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前回の続きです。
そういえば、関朋岳さんは、室内楽がお好きなそうですが、室内楽では暮らしていくのが大変なので、ソリストとして頑張りたいそうです。
親御さんは、就職氷河期で大変だった世代なのかもしれません。
いかにも現代的です。
しかし、室内楽でも実用的に暮していけるような環境が必要だと思います。
現状は変えていく必要がありそうです。
関朋岳さんには、そちらの方向に力を与えるように頑張って頂きたいと思います。

20分の休憩を挟んで、トランペットの覇者三村梨紗さんの登場です。
三村さんは、コンクール本選では、圧勝だったと思いました。
音楽の才能と努力する才能に恵まれ、また、楽しむことのできる、メンタルにも恵まれていると思います。
今回、三村さんの演奏は、シャルル・シェーヌのトランペット協奏曲第一番です。
15分ほどの短い曲ですが、伴奏に管楽器がありません。
弦楽器、打楽器、ピアノ等、管楽器を除く構成になっています。
三村さんは、コンクールのときは、派手な服装ではありませんでしたが、今回は、赤の美しいドレスで登場です。
ご本人はとっても感じが良くって、しかも格好いいです。
演奏のは、コンクールのときよりさらに進化を遂げていました。
曲が違うし、記憶での比較なのでいい加減ではありますが、今回は、ストレスが小さく、余裕が増した感じです。
プロでもこういう曲は難しいのだろうと思います。
だって日本の有名オーケストラでも過去にはトランペットはいつも寸詰まりでしたから。
三村さんは、音楽を音楽らしく奏で、ミスもほとんど感じさせませんでした。
それでも緊張のあまり口の中が乾いてしまったそうです。
Brava!!

東京音楽コンクールは、服装についてあれこれ言わないようで、とてもいい方針だと思います。
三村さんのように能力を発揮できれば、ドレスでなくても全然問題ありません。
音楽は見るものではないということなのだと思います。
それでも、きれいなドレスでの登場は、華があるし、格好もいいです。

そういえば、前に登場した、関さんは、コンクールの本選では、豹柄のような変わったいでたちでしたが、今回は、オーケストラ団員のような服装で登場したので、ちょっと地味過ぎたように感じました。
どうでもいいのですが、見た目だけで言うと、オーケストラ団員のひとりがそのままソロを担当したような感じだったので、色だけでも変えるほうが、目立って良かったような気がします。

話は三村さんに戻ってトランペットを始めたきっかけは英才教育でもなかったようです。
中学のクラブに入って演奏をはじめ、高校で初めて学校以外の師匠に師事したそうです。
そして、芸大に入学してますます磨きをかける、と、いったところのようです。
才能と努力の両方があれば、とりかかりが遅くてもここまでいけるのだということを教えてくれました。
今後の金管楽器の業界をリードしてくれると思います。

最後は、カザフスタンのザリナ・アルティエンバエヴァさんの登場です。
すごい人気です。
イタリアの歌劇場ですでにプロとして出演しているそうです。
コンクールの応募要項を見ると、年齢くらいしか制限がなかったので、こうやって突拍子もない人が出てくるのでしょう。
ちなみに、応募の動機は、インターネットの情報で見て、ということで、日本に元から縁があったわけではなく、自分で縁を作ってやってきたようです。
こういう縁は大切にしてほしいと思います。

曲目は、
グノーのロミオとジュリエットから、『私は夢に生きたい』
ベルリーニの『カプレーティとモンテッキ』から、『私はこうして晴れの衣装を~おお幾たびか』
グノーのファウストから『宝石の歌』

今回は、2階席から聞いたためか、圧倒的な声量は感じませんでした。
上のほうを向いてうたってくれなかったというのもありそうです。
また、ステージに向かって左側に立ち中央の指揮者を見ることが多いので、私の関では、水平方向にも直角になるという悪条件もありました。
でも、私が聞いたセクションは、本選では審査員席だったと思います。
前回よりは抑えて歌ったのかもしれません。

前回よりも味が出ることを期待していましたが、それほど変わっていませんでした。
師匠がメトロポリタン歌劇場の現役歌手ということですが、師匠もこんな感じなのかもしれません。
個人的なわがままでは、素人に分かりやすい情熱を込めてほしかったです。

アルティエンバエヴァさんも本拠地の一部を日本に移して活躍してほしいと思います。

来年の東京音楽コンクールは、ピアノ、木管、声楽の3部門だそうです。
今度は二次予選に土日が入るのでうれしいです。
何といっても二次予選がハイライトだと思うのは私だけかもしれませんが。

