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バスレフ研究所 Personal Audio Laboratory mcap.exblog.jp

音楽は生演奏が最高ですが、レコード音楽は、工学オーディオによってリーゾナブルなコストで楽しみましょう。


by MCAP-CR
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カテゴリ:スピーカー設計( 61 )

UP4D-T Ver.2 (3)

東京オリンピックの延期が決定したようです。
決まったのは今年やらないというだけです。
『一年程度延期』という曖昧な用語からは、今年やらないという決定しか見えてきません。
来年実施するのかしないのか、更に一年延ばすのか、この説明だけでは何とも云えません。
この騒ぎで分かったのは、IOCやWHOがいかに腐敗した組織化ということ。
何も決定できずに他に責任を押し付けようとする。
決定が間違っていてもしょうがないんですよね。
だって誰も知らないことだから。
それを、憲章を無視して他に責任を押し付けようとは、こういう人たちに利権があるってどうなのでしょう。
コロナウィルス問題が、こういう腐敗した組織を整理することにつながれば、不幸中の幸いともいえるかもしれません。

本題は、オーディオの話です。
カテゴリを整理していたら、『工作』とか『スピーカー工作』とかいろいろ出てきて、こういうのを整理していって、こういう話題を『スピーカー設計』にしたりしていますが、単に『オーディオ』だけでいいのかもしれません。
エキサイトブログは、カテゴリをひとつしか設定できないので、どれにしていいか迷う話題は、あっちこっちに点在して入ることになります。
更にカテゴリを減らさないとダメそうです。

Ver.2として製作して試聴しているUP4D-Tの2号機は結局、両チャンネルともアシュラ型配置にしました。
1号機は高域のやかましいフルレンジユニットの中域以下をキャパシタで切ってツィータとして使っていたので、背面からの音をカットする箱が必要です。
2号機は、ユニットの振動板背面が金属フレームで覆われていて後方には音がもれないようになっているので、レイアウトが自由になりました。
このためにアシュラ型配置が可能になりました。
分かりにくいので図を付けました。
UP4D-T Ver.2 (3)_a0246407_08010104.png
どちらも各ユニットの高さが違って段違いになっています。
この段違いの程度や高さの順番も音を決めるパラメータになっているのですが、それは別問題として扱うほうが良いでしょう。
左側が従来のUP4D型配置で、これは角パイプに穴を開けてユニットを取り付けるだけで済むので簡単です。
また、振動板の背面の音が出ていても角パイプでカバーしてしまうので各振動板の背面の音は無視できました。
これに対してASURA型では、角パイプに手軽に取り付けることができないし、フルレンジユニットを使う場合には、背面をカバーしなければならないので大変でした。
しかし背面を閉じたツィータ型ユニットを使うことにより、各ユニットを裸で骨組みに固定すればよくなり、ASURA型配置が可能になりました。
上記寸法の、aは従来UP4D型は、小さい方がよくゼロが理想です。
ASURA型のbは0にすると両者同じになりますが、このbの寸法の大小はどのあたりが理想なのかよく分かりません。

上の図は平面図ですが、これだけではわかりにくいので、正面図を付けます。
UP4D-T Ver.2 (3)_a0246407_09391558.png
左から、基本型(S)、中間型(C)、ASURA型(A)を並べました。
基本型が従来からのUP4Dの踏襲です。
この形は物理的制約によってできたものですが、本当は中間型(C)が理想型だと考えていました。
ASURA型(A)は、常人には思い付かない配置で、松さんならではの発見です。

いままでの実験で分かったことは、一番上の寸法bをゼロに近付けなくても良さそうだということです。
これを付けると音楽が活き活きしてきます。
しかし、いままで理想形だと考えてきた中間型(C)も試してみたい。
Cは常人が思い付く究極型と云ってよいものだと思います。
基本型から異次元にはみ出したA型と究極とも云えるC型ではどう違うのでしょうか?
細かいことを云えばリニアフェーズと同じで、ヴォイスコイルか振動板か、どの位置を合わせるか考えなければいけませんが、ヴォイスコイルの位置もよくわからないので、見た目で線上に並んでいればいいことにしましょう。
これは試さざるを得ません........!
なにしろ1個100円のツィータですから。
200個買うか....12,000円。
金額は嬉しいですが20キロを超えるので運ぶのが大変そうです。
すでに20個買ってしまっているし...

