カテゴリ:工作( 80 )

10月のオフ会で、同じ箱のスピーカーシステムを3作鳴らしたのですが、『え?3組も?』という感じの反応が意外に多かったので逆に驚きました。
書いてしまうとそれまでなのですが、同じものを作るのは極めて簡単です。

(1)材料の準備が同じです
まず、主な材料といえば大抵の場合板ですが、同じものを複数同時に作る場合には、そういう板のとり方をすれば簡単です。
自分の場合、最近は、ふつうのホームセンターで切ってもらうので、以下の点に気をつけて板取を計画します。
  1. 一度自動ノコギリでセットした寸法は、なるべく変えずにどんどん切ってもらえるようにする。できれば重ねて切ってもらえれば手間もすくないし間違いも少いです。
  2. できれば、数量がちょうど良くなるよう無駄を省く。このあたりは長岡先生と同じです。
  3. 誤差を吸収する設計にする。
ホームセンターではパネルソーなどを使うことが多いですが、見ていて時間がかかるのは、寸法のセットです。
寸法を変えながら切っていくのは間違いのもとだし、待たせている人に申し訳ありません。
ということで必然的に一度ノコギリをセットしたらそのままザンザン切っていける板取計画にします。
こうすることで、特別なことをしなくても切断寸法誤差が極限まで小さくなります。
無駄をなくすには、複数セットを作ることです。こうすることで、板のとり方の単純化ができ、無駄がなくなります。
今回の作品の基本的な板取は、下の図のような感じです。
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ただし、あとで小さな部材が足りないことに気付き少し部材を足しましたが、125x125の板なので、ノコギリの寸法設定は1回だけで、誤差はほとんど出ませんでした。
しかも、表面の部材にはシナラワンベニアを使ったのに対し、後から足した部材は見えない部分なので、小寸法のラワンベニアで足りました。
ラワンとかMDFは、小さくカットした材料が多いので、あとからちょこっと追加するのに便利です。
この他に縁材としてひのきの角材を使用しましたが、これも同じ寸法に切っていくだけで極めて簡単でした。
(2)準備作業が一度に済みます
工作で面倒なのは、工具を揃えたり、下に敷くダンボールなどを準備したり、いろいろとありますが、同じものを一気に作る場合には、こうした共通作業は一度で済みます。
(3)端金の位置を変えなくても良いです
ハタガネの寸法調整は意外に面倒です。同じものを作る場合には、作業の順序を工夫すれば、ハタガネは緩めるだけで次に使えます。
(4)塗装の待ち時間がひとつも3つも同じです
塗装するときは、正面に塗って乾燥してから方向を変えて塗ってとなりますが、これは、ひとつも3つも同じです。
乾燥の待ち時間も同じです。

確かに3倍の時間を要する作業もありますが、トータルで3倍になることはありません。
間違えなければ1.5倍くらいの時間で3組作ることができます。

そして3倍楽しめる...と。

バッフル交換式は、かつてはやりましたが、結局最後はひとつに決まるわりに、バッフルの交換が面倒なので、最近はしなくなりました。
これも考え方なのですが、同じものを複数作れば、余ってもどなたかに差し上げられるので、これはこれで悪くないと思います。

比較には同じものの複数製作が一番良いですが、運ぶのは大変でした。
これがいちばんの問題かな?


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by mcap-cr | 2018-10-18 07:16 | 工作 | Trackback | Comments(0)

UP4D-PR ver.2の追試聴

皆さん、2018年のオフ会は、9月24日と10月7日ですよ〜。
ご都合がつきましたらぜひいらしてくださいね。
情報は下記にあります。

イベント情報

10月7日に発表する三部作がとりあえず一息ついたので、UP4D-PR ver.2を狭い自室に持ってきました。
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高さ1.8mプラスアルファですが、我が家は天井が低いので上は560mmしか開いていません。
しかも後ろにはエアコンの屋外機があったりして、これ以上高くするのは無理な感じです。
狭い部屋なので音場再生には極めて条件が悪いです。

1.8mの共鳴管ですから、うまくいけば47Hzくらいまで再生されるはずなのですが、低音は、小型のMCAP-CR三部作と比べても軽いです。
折り曲げのない共鳴管で、断面積も100平方センチメートルくらいあるので、もっと低音感を期待しましたが、共鳴管の低音再生効率はMCAP-CRよりも低いみたいです。
目的は低音再生ではないので、これは、まあいいでしょう。

目的は音と音場感です。
2014年のオフ会で発表した1号機は、下の写真の細長く立っているものです。
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この1号機の音と音場感は素晴らしかったです。
低音は無理ですが、音と音場感だけだったら、ハイエンドでも無理なんじゃないかと思います。しかも使ったスピーカーユニットは、ジャンクの1本200円でした。
これは、実家の居間に置いてあります。