こうやって、新しい逸材を次々と発掘するコンクールの主催者の皆さん、どうも有難うございます。


by mcap-cr | 2019-02-13 05:57 | 音楽・コンクール | Trackback | Comments(0)
昨日、結露防止用資材を買いに、朝、南千住のロイヤルホームセンターまで行きした。
南千住駅にポスターを発見。
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こうしてひとりでも多くの人に興味を持ってもらえたら主催者も優勝者も幸せでしょう。
東京音楽コンクールの優勝者コンサートの当日でしたす。
午後3時からの公演です。

収容人数の多い東京文化会館大ホールでも会場はほぼ満員。
それだけ注目されてるということなのかもしれません。

オーケストラは、角田鋼亮さんの指揮で東京フィルです。
司会の朝岡聡さんは、軽妙な解説と語りで演奏者の緊張を解き来場者を楽しませてくれます。

最初に、オーケストラの肩慣らしのためかどうか、ロッシーニの『セビリアの理髪師』序曲です。
このオーケストラ、第11回の東京音楽コンクール本選のとき、木管の決勝でやる気のなさを見せたので、いい印象はありませんが、今日はそんなことはありませんでした。
私の席は2階席中央最前列の端でちょっと離れていましたが、弦楽器が美しく聞こえました。
この調子で続けて頂けるとうれしいです。

最初は、ヴァイオリンの関朋岳さん。
バーバーのヴァイオリン協奏曲です。
バーバーは、弦楽のためのアダージョが有名だそうです。
ケネディ大統領の葬儀のときに使われて、有名になったのが、作曲者本人は、葬儀用の曲じゃないと不満だったとか朝岡さんが解説していました。

バーバーのヴァイオリン協奏曲を、何故選んだかというと、師匠の推薦だったそうです。
そして聴いてみて本人も気に入ったということです。
演奏者は最初は楽譜から始まるかと思っていましたが、耳から入れることもあるのですね。
バーバーのヴァイオリン協奏曲は、最初の2楽章は抒情的ですが最後の楽章は、かなり忙しいです。
演奏者泣かせの曲なのではないかと思います。
弓のレシプロ運動が高速なので、弓全体を使うことができません。
関さんは弓の3分の1くらいで高速に弓を動かしていましたが、これを半分くらい使えれば、さらに音量を上げられたのではないかと思います。
曲のせいもあれば、自分の聴取位置もあると思いますが、全体的にソロの音量が小さく感じられました。
こういう曲を同じコンクールで関さんの次点になった、音色の全く違う高木凛々子さんが演奏したらどういう風に聞こえたのか気になりましたがそういう考えは野暮なのでしょう。

関さんはこのコンクールは4回目だそうです。
高校1年のときに第1回目の挑戦、今回は4回目の挑戦で大学2年生で優勝、ということでした。
私は、声楽を中心に聴きに行っていたので、弦楽で関さんが苦労したととは知りませんでしたが、努力は実ものなのですね。
ちなみに、関さんは、中学生のときに、日本学生音楽コンクール中学生の部で東京大会1位だそうです。
早くから才能を発揮しても簡単に上り詰めることはできないようです。
今後も才能を伸ばしてほしいです。

長くなったので、明日に続きます。



by mcap-cr | 2019-02-12 06:22 | 音楽・コンクール | Trackback | Comments(0)
私は、今後できるだけ生演奏に接していこうと思っています。
オーディオ装置で聴く音楽も素晴らしいですが、生演奏には、オーディオ装置に代えられない良さがあるし、生でなければ分からないことが多いです。

購入するチケットも、だんだん、マイナーな演奏会になってきています。
マイナーというと聞こえが悪いですが、マイナーなのは、世の中一般が着いてきていないだけだと思います。
コンクールを聴くようになってから、世の中の一般基準に疑問を持つようになりました。
一般基準の中にも真実があるのは分かりますが、プロモーション側の都合が大きいのが実のところだと思います。
プロモーション側にはメジャーレーベルとかがあるでしょう。
しかし、メジャーレーベルのCDを出せたところで演奏者に幾ら入ってくるのかは疑問です。
有名指揮者や有名ソロになれば、売上げた数量も伸びるので、そこそこの金額になるかもしれませんが、オーケストラの団員なんかはいったいどうなのでしょうか?