ところで中域以下をカットするコンデンサも最初は1μFを使っていましたが、多少強く効かせるほうが面白いので、しばらく2.2μFとしていました。
聴く曲によって、最適のコンデンサ容量は違うようですが、ソースによっては、0.33μFでも好ましい効果が出るものがあります。
いったいどれが正しいのかさっぱり分かりませんが、メインとなるスピーカーの音域に被せても不自然にはならないので、最適値はないと考えるほうが良さそうです。
ユニットの高域インピーダンスが分からないので、コンデンサによるカット周波数が分からないのが難点ですが。


by mcap-cr | 2020-03-25 07:14 | スピーカー設計 | Trackback | Comments(0)

UP4D-T ver.2 (2)

昨日は彼岸の墓参に行きました。
ついでに寺の年会費を収めて連絡先も母親から私の自宅に変更してきました。
こういうものもおろそかにはできません。
それにしても昨日は暖かく、墓参帰りに銀座に立ち寄ったら人が大勢出ていました。
先週はガラッとしていたのですが、今週はいつもと同じような賑わいでした。
きっと自主戒厳令を解いた人が大勢だったのでしょう。

新しく購入した、箱不要でマウントできるユニットを見ていて、試してみたいことを考えていました。
それは、松さんが考案したアシュラ型配置です。
箱の必要な形式ではアシュラ型配置は大掛かりな工作になります。
しかし、箱がなく木枠だけだったら、ユニットの取付向きを変えるだけでアシュラ型配置になります。
アシュラ型というのは、正面向きが後ろ、背面向きが手前、右向きが左、というように振動板の位置関係を通常と逆に配置する方式です。
箱に付けるとすれば、箱の寸法が負の数になるようなイメージです。
私が試していたUP4D型配置は、難しいことを避けるために、全部外向きに配置しています。
これを内向きに配置すればアシュラ型に近づきます。
近付くというのは、アシュラ型には私の認識できていないポイントが他にもたくさんあるだろうと思うからです。

ということで、1本はアシュラ型に作ってみました。
両方やればいいのですが、比べる度に組み直すのが大変なので1本ずつ作ったという手抜きです。
後で、好ましい方に統一します。

まず、アシュラ型。
UP4D-T ver.2 (2)_a0246407_17043352.jpg
ものすごくメカニカルで、不思議な造形にグッときます。
ぱっと見ると振動板が見えないので、妙な感じで何をしたいのかよくわかりません。
説明抜きだと理解不能でしょう。

次に、従来のUP4D-T型です。
UP4D-T ver.2 (2)_a0246407_17045522.jpg
スピーカーユニットが少しだけ引っ込んでいるのでこちらのほうが配線の処理などの仕上げが楽そうです。

片方ずつだけですが、近寄って聴いてみました。

このユニットは、そこそこ能率が高いです。
8cmシステムのプラスツィータなら十分でしょう。
ふつうの能率の10cmなら組合せても良さそうです。
最初はちょっと荒れた感じの音に聞こえましたが鳴らしているうちにだんだん良くなってきました。
超お買得のツィータのようです。
1本100円のツィータなんて普通には入手できません。

肝心のアシュラ型と従来UP4D型の比較は...

本当に微妙な差です。
無理に判定すると、アシュラ型のほうがちょっといい感じです。
落ち着いて心静かな感じです。
例えるならば、日本料理で大根を煮るときに角を面取りするような、そういう一仕事を加えたような差を感じます。
ユニットの背面が出っ張っているし、配線も外側にならざるを得ず、見た目が悪いので、外見に引っ張られるかと思いましたが、聴いた感じは透明感があり実にいいです。
アシュラ型は透明な感じで、従来UP4D型は実体がある感じです。
ホールの音響を目指すなら従来UP4D型配置のほうがいいかもしれません。
ただ、従来UP4D型も細い箱を使用してユニットの水平投影配置を近付けるほうがいいことは確かめられています。
このモデルは、箱としては一辺が77mmの正方形で、しかも、ユニットが外面から5mmほど引っ込むことを考慮すると、一辺が67mmの正方形に相当するので、もはやこれ以上は難しいくらい理想に近付いています。

