルチ録音のうちの失敗作は、原画に足した余分な情報が、原画の意図を見えなくしてしまった絵画の修復のようなものだと思います。
あくまでも聴く側としての意見ですが、響きというか間接音、残響音のすくない環境はあまり楽しめません。ここ何年かは放送では聴いていませんが、ずっと以前は、ハンガリーのエルケル劇場というところで収録した録音は、残響音がすくなくいい感じに聞こえなかった記憶があります。
レコード録音では、あのカラヤンは、録音には、あくまでも指揮台で聞こえる音を目指していたとか読んだ記憶があります。指揮者のことがわからない自分にはあの録音は刺さりません。
エコーは疑似残響効果もありそうですが、電気エコーと残響とでは全然違うので、結局、マルチ録音のうちの失敗作は、原画に足した余分な情報が、原画の意図を見えなくしてしまった絵画の修復のようなものだと思います。

初期の電気録音にはスタジオで録った直接音をリアルタイムで響きの良い部屋(エコーチェンバー)でスピーカー再生し、それをマイクで拾って直接音とミキシングする方法があったそうですね。その後鉄板エコーマシンやテープマシン、そしてデジタルエコーと発展する訳ですが、未だ有名スタジオには鉄板エコーが設置されているそうだから、根強いファンがいるということでしょう。
https://dekedickerson.com/musings/emt-plate-reverbs/
> tincanさん
オーディオ装置で再生してそれを録音というには、どこぞの国の映画のコピーみたいですね。温故知新なのか進歩してないのか。
オーディオ装置で再生してそれを録音というには、どこぞの国の映画のコピーみたいですね。温故知新なのか進歩してないのか。
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