現在は、インターネットでいくらでも販売できるので、本来なら、演奏者本人がCDのような記録物を売るほうが、本来の著作権保持者の収入が多いだろうと思います。
また、著作権収入とは別なはなしですが、小さなマイナーな演奏会を盛り上げることが聴衆個人個人が興味を持つうえで重要なことだと思います。

さて、今回購入したのは、下記3点です。

ブリン・ターフェルのバリトンリサイタル(3月28日、東京文化会館小ホール)
台湾フィルハーモニック(4月30日、東京文化会館大ホール)
上野deクラシック、種谷典子(ソプラノ)(5月8日、東京文化会館小ホール)

ブリン・ターフェルは、93年頃にメトロポリタン歌劇場で、フィガロの結婚で聴いたことがあります。
そのときに素晴らしい歌唱を聴かせてくれました。
今回は、東京音楽コンクールの二次予選会場と同じ東京文化会館小ホールでの公演なのでそれも別な楽しみでもあります。
台湾フィルハーモニックは、初めてです。
まったく予断はありません。
クラシック音楽は、どうしても西欧を有難がる傾向がありますが、最近はどこの国にも愛好者が分散しており、コンクールで聴くように、どこの国の演奏者や歌手もレベルが高くなっています。
台湾フィルハーモニック(パンフレットには、何故か『オーケストラ』が付いていない)は、どのような演奏を聴かせてくれるのでしょうか。
ソプラノの種谷典子さんは、昨年の東京音楽コンクール声楽部門で第2位です(第16回東京音楽コンクール声楽部門決勝)。
そのときは、ザリナ・アルティエンバエヴァに圧倒されて、地味に聞こえてしまいましたが、実際は、地味な感じではありませんでした。
リラックスして美しい声を聴かせてくれると思います。
ちなみに、このとき3位以内に入れなかった森野美咲さんが、同年の日本音楽コンクールで優勝しています。
コンクールは、その時々の体調もあるし、審査員が違えば別な結果にもなるので、演奏者・歌手がいろいろな形で評価されて良いのだと思います。

以上のような、あまり注目されていないかもしれない演奏会も、実は素晴らしい演奏会になる可能性が高いと思っています。
価値は、本人の努力や資質以外にも、プロモーターが作り出す要素が大きいです。
私は、プロモーターの要素は気にせずに楽しもうと思います。



by mcap-cr | 2019-02-07 05:51 | 音楽・コンクール | Trackback | Comments(0)
私事ですが、今月は、3回の演奏会を聴くことができます(1回は2日に聴き終わりました)。
生の演奏会は一期一会で、音だけでなく緊張感も、オーディオ再生とは全く違うので、1回の生演奏は100回のオーディオ再生でも敵わないのではないかと思います。

2019年の2月11日に、東京文化会館で、昨年の東京音楽コンクール優勝者コンサートがあります。
私は、コンクールの開催中にチケットを購入しましたがもうあまり席はないかもしれません。

優勝者コンサートに先立って、昨年のコンクールを振り返ってみました。

まず、議論がすくなそうな金管部門です。
優勝者は三村梨紗さん。
他の出場者が苦しむ中、演奏を楽しんで(苦しかったかもしれませんが、他の方々よりはゆとりに見えました)第一位。
圧倒的だったと思います。

次は、声楽部門です。
優勝者は、ザリナ・アルティエンバエヴァさん。
声量が圧倒的で、器の大きさを見せました。
これくらいになると、もうコンクールとかに出るべきではないという声もあったみたいです。
個人的にはいろいろと感じるところがありました。

最後は、弦楽部門です。
優勝者は、関朋岳さん。
聴衆の反応はさほどでもなく、一部では物議を醸していたようです。
私は、順当な結果だったのかな、と素直に思いました。

いつもは、声楽部門の優勝者を聞きたくて優勝者コンサートに行くのですが、今回は、声楽部門は
ある意味がっかりな結果でした。
優勝者のザリナさんは、圧倒的な器の大きさがあり、優勝候補は、他にいなかっただろうということは、私も同意しています。
しかし、それまでずっと聴いてきた声楽部門の出場者(二次予選以上で落ちた人も含めて)の人たちと比べると、私の琴線には触れませんでした。
上手い、上手い、上手い...
今回の優勝者コンサートでは、もっと味を出してくれるといいなと思います。

金管部門は、他の人たちより圧倒的にゆとりに聞こえた三村さんは、本選のときよりさらにリラックスして、音楽を楽しませてくれると思います。
金管をこうやって聞くのはすごく楽しみです。