それでも、一辺がおよそマイナス60mmとなったアシュラ型のほうが、何とない透明感を感じます。

気のせいなのかもしれませんが、差を感じてしまうのも困ったものかなと...
改善を感じるといろいろやってみたくなるのが人間の性ですので。

これをやってみていろいろとまた思い付いてしまいました。
アシュラ型だって、更に内側に引っ込めてしまうことが可能です。
これを試すには、更にユニット8本、端子2個と角材が3〜4本くらい必要です。
いやいや、ひょっとするとあと何十本も使用するかもしれません。
コストは大したことありませんが秋月の在庫はどれくらいあるのかな?


by mcap-cr | 2020-03-21 06:33 | スピーカー設計 | Trackback | Comments(4)

UP4D-T Ver.2 (1)

昨日、気になって購入したユニットのことを書きましたが、気が短くなってとうとう購入してしまいました。
仕事が暇すぎるのは悪いことなのですが、こういうときでないとすぐには動けません。
購入したのは、12mmの角材6尺を4本と小さな木ねじ類、それとF00805H0をあと6本+スピーカー端子です。
角材は全部で1000円ほどですが、ネジ類が結構高価で、皿型、なべ型、トラス型と3種類購入したら800円ほどしました。
F00805H0は、1本100円、スピーカー端子は4端子型ので1個100円。
気密を気にしないで良い端子の価格はこんなものです。

このユニットは、背面が密閉されているためにツィータとしてしか使用できませんが、そのあたりが明確に仕様として書かれていないところがいかにも秋月の買得品らしいところです。

振動板の背面がふさがっているということは、私が希望していた仕様にぴったりです。
これだったら背面の音を閉じ込める必要がありません。
すなわちジャングルジムみたいなフレームにマウントすれば使えるということです。
見かけは格好良くありませんが、何事も実験が最初。
格好はあとで考えれば良いことです。

まず、図面を引いて、フレームの形状を決めました。
部品サイズを定めて角材を切り出しました。
そして、そのフレームを組立てるのが大変です。
細い角材を張り合わせても位置がしっかり決まりません。
ハタガネで押さえつける間にずれるので、濡れタオルを横に置いてはみ出したボンドを拭きながら作業です。
ただし、乾燥時間はさほど必要ありません。
細い角材は部材自身の反りで離れようとする力が極小なので、2時間もあれば十分強力に接合できます。
UP4D-T Ver.2 (1)_a0246407_17014564.jpg
できてからユニットが入らないと面倒なので、組立中にユニットを嵌めて仕上がり寸法を確認します。

あとは全部仕上げてから音出しです。
こうやって見ると障子の枠のような感じです。
塗装は気が向いたらで良いでしょう。

by mcap-cr | 2020-03-20 06:23 | スピーカー設計 | Trackback | Comments(0)

UP4D-Tキャパシタの交換

新しくつくっている4方向ツィータのUP4D-Tシステムの接続図は下記のようになっており、キャパシタを交換して効果を変えられるようになっています。
UP4D-Tキャパシタの交換_a0246407_06100546.png
ネットワークは直列に接続するキャパシタ(コンデンサというとつい凝縮器を思い出してしまうため、米国の表記に合わせcapacitorをカタカナ表記した)で高域を落とす簡単なものです。

使っているユニットは高域のやかましいフルレンジです。
フルレンジなので、高域のインピーダンスが相当高いだろうと思います。
ですから、キャパシタの容量はどれくらいが適切なのかちょっと検討がつきませんでした。
もちろんメインとするスピーカーシステムの能率や高域特性で大きく変わるので正解がはわかりません。

最初は、赤パークのシステムにつないでみると、1μFのフィルムコンデンサを使用したときにはほとんど聞こえませんでした。
手持ちで次に小さな、100μFをつないでみるとで聞こえすぎる印象でした。

もともとは、このUP4D-Tは、8cm位のメインシステムと組わせて使用する予定だったので、まず、8cmのシステムに変えてみました。
メインのシステムは、TangbandのW3-517SBを使用したMCAP-CR最初のモデルで、一昨年前のオフ会で鳴らしたものです。

手持ちのキャパシタ容量は、100μFと1μFとの間がなかったので、今回は、47、22、10、4.7μFのものをそれぞれ2個ずつ購入しました。
耐圧はいろいろ混じっているので、物理的大きさと容量の順番は必ずしも一致しません。
防音工事をしていない家庭用では、耐圧は35Vでも大きすぎるくらいなので、なるべく価格の安い耐圧の小さなものを購入したいのですが、たまため店頭在庫にあるものを購入せざるを得ません。
バイポーラの安いものなので、全部で310円です。
接続端子がこの10倍以上したのと比べると激安に感じますが、スピーカーユニットの1本150円と比べると微妙です。

まず、最初は、前回つないであった100μFを変えずに聞いてみましたがさほどひどくありません。
次に、47μFに変えてみるとすこしすっきりしていい感じです。

さらに22μFを試しても47μFと高域の量感はそんなに変わりません。

10μFまで落とすと更にすっきりしていい感じです。
雑味が減った感じといいましょうか。

最後は4.7μFとすると、このくらいでいいようです。

使ったのは、無極性のコンデンサで、いわゆるオーディオ用ではありません。
4.7μFだと1個26円です。
これでいいみたいです。
質が良いとされるフィルムコンデンサは高価だし、容量の大きなものは入手しにくいのが実情です。
音を聞いてみると、無極性のこのタイプでも問題ないようです。
ただし、4.7μFよりも容量の小さなバイポーラコンデンサは見つからなかったので、それより小さなものは、フィルムコンデンサを使わざるを得ないようです・

メインのユニットはTangbandのW3-517SBでも、このUP4D-Tでもあるのと無いのとでは大違いで、ヴァイオリンやチェロの輝きが増します。
もう少し詰めていくといい感じになりそうです。

これを仕上げて来年のオフ会に持参しようと思います。


by mcap-cr | 2019-12-12 06:20 | スピーカー設計 | Trackback | Comments(0)
昨日はGSOMIA破棄の撤回とか大騒ぎしていました。
もう3ヶ月まえに破棄宣言していたのにそれを撤回して、無かったことにできるのでしょうか?
前回の破棄は公的なものではなかったという扱いなのでしょうか?
法的手続きっていったいどうなっているのでしょうか?
よくわかりませんが、いかにもあの国らしいです。
個人的にはそのままサヨナラを期待していたのでがっかりですが、米国は更に絞り上げて最貧国に落としてから切るのでしょう。

話は変わりますが、MCAP-CRのような多自由度バスレフにはダクトが必須です。
ダクトには外から見える露出のものと外からは見えない隠蔽のものがあります。
隠蔽ダクトは、デザイン上あまり気になりませんが露出ダクトは、その名の通り露出しているので、デザインが問題になります。
見た目が格好良く決まれば見える部分に配置しても良いですが、格好悪い場合は後面や下面など直接見えないところに付けるほうがいいでしょう。
というのは、音は視覚に左右されて変わるからです。

正面の見えるところにダクトがあると、定位が悪くなるという人がいるらしいです。
そう思うのは、視覚で評価しているからでしょう。
私の場合、ダクトはなるべく見えないほうがいいと思います。
それは、単に、仕上げが面倒だからです。
リアダクトのほうが音にいいのは漏れてしまった中高域が聞こえにくくなるということくらいでしょう。
他には良くなる要素は思いつきません。

それでも、正面にダクトを付けるとなると、格好良く仕上げなければなりません。
これはかなり面倒です。
前面に付けるとなると、差し込んで終り、という訳にはいきません。
単に手抜きをしたいだけか...

天板にダクトを付ける方法もあります。
長岡先生はこの方式をチムニーダクトと呼んでいました。
煙突のようなダクトということで、煙突ダクトでも良かった気がしますが煙が出ないのでチムニーとしたのでしょう。

チムニーダクトの問題は、上にものを置けないことと、中にものを落としやすいということでしょう。
その問題がなければ、一向にかまいません。
試作機ならそれで全然問題ないし、デザインに含めえばそのほうがいいともいえます。
チムニーダクトが音に悪い理由は思いつきません。
総合的にはいちばんいいのかもしれません。

最近は、音を詰めていこうという気が無くなったなあ。


by mcap-cr | 2019-11-23 05:54 | スピーカー設計 | Trackback | Comments(4)

MCAP-CRの設計法(0)