弦楽部門は、いろいろと結果に不満があった人が多いようです。
私には、本選の演奏だけを聴くと、関さんが頭一つ抜けていたのかと感じました。
シベリウスのヴァイオリン協奏曲の解釈に苦労の跡を感じたし、なにより、大きい音から小さい音まで鳴らし分けが見事でした。
ヴァイオリンという楽器の神髄を聴かせてくれたと思いました。
もう一度聞いてみたいのは、二位で聴衆賞の高木凛々子さんと、三位の有冨萌々子さん(私は聴衆賞に1票)のほうですが、コンクールは順位を付けなければならない宿命なので、こういう議論があるのはしょうがないことです。
有冨萌々子さんは、2月24日のリサイタルを聴くことができるし(ヴィオラ・ピアノリサイタルの紹介但し、チケットは完売とのこと。)、高木凛々子さんは、今年は、読売日本交響楽団との共演や全国ツァーがあるそうです。
結果的には、関さんの演奏を今回聴くことができるのは運が良かったということなのかもしれません。
ちょっと不満なのは、曲目が地味だということです。
バーバーのヴァイオリン協奏曲というのは、ずっと昔にFM放送で聴いたことがあるような気がしますが、どんな曲だったのか印象はありません。
こういう曲が好きなのか、作戦なのかは分かりませんが、多くの聴衆が素人であることを念頭に、もうちょっとわかりやすい曲を選んでほしかったな。
バーバーの真髄を聴かせてくれることに期待します。

優勝者コンサートの結果によって、後からコンクールの結果が変わる訳ではないので、本選に比べれば気楽でしょうが、失敗すると先に響くので適度な緊張が加わっていいのでしょう。
インタビューがあり、本人の話も少しだけ聞けるので楽しみなコンサートです。


by mcap-cr | 2019-02-06 06:04 | 音楽・コンクール | Trackback | Comments(0)

上野 de クラシック Vol.24

昨日は、東京文化会館小ホールで、コハーン・イシュトバーンさんが率いるピアノ6重奏の演奏会を聴きに行きました。
大ホールでは、ムーティ指揮のシカゴ交響楽団演奏会を行っており、裏番組のような感じです。
チケットが2,000円(友の会会員は1,500円)ということもあって、会場は満員です。
全席自由席なのに開場が開演の30分前なので、入場するために長蛇の列ができていました。
私が並んでいた場所から入場まで、開場時間から7分くらいかかりました。
東京文化会館小ホールは、席の配置が良いので、どの席で聴いてもよく聞こえます。
私はステージに向かって右側の端のほうですが、足元の広い席を確保できました。

イシュトバーンさんについては、過去に2回聴いています。

第11回東京音楽コンクール 木管部門
第11回東京音楽コンクール優勝者コンサート

コンクール本選のときは、他の奏者を圧倒する腕前で優勝でした。
イシュトバーンさんは、ハンガリーの出身ですが、活動の本拠地は日本だそうで、奥様は日本人だと、優勝者コンサートのときに言っていました。
日本のことが好きみたいです。
日本には、日本のことが好きな人にどんどん来てほしいと思います。
2013年の当時は、イシュトバーンさんはかなり太っていたのですが、演奏会のチラシでは別人のようにスリムな写真は載っていたので、ダイエットに成功したのでしょう。
しかし、この演奏会のときは、少しリバウンドしたみたいで、放っておくと元に戻りそうです。
音楽活動と共にダイエットの成功者にもなって長く演奏活動を続けてほしいです。

今回の演目は、クラリネットのために書かれた曲でないものを、クラリネット用に編曲したものです。
編曲は、イシュトバーンさん本人で、今回の役割も指揮者のような感じです。

最初は、チェロのピーティ田代櫻さんが一人で登場しました。
微妙な表情だと思ったら、全然違うところからクラリネットが聞こえてきます。
イシュトバーンさんが客席入り口から演奏しながら登場です。
そして、ピーティ田代さんのチェロが深々と鳴り響きます。
いい音色です。
主役ではないのですが、ついついチェロに耳が行ってしまいます。
ピーティ田代さん、背がすらっと高く、格好いい女性です。
そして演奏も素晴らしいです。

次の曲では、ピアノの高橋ドレミさん、ヴァイオリンの石亀協子さん、迫田圭さん、ビオラの鈴木大樹さんも加わってハーモニーを奏でます。
いい感じです。

その後、コントラバスの木村将之さんも加わって盛り上がります。
興味深かったのは、各パートが1名の小オーケストラといった編成でした。
オーケストラの場合、各パートは複数いて、曲や指揮者によってその人数が違います。
演奏中にも、その中で譜面をめくる人がいるので、演奏者数は変わりますが、譜面をめくっている間にも音量が変わったという印象はなく、考えられた編成になっています。
楽器の側はというと、大ホールでも、弦楽器のソロで十分音楽を奏でられるのに、オーケストラでは、それが大勢集まって演奏されるので、その意味合いにはちょっと疑問がありました。