昨日は、退役軍人の日で、米国政府がお休みだったので、自分も仕事にはいかずに、有料老人ホームと不動産会社に行ってきました。
どちらも、自分の高校時代には歩いていた地域だったのですが、卒業以来一度も訪れた記憶がなく、道もよく分かりませんでした。
自分が通っていた高校からほど近いところでも、町並みが大きく変わった感じでもありませんが、もうすっかり分かりません。
浦島太郎ってそんな感じだったのでしょうね。
玉手箱を開けると時間軸のずれていた現実世界に戻る、というのは、相対性理論を知らなければ想像できないお話だと思いますが、作者はどうしてこういうお話を考えたのか気になります。
全然関係ありませんが。
老人ホームも先日見学した施設とはずいぶん違ってさっぱりしていました。
案内してくれたのは常駐職員だったので入所者との関係についての雰囲気もよくわかりました。
千葉の中心部から徒歩圏内なのですが、閑静で空き地も残っています。
四十数年前にこの辺を買っていたら苦労はなかったろうと思います。
資産価値も実家よりずっと高いですし。
こちらホームのほうが前回見た船橋のよりいい感じがしました。

MCAP-CRの設計シミュレーションについて書きます。
シミュレーションプログラムは、簡単に云うと、連成振動モデルの解析プログラムです。
単振動は、高校の物理で教わります。
連成振動は、私の学生時代は学部で教わりましたが、いまでは大学院で教わるのかもしれません。
学校で教わる連成振動は、方程式の行列を対角化して、独立した直交軸について分解し、単振動として解きます。
単振動として解いたあと、元に戻せば、実軸の変位に変換できます(たぶん講義ではそこは自明として省略しますが)。
MCAP-CRのモデルは、直交化を諦めたので、そのまま解いています。
数値解であれば、そのまま解くのが難しくないからです。
本当は学校で教わるように対角化して格好良く解きたかったのですが、私にはできなかったのでしょうがありません。
できなかった理由は、一般化すると質点の質量を同じにできないからです。
行列を対角化する際に、その行列が対称行列ならヤコビ法などで格好良く対角化できますが、ダクトの中の空気の質量を、全部m0と同じにしなければ、対象行列になりません。
それでは全然実用的でないので、CPUに頼って力づくで計算するのがシミュレーションプログラムです。

MCAP-CRの最大の特徴は、運動方程式を一般化できることです。
一般化できるので、解くことができる訳です。
これが、CBS-CRやAICC-CRとなると、特定の形に特化しなければ解くことができず、面倒です。
また、MCAP-CRは、その特殊例として、ダブルバスレフを含み、また、ダブルバスレフの副空気室を部屋と同等の大きさにすれば、シングルバスレフと同等のモデルとして解くことができます。
こういうツールは、それはそれで面白いのですが、いきなり解がほしい人にはまどろっこしいものだと思います。
最初に非定常解を計算できたときはすごく嬉しかったのですが、いまは、非定常解を連続的に求めて繋いで定常解を求めるようにしています。
いまは、CPUが恐ろしく速いので、こういう計算なんかあっという間にできてしまいます。

それでも、まだまだ垣根は高いです。

ということで、現在の私の設計法を書きます。
これは、実績に基いてたどり着いた設計法です。

まず、方針として、空気室の容量の大小(いわゆる箱側)で共振周波数を決めます。
かつては、ダクトに含まれる空気の質量(いわゆるダクト側)で決めていましたが、ダクトを肥大化すると、効率が落ちてしまいます。

箱が大きいと、共振周波数が下がり、質点の振幅が大きくなります。
小さいと逆の効果になります。

ダクト側は、断面積、長さがそれぞれのダクトに対して決められるのでは、設計の自由度が大きすぎて方針が定まりません。
したがって初期設定としては、全部同じ面積、同じ長さとします。
こうすることで、過度な自由度を減らして、方向性を決めやすくします。
断面積が大きければ共振周波数が上がり、長さが大きければ共振周波数が下がる、これを念頭に置いて、ダクトの条件を設定します。

シミュレーションプログラムでは、設計条件を複数設定できるので、上記を念頭に置いてダクトの長さが少しづ違うケースをつくります。

ダクトの断面積は、振動板の断面積に比例する必要はありません。
自分が決めている目安は、
口径8cm:直径30〜40mm
口径10cm:直径40mm〜50mm
口径16cm:〜50mm

ユニットそのものの低音レベルが高い場合には、振動板から十分に聞こえる領域をダクトで強調してもしょうがないので、ダクト断面積を小さくして更新周波数を下げます。

また、低音の出にくいユニットは、箱を大きくします。

こうやって、実用的な範囲の中で、ダクトを変えながら良さそうなポイントを探ります。

以前、ある方から80cmウーファーの箱は数立方メートルが理想だとか、400リットルではダクトの長さを数メートルにすることが必要だと云われたことを書きましたが、そういう非現実的な条件を設定すると、せっかくのユニットが使用不可能になってしまいます。
この例では、ダクトの断面積を小さくすればいいだけで、無理に公式通りのバスレフにする意味はありません。

これからちょくちょくシミュレーションプログラムのことを書いていこうと思います。


by mcap-cr | 2019-11-12 06:06 | スピーカー設計 | Trackback | Comments(0)
MCAP-CRの構造を考案してからもう大分経過しましたが、自由度の大きな構造は設計法をまとめるのが大変です。
それが、一昨年のオフ会で、本当の第一作を中野ゼロで聴いてみて、ヒントを得ることができました。
そして同じ設計のモデルをスピーカーユニット3機種で(後に1機種は変更)で製作してみました。
設計は単純で、ダクトの長さは全部同じ、第一副空気室と第二副空気室の容積配分により、共振点を別々にするという狙いです。
MCAP-CRの設計法も少しずつまとまってきました_a0246407_07001650.jpg
第1作を元に製作した3機種の内部構造(全部同じ)です。
副空気室が2室ある構造は、下の図のようにまとめられます。
MCAP-CRの設計法も少しずつまとまってきました_a0246407_16431838.png
ベストに近い設計法を見付けるためにいろいろと奔走していましたが、結局最初の設計に戻ってきました。
物理的理由は不明ですが、ダクトサイズを同じにするほうが、共振周波数がブロードに分散されるようで、ピークやディップが小さくなるようです。
MCAP-CRのような多自由度構造は、設計手順を定めなければ延々と試作を繰り返してベストを探し求めることになります。
いまは、シミュレーションプログラムを使っておおよそのポイントを探せるので試作の必要性は減ってきましたが、それでも、作ってみると意外な発見が多いです。
その中で最近確信を持ったのが以下の点です。
(1)ダクトの経と長さは全部同じにするとレスポンスをフラットに近づけやすい
(2)全部同じでない場合には、内部ダクト、露出ダクトはそれぞれ共通にすると良い
(3)ローエンドはシミュレータで求められるピークよりも下まで再生できるので、ローエンドを下げようとして欲張ってはいけない。
(4)ダクトは大きめ、短めが良い。
いちばん最近に製作したモデルは、サブロク1枚+角材で1組作る設計ですが、これで、必要な帯域を十分にカバーします。
MCAP-CRの設計法も少しずつまとまってきました_a0246407_17323701.jpg
MCAP-CRの設計法も少しずつまとまってきました_a0246407_14342251.png
結局、板取を優先して容積を先に決めてしまい、あとは、ダクトの設計で微調整すればいいだけのようです。
そういう意味では、上の図のDU100FというモデルがMCAP-CRの基本形であると云って良いのだと思います。

そういえば、話は関係ありませんが、
OWKさんが関係者を集めて、Audio Base(日本語では『音基地=オトキチ』)というオーディオショップを立ち上げました。
ヨドバシアキバの近く(徒歩2分くらい)で、上野側にある女性用カプセルホテル(名前は忘れました)の並びにあります。
近くに行かれたら訪ねてみてください。
おそらくOWKさんはいませんが、秋葉原界隈では有名な方がいらっしゃるそうです。
ショーウィンドウには、ヘッドホンが見えます。

それと、タイミングを見付けて、OWKさんのリスニングルームを訪問したいと思います。
興味のある方は、匿名コメント等をいただければ日程調整します。
いろいろなオーディオ機器があるので、自分の作品やアンプの比較などできると思います。


by mcap-cr | 2019-07-08 05:58 | スピーカー設計 | Trackback | Comments(2)

ダクトのはなし

いよいよG20(G19?)が始まりますね。
日本に会談してもらえなかった近くの国は暇なんだろうなあ...