今回は、各パートが1名といった小編成なので、上記の疑問に対する解答が見つけられるかもしれないと思い聴いていました。
オーケストラの場合には弦楽がハーモニーとなって厚みのある音を聞くことができますが、人数を極限まで絞ると、各楽器がソロとして、その音色を聞かせてくれます。
これはこれでいいのだとわかりました。
オーディオで聴きながらあれこれ考えてもなかなかわからないでしょう。
これは、生で聴くから分かることだと思います。

コンサートでは、イシュトバーンさんの語りが加わって、進んでいきます。
イシュトバーンさんは、優勝者コンサートのときは、日本語はカタコトしかできませんでしたが、かなり上手になっていました。

編曲は、というと少し辛口ですが、クラリネットのプレゼンテーションがちょっと弱い感じがしました。
クラリネット自体はちょっと地味な音色で、音量も大きくないので、他5名の演奏にもちょっと負け気味です。
ソロの部分はいいのですが、協奏の部分はちょっと弱く感じました。
ピアノは、そこの部分を加減して主役を引き立たせるように演奏していました。

アンコールは、さきほども演奏したハンガリー舞曲の第5番です。
ちょっと編曲を変えてあるのか、アドリブの範囲なのか分かりませんが、アンコールらしいユーモアあふれる演奏でした。

そういえば、イシュトバーンさんは、ハンガリー出身なのでした。
こうやって、日本に軸足を置いて演奏活動する外国人が増えて、日本の音楽活動も国際化していくといいと思います。

ちょっと残念なのは、聴衆の多くが高齢者であることです。
もっと若い人に多く聞いてほしいと思います。


by mcap-cr | 2019-02-03 07:31 | 音楽・コンクール | Trackback | Comments(0)

コンサートとリサイタル

先日、ヴィオラ・ピアノリサイタルの紹介、と題する記事を書きました。
やなか音楽ホールという収容人員100名の小さなホールでの演奏会なので、残席があるかどうかは未定ですが、2月24日午後の公演なので、興味のある方は上記の記事にリンク先が載っているのでお問合せください。
(2/4注:2月24日のやなかのリサイタルは既に完売とのコメントを頂きました。2月23日の名古屋の公演はまだチケットが残っているそうです。)
前日には名古屋での公演もあります。

ここで、気になったのはコンサートとリサイタルとの違いです。
インターネットで調べてみるといろいろな説明があるのですが、基本的な違いは、コンサートが集団での公演であるのに対し、リサイタルは、基本1名での公演ということのようです。
伴奏付きの2名での公演は、リサイタルと呼ばれることが多いそうで、ジョイントリサイタルという用語もあるそうです。
有冨萌々子さんはヴィオラ、上田実季さんはピアノということですが、曲目にはソナタも入っているので、伴奏スタイルもあると思いますが、それぞれのソロもあるのかもしれません。
先日の、『有田正広&上原彩子~バロックからモダンへ~ 』は、そんな感じでした。
有冨萌々子さんさんと上田実季さんのリサイタルはジョイントリサイタルという感じになるのではないかと思います。
共演スタイルの他に独奏スタイルもあると、それぞれの個性がもっとよくわかります。

東京文化会館の予定表を見ていたら、大ホールでのリサイタルもありました。
大ホールで公演するということは、小ホールでは収容しきれないほどの聴衆が集まるのでしょうか。
小ホールをいっぱいにするのも難しいことなのだと思いますが、大ホールで公演できるなんて凄いことだと思います。

有冨さんも上田さんも、はやく、大ホールでもリサイタルができるようにファンを獲得してほしいと思います。
私は、もう最近は、ネームバリューと実際の満足度とはあまり関係のないことが分かったので、むしろ小さなリサイタルに価値を感じるようになりました。
2月24日のリサイタルは100名しか収容できないのですから、むしろ希少価値が付くくらいです。
期待が高まります。
じっくりと聴いてこようと思います。


by mcap-cr | 2019-01-30 06:15 | 音楽・コンクール | Trackback | Comments(2)
昨日、実家に行ってパソコンのメンテナンスなどをしておりました。
そうすると、自宅に置いてあるパソコンでないとできない急な仕事の電話があり、午前中にいったん帰宅、仕事を済ませ、それから新橋で小用を済ませました。
その後、チケットを購入してあった、『有田正広&上原彩子~バロックからモダンへ~』を聞きに、東京文化会館小ホールに行きました。
有田さんはフルート奏者で、数々のコンクール受賞歴があり、現在は、昭和音楽大学の教授、桐朋学園大学の特任教授です。
上原さんは、2002年のチャイコフスキー国際コンクールのピアノ部門で1位を獲得した人です。
ピアノ部門としては、初の女性の優勝、同じく日本人として初の優勝でした。
現在は、東京藝術大学音楽学部早期教育リサーチセンターの准教授です。

チャイコフスキーコンクールのようなメジャーなコンクールを制覇した演奏者は、ノーベル賞を受賞した学者のようなもので、その後の演奏家生活が保証されたといっていいと思います。
有田さんは、数々のコンクール受賞歴があっても、メジャーではなかったようです。
メジャーでないコンクールであっても、受賞者の実力派凄いものですが、それだけではその後が保証されたというところまではいきません。
そのごコツコツと積み重ねてゆき、ようやく著名な演奏家として名を上げることができます。

さて、曲目は、前半がモーツアルトの作品を3曲、ピアノには、モーツァルト時代のフォルテピアノを復刻した楽器をを使用します。

最初は共演です。
フルートは控えめ、フォルテピアノも控えめな感じの演奏です。
フォルテピアノは、チェンバロのような甲高い感じの音で、強弱は表現できますが、単調な感じです。
二曲目はピアノのソロで、上原さんの本領発揮に近いところに来た感じです。
聴いていた位置がステージに向かって左側の端だったので、上原さんが有田さんに隠れて見えなかったのがソロになって背中が良く見えました。
面白いと思ったのは、フォルテピアノの低音は左側に大きく抜けることです。
東京文化会館小ホールのステージの後ろ側(ピアノの鍵盤に向かって左側)には、大きな屏風を横にしたような反射板が付いています。
低音が、左側のステージ付属反射板から跳ね返って聞こえてくるのに対し、高音は、ピアノ付属の反射板側から反射した感じに聞こえてきます。
フォルテピアノの筐体は、現代のピアノと比べて薄かったり弱かったりするのでしょうか?
前半を聴いていて、自分は著名な演奏家の演奏に心を入れ込む力がないのかと考えてしまいました。
東京音楽コンクールで聴いていると音楽が心に染み入ってくるのに対して、その演奏は、どうも心に入ってきません。

後半は、有田さんのソロから始まりました。
バッハの無伴奏フルートのためのソナタイ短調。
前半よりずっといいです。
バッハがモーツァルトよりいいのか、伴奏に合わせなくていいからか。
後半2曲目は、ブラームスのピアノのための6つの小品。ピアノソロです。
今度はスタインウェイに変わりました。
スタインウェイの響きは、モーツァルト時代のフォルテピアノとは別物です。
どこまでも美しく響き渡ってきます。
上原さんの演奏も、前半とはうって変わって生き生きとなめらかです。
ペダルはあまり使わず余韻を響かせます。
大家の演奏という感じで、東京音楽コンクールの出場者とは、ちょっと違いを感じます。
良し悪しとか好き嫌いとかではなく、自分のスタイルで自由に弾いている感じ。
テクニックにも余裕があります。
それと同時に、モーツァルトの時代にこのピアノがあったら全然違う曲を作曲したかもしれないと思いました。
また、その後の作曲家は、ピアノという楽器の進歩によって楽想も変わったのだろうと思いました。
この会場では、ピアノは何度も聴いてきたのですが、ほとんどが伴奏だったので、ソロは二度目てです。
伴奏で素晴らしい音楽を演奏された皆さんは、ソロだとどういう感じになるのか気になりました。
予定分の最後は、ライネッケのフルート・ソナタ『ウンディーネ』でピアノとフルートです。
フランクのヴァイオリンソナタのようなのんびり、ゆったりした感じの曲でした。

アンコールは、ドヴォルザークの『我が母の教えたまいし歌』とラフマニノフの『鐘』の2曲でした。
ラフマニノフは、さすが大家の上原さんらしい魅力のあふれた演奏でした。
上原さんの力強い演奏は、ラフマニノフの魅力を最大限引き出してくれました。

全部を聴いて思ったのは、2人の合わせはちょっと不十分かも...という感想でした。
どちらも単独では素晴らしいですが、いっしょになるとぎこちない感じがしました。
コンクールの声楽とか弦楽の二次予選では、多くの人が、ピアノ伴奏と息をぴったりに合わせてきます。
そういうピアノ伴奏を聴いて、ピアノの底力を知りましたが、今日は、そういう合せ技が弱く感じました。
もう地位を築いてしまうと忙しくてリハーサルの時間が十分にとれないということも想像できますが、せっかくのジョイントリサイタルなのですから合わせにもパフォーマンスを発揮して欲しいと思いました。