旧来のモデルでは、バスレフのダクトは、ばねー質量の振動系の、質量の部分に相当します。
ところが、バスレフを多自由度等に拡張すると共振点よりも下まで再生出来てしまうという現象に出会います。
これは、モデルでは表現できていない物理原理があるということなのかもしれません。

それはそうとして、ダクトをどういう風に設計するか。
これはバスレフ全般に関する問題です。
ダクトの断面積が一定の場合、長くすると共振周波数が下がりますが、代わりに中低域のレベルが低下する。
シングルバスレフではあたりまえのことですが、多自由度バスレフでもこの点はまったく同じです。
下の図は、副空気室2室、ダクト4本型の場合の解析の結果例です。
ダクトのはなし_a0246407_07010483.png
線が何本もありますが、これは、大気露出側(外側)のダクトの長さが違う場合です。
左側の山は、共振点ですが、実際にはダクトの摩擦があるのでこれほどのピークにはならないし、ディップもこれほど激しくはならないでしょう。
それでも、音圧の大小が比較できると設計の助けになります。
この解析例では、共振点を下げた場合の音圧の低下が激しいです。縦軸が音圧dBなので、どのくらい音が違うか想像できると思います。

次に試すべきは黄色の50mmかもっと短いダクトでしょう。
これだと中低域のレベルが、箱の力を借りないで済む200Hz以上と同等になっています。
もちろんこれも、振動板を剛体とするモデルなので実際とは違いますが目安にはなるのではないでしょうか。
あと、シミュレーションしていないのは、大気露出ダクトの長さを同じにしない場合です。
初期はずっとそうしていましたが、最近は、同じにして空気室の容積で動作を変えるほうが良さそうだということでそうしていますが、実機を作って試せるのでシミュレーションもおもしろいと思います。

モデルのローエンドが実際の現象とは合わないのですが、これは、良い意味で期待を裏切っているので、結果オーライともいえます。
どうモデルを修正すれば実態と合ってくるのでしょう?
自分の能力の限界を超えそうです。
勉強すればいいだけなんですが。


by mcap-cr | 2019-06-27 06:14 | スピーカー設計 | Trackback | Comments(0)
毎度全然関係ない話ですが、先日の香港のデモで、Xiami(中国製)のスマホを使ってデモをリードしていた人は、しょっぴかれてしまったようです。
スマホのデータを常時監視されて、すぐに捕まるという現実、共産党政権が理想だと言っている人って本当に分かってるのでしょうか?
案の定日本のマスコミでは一切報道しませんね。
日本のマスコミが誰の友達なのかよく分かります。

本題に戻りまして、新しく製作して簡易的に特性を検証したDU100Fですが、ローエンドの伸びの割に、その上がちょっと寂しい感じなので、大気露出側のダクトをむしり取ってみました。
ケント紙を丸めただけのダクトなのでむしり取るのは容易です。
カッターで切れ目を縦に2か所入れて指をねじ込むとダクトが破れるので中に落ちないように注意しながら引っ張り出せば終わりです。
外側のダクトは、99mm+アルファから90mm短くなって9mm+アルファになりました。
ローエンドは相当に上がるはずですが、ほんの少し上がっただけのようです。
ただ、30Hz以下は相当にシャープに下がったようで、音は結構違います。
全体的には、ローエンドが数Hz上がり、低音としては量感が増える割に、低音の締まりが無くなります。
また、ダクトが短いと、箱の中の音の漏れが増えるようで、ちょっと騒がしい感じになります。
このほうがいいようでもあり、悪いようでもありますが、内部のダクトはまだ変更していないので、ベストからは遠いポイントで右往左往しているのでしょう。
本当は内部のダクトも換えたいのですが、作業しづらいので楽にできる方法を思いつくまでは、そのままにしていると思います。

私が気になるのはローエンドの考え方で、最初にシミュレーション計算したときは、ここまで短いダクト(ほとんど穴だけと云っていい)は想定していませんでした。
しかも、4本全部のダクトの長さを共通にするという設計方針で、シミュレーション計算のうえ良さそうな設計を選んだのですが、これがうまくいっているのかどうかよくわかりません。
ちゃんと測定すればわかるのですが、部屋の癖が大きいので、ちゃんと分かるとも思えません。
最近は、測定は億劫になっているので(煩くて耳に負担がかかるので苦痛です)、だんだん不精になってとうとうやらなくなってしまいました。
ですので。計算の他は、オシレータを使う簡易の共振点確認くらいしかやっていません。
あとは、音楽ソースを聴いて問題を感じなければ成功、くらいのいい加減な評価基準です。
ダクトを短くすると、力学モデルの質点の質量が小さくなるので、長さ比のマイナス1/2乗に比例して共振点が上がるはずです。
こうやってダクトを取り去ってみると、そういう計算が成り立つという変わり方とは思えません。
シングルバスレフなら世の中には作例が無数にあり計算値も間違いないはずですが、多自由度バスレフは、私のようなアマチュア以外の作例はほぼゼロと考えられ、データはほとんどありません。
そして、理論モデルによる計算値よりも下まで再生してしまうというのがいままで見てきたところです。