とっても良かったのは、それぞれの単独演奏でしたが、同時にピアノという楽器の進化と真価を知ることができたのも収穫でした。
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by mcap-cr | 2019-01-27 09:16 | 音楽・コンクール | Trackback | Comments(0)
録画しておいたNHKのらららクラシックという番組を見ていたら、バッハ、モーツァルト、ベートーヴェンの音楽史上の重要さの順位付けのアンケートの結果をやっていました。
それぞれの作曲家を研究する学者の解説を交えながら軽妙にまとめていました。

結果は
1.ベートーヴェン
2.バッハ
3.モーツァルト
だそうで、これは、すごく意外でした。

昨年末の『ベートーヴェンは凄い』で聴いた三枝成彰さんの解説では、ベートーヴェンは音楽を変化させた最初の作曲家だったということで、偉大なことはよくわかります。
モーツァルトが3位ってどうして?
サンプルがたったの85だったので少なすぎると思いますが、対象が無作為ではなかったようなので、番組制作スタッフがこういう順位にしたかったんでしょうね。

紹介されていた理由によると、ベートーヴェンは、民衆に対して音楽を与えた最初の作曲家、バッハは、崇高・完璧、モーツァルトは天才、そんな意見がありました。
好き嫌いで聴いたらいろいろと面白そうです。

番組の中では、バッハは合唱が素晴らしいと言っていましたが、合唱はヘンデルのほうが凄くないのかな?個人の感想ですが。
上記の3作曲家が偉大であることに異存はありませんが、他にも凄い人はいたのではないかと思います。
上記のヘンデルなんかは、数百年先を突っ走っていたように感じます。
85名のうち2名は違う作曲家を回答したそうなので、その2名の回答が気になります。

以前、三大みたいなのは、プロモーションしたい格付けであると書きましたが、この番組ではそういうこともないと思います。
いまさら亡くなった作曲家をプロモーションしたって意味がないので。
でもどうしてこの3人を選んだのか気になります。

例えば、
どうしてヘンデルでなくバッハなのか?
どうしてハイドンではなくモーツァルトなのか?
音楽史という切り口で見ると、ベートーベンを外す訳にはいかないのは同意します。
でも、音楽史としてみると、ワーグナーとかプッチーニが出てきても良さそうな気がします。

どうでもいいことなのですが、ちょっと気になりました。


by mcap-cr | 2019-01-24 06:13 | 音楽・コンクール | Trackback | Comments(0)
昨年末の、ベートーヴェン全交響曲演奏会でプログラムを見て気付いたことを思い出しました。

2012年のことになりますが、ガダニーニ・コンクールを聞いて多くの有能なヴァイオリニストを発見しました(記事)。
このとき聴いた演奏者のなかで特に気になったうちのひとりが倉富亮太さんでした。
音量や音の輝きを押さえて、細かな音を克明に聴かせるタイプの演奏で、昨年の東京音楽コンクールで活躍した方々とはタイプが違いますが、演奏の表現が見事でした。
いまでもしっかり覚えているのは、優勝者でも二位でもなく倉富さんの演奏だけです。
プログラムを読むとその倉富さんは、NHK交響楽団のメンバーになったようです。
オーケストラのメンバーになるのは、ある意味コンクールの優勝よりも大変なところがあると思います。
自分のことのように嬉しいです。
あの、有冨萌々子さんもNHK交響楽団の客員として演奏者したことを喜んだというウェブ記事を読んだような気がします(物忘れが激しいな)。
そして、岩城宏之記念オーケストラのメンバーにもなっていました。
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倉富さんは左下のマークを付けた部分です。
ベートーヴェンの交響曲連続演奏会では、各曲ごとに編成表が貼りだされます。
これは、第3番の編成表です。
倉富さんの音だけを抽出して聴くことはできませんでしたが、オーケストラは、音を混ぜてハーモニーを作らなければならないので、それでいいのです。

最初に書いたガダニーニ・コンクールは、私がコンクールを聴くようになったきっかけとなったイベントでした。
こうしてじっくりと聴くことで、努力と才能の数が恐ろしく多いことを知りました。