私が懇意にしている石田さんのBHBSも、バスレフとしてシステムを見た場合に、あれほど大きなダクトでそんなに下の周波数まで再生できるとも思えませんが、多自由度バスレフと同様、何故か下の周波数まで再生してしまいます。

どうやら、私がモデルに取り込んでいる原理以外に無視できない要因があるように思います。
いずれ検証することを考えて、交換式ダクトに変えようと思います。

とりあえず、大気露出側ダクトは、38mm径から40mm径に換えられるようにしました。
径を大きくすることで、共振点は上がるはずなので、長くして共振点を下げるのと組合せで検討したいと思います。

一応動作シミュレーションはしてみました。
断熱条件で、内部のダクトはそのまま、外側のダクトの長さだけを変更した場合です。
外側のダクトはそれぞれ共通の長さで、たとえば、L30-110と書いてある場合は、外側のダクトの長さはそれぞれ同じ30mmという意味です。
これで見ると、黄色(長さ50mm)がいいのかな?
ある方から頂いたシミュレータはまだ明確に理解できていないので旧来のシミュレータをそのまま使っています(XXさん、申し訳ございません)。
ダクトの設計が良く分からない_a0246407_20513937.png



by mcap-cr | 2019-06-25 05:59 | スピーカー設計 | Trackback | Comments(2)

パターン化してしまった

スピーカー工作の仕上げについては、方針がまとまりました。
面倒なことをせずに、安いラワン合板で作り、木工ボンドを正面、側面、上面にコーティングしてから水性着色ニスをちまちまと塗っていく。
こういうプロシージャが重要です。

では、箱の設計のほうは、というと、これもパターン化していることに気付きました。
MCAP-CRの箱は、形状の自由度が大きいので、いろいろなプロポーションのものができますが、工作までパターン化するとひとつの形にまとまってきます。
副空気室を増やすと大変ですが、2つでやめておけば、3階建て構造に決まります。
工作のことを考えると、板のサイズから決めていくしかありません。
どこのホームセンターでも切ってくれる程度のカットで仕上げることを考えると、なるべくパネルソーのセット回数を減らすほうがいいです。
長岡式でバックロードホーンを作ると、ホームセンターでは切ってくれないくらい面倒になるので、ここは徹底して単純化します。
3階建て構造の場合は、1チャンネルにつき、側面が4枚天井と床が全部で4枚です。
定型サイズの板から切り出して2本分同時につくるとこうなりました。
パターン化してしまった_a0246407_18055568.png
寸法はaとbを決めるだけです。
サブロクで作るなら、a=220, b=680前後で、捨てる部分が最小になります。
そして、穴加工は自分でやれば適当にできます。
ダクトは、好きなサイズの紙管をケント紙でつくればOKです。

長岡式の作り方をすると、側面を板厚の2倍大きく作らなければならないので寸法は他にも必要になるし、ホームセンターで切ってもらうのも手間をかけさせなければなりません。
そこで登場するのが、ティンバー・エッジ(コーナーピラーから名称変更)工法です(過去記事)。
寸法の足りない部分は、角材を宛てます。
そして角材を鉋や紙やすりで仕上げると、木口も見えないし、コーナーのアール仕上も簡単です。
角材は、マイタ−ソーのようなもので正確に切れるし、普通のノコギリで切ってちょっと削れば寸法はピッタリです。

家具の隙間にぴったり押し込むとか、寸法を周囲に合わせるとかいうならこのパターンでは駄目ですが、このパターンだと、水平断面は正方形で格好いいし、板厚も自由に決められるし(内容積は変わるが)、トールボーイ型で設置場所には困らないので究極の単純設計だと思います。

問題は、いつ工作に着手するか...
モノを増やしたくないので...



by mcap-cr | 2019-06-03 06:05 | スピーカー設計 | Trackback | Comments(6)