コンクールで優勝しなかった方々も、素晴らしい才能を努力でさらに磨き上げて、ずっと素晴らしい音楽を聞かせて頂けることを期待します。



by mcap-cr | 2019-01-17 06:17 | 音楽・コンクール | Trackback | Comments(0)
先週の日曜日、体が痛いので安静にしていたときに、今でCDを聞いていました。
最初が、グリンカの歌劇『ルスランとリュドミラ』を全曲、次に、プッチーニの歌劇『ラ・ボエーム』を全曲聴きました。
ルスランとリュドミラはシモノフ指揮のもので、ベラ・ルデンコがリュドミラを演じています。
ベラ・ルデンコは、40台で舞台を引退したそうですが、このCDは、引退後の録音でした。
輸入盤なので、日本語はありませんが、英語部分を何とか読めます。
困ったのはスクリプトです。
ロシア語とかウクライナ語はキリル文字を使っていますが、CD付属のスクリプトはキリル文字では書いていません。
チェコ語とかで見る、ふつうのアルファベットに記号を付けた文字で書いてあります。
元の言語がロシア語なのかウクライナ語なのかわかりませんが(すごく似ているのでどちらかを話せるくらいでないと判別不能と思います)、キリル文字で書いてもらうほうが有難いです。
日本語で言うなら、英語をカタカナ表記するような感じで、ちょっと難しいです。
日本語でも全部をひらがなで書いたりすると、発音から意味を変換するという作業が必要になり、速読は不可能になります。
日本語なんかは、漢字がちりばめられているので、それを追って速読するのですが、ひらがなとかカタカナとかだけで書かれるとうんざりします。
ハングルなんかは、日本やチーナに反発したので、日本で云えば全部ひらがな表記しているようなものなので、同音異義語が区別できなかったり、意味の取り違えで争いになったりするそうですが、読むのに時間かかるだろうな。

スクリプトの話に戻ると、発音から意味を推定してそれに相当する英語の訳語を読む、という読み方をしなければならないので、すぐに迷子になって着いていけなくなります。
本格的に迷子になると、CDの切れ目で新しいチャプターになったところまで飛ばなければなりません。
それと問題は、声の質が聞き分けにくかったりすることでした。
どの役の人が歌っているか分かれば追いかける参考になりますが、男声とかがなかなか区別しにくいので、途中からギブアップになりました。
曲は素晴らしいので、キリル文字のスクリプトも付けてほしいと思いました。
全曲聴き終わって、Pause(休憩)に入ります。

つぎは、プッチーニです。
エーリッヒ・ラインスドルフの指揮で、1960年くらいの古い録音ですが、こちらは音がいいです。
イタリア語なので、スクリプトも普通にイタリア語で書いてあります。
歌手の役をスクリプトの左上に書いてあれば見やすいですが、英語訳のほうにしか書いてないので読むのが大変です。
『ラ・ボエーム』は、歌劇としては初めて民衆の生活を題材にした画期的な作品で、日本でも人気投票で一位を含む最上位に位置するそうです。
私は、アメリカに住んでいた時に、冬期休暇で、ニューヨークに行ってメトロポリタン・オペラで聴きました。
その後地元のピッツバーグ・オペラでも聴いたなじみの深い作品です。
序曲もなくいきなり始まるところがプッチーニらしく、軽妙なテンポでどんどん進んでいきます。
ロシア語かウクライナ語の表音表記と比べると普通のイタリア語なので読みやすいです。
それと気づいたのは、役それぞれの声の質を判別しやすいことです。
途中、日本語だと、『私の名はミミ』という部分がありますが、これは、イタリア語では、"Mi chiamano Mimi"と云っていることに気付きました。
これは、主語が、"loro" (英語では"they"に相当)します。
イタリア語では、主語をよく省略し、こういうときの主語には"si" (英語では何ていうかわかりませんが、漠然と人々を表します)を使うことが多いように思います。
しかし、siを主語にすると、"Mi chiama Mimi"となり変わってきます。
私の名はミミ、といいたければ、主語を自分にして"Mi chiamo Mimi"になります。
また、"si"ではなく"loro"を主語にしたことから、通り名も含めて名前がいくつかあって、その中の特定の人々が自分のことをMimiと呼んでいることを示唆しています。
また、本名を名乗りたくなかったことも分かります。
なんか、微妙な言い回しなんだと、妙に感心しました。
それでも、繰り返しとか、同時に歌う部分とかでは着いていけなくなるので、やっぱりスクリプトが欲しいと思いました。

他愛もない話なのですが、こういう要望を満たすには、スコアでも買わなきゃダメなんでしょうか?
今度は楽譜が読めないしなあ...


by mcap-cr | 2019-01-15 06:51 | 音楽・コンクール | Trackback | Comments(0)

工学オーディオに取組むオカルト嫌いです。


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