前置きが長いですが、2号機はどうでしょう。
ジャンクの200円と比べると価格は10倍を超えています。
しかも、ハイP/C比と評判の高いユニットです。
自宅の居間で聴いたときは、花火なんかがいい感じでした。

落ち着いて室内楽を聴いてみました。
狭い部屋で音場感の再生には不利だという条件付きです。

音場感は、1号機に比べていいという訳ではありません。
ユニットのサイズが8cm相当であり、1号機の7cm相当より大きいというのも影響しているのでしょうか?
管の断面サイズを20%(面積は44%)増しにしたせいでしょうか?
このユニットだとこれより細くは作れません。
普通のシステムと比べると独特の音場感は素晴らしいですが、1号機の圧倒的な音場感には及ばない感じがします。
で、10倍以上のコストになっている音は?
確かにいい音です。
価格が1/10未満のジャンクと比較してはいけませんが、オーディオ的にはいい音だろうと思います。
ただ、価格の差は感じません。
目隠ししてどちらがいいか聞いたら1号機のほうがいいという人はすくなくないだろうと思います。
こういうのは、音楽コンクールで聴く弦楽器の違いのようなもので、演奏が違うと音が違うし、じゃあどちらがいいかと聞かれても答えに詰まるようなものだろうと思います。
たぶん、あの200円ユニットはウルトラハイP/Cなんだろうと思います。
MCAP-CRのようなスピーカーユニットの背圧を期待する方式でOM-MF5に勝てるかどうかは別ですが、わずかに小さいこともあって、音場感は、ジャンクユニットのほうが勝ると思います。
UP4D-PRは、このユニットのパフォーマンスを発揮できる方式ではなかったということでしょう。

いずれは、MCAP-CR方式のUP4D-CRに改造しようと思います。
実は、一昨年製作したUP5D-CRの副空気室の使いまわしが利くので改造はそんなに大変な訳ではありません。
それは来年のネタかな?

この記事だけ読むとあんまり褒めてないですが、初めて聴くとビックリして声が出ないくらいの音場感だと思います。
しかし、シリーズ映画が第2弾、3弾とだんだんつまらなくなっていくのと同じで、改善は簡単ではないのでしょう。
第一弾は、想像もしていなかった効果に驚きますが、その効果を知ったうえで聴くと、期待が大きくなる分期待に沿いにくいということだと思います。
考えてみていいと思ったことを全部やっていけばそれでいいという簡単な話ではなさそうです。

この細長い形というのは、プロが作ればスピーカーという存在感を消してドキッとさせることが可能です。
現状では、家の中に立派な塔婆が立っているといった感じなので、ちょっと違和感が有ります。

まだオフ会までは時間があるので、左右の入れ替え、方向変更などできることをいろいろやってみようと思います。
オフ会会場だったらずっと広いので、あっと驚く音場感になると思います。


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by mcap-cr | 2018-09-15 06:38 | 工作 | Trackback | Comments(2)

箱の函

スピーカー工作の趣味の時間のうち大半は、目的と直接関係ない目的に費やされます。
調査、計画、設計、なんとなく考えている時間...
工作の計画が決まれば、工具の選定・入手、仕上げ材の選定・入手、材料の選定・板取計画・入手、おっとその前に、材料の移動計画(レンタカーを借りるとか...となると別なことも同時に計画しないともったいないし...)等など...
工作を始めようとすると、工作場所確保、換気計画、冷暖房計画、粉塵処理対策、騒音対策(プロは別ですよ)、特定作業の安全対策、PPE(保護具)手配、作業養生、清掃計画、清掃作業、工具のメンテナンス...
プロの作業が速いのは、常に必要な部分が予め準備されているからです。
しかも都心の集合住宅に住んだりしていると、制約があまりに多いです。
自分の場合は特殊なのか?と疑ったりしてみても、似たような環境の人は多いでしょう。

上記のような準備を整えた後、やっとこさ作業ですが、比較するとこの作業は非常に短いです。
全体の数パーセントといったところでしょうか?
実際の作業が始まっても、待っていたり次の作業の準備や清掃の時間が、工作開始後終了までの時間の80%はあるでしょう。

で、完成しました、と。
不完全な部分は多いですが、これを全部気が済むようにやると、作業時間があと10倍は必要です。

アマチュアの工作なんか、これでは、いくらやったってプロより上手になるわけがありません。

できたらやっと聴くことができますが、オフ会に持っていくとなると、今度は完成品の移動計画が必要になります。
通常は、手で持ち運べるサイズが上限になります。
それでも、移動中の函や梱包を考えていないと、移動が大変なだけでなく、オフ会後の撤収も不能になります。
オフ会をしないのであればこういうのは引っ越しのときだけ考えればいいのですが、引越ならプロがやってくれるので、自分でするのは、スピーカーユニットの保護対策くらいのものでしょう。

ということで、今回は、オフ会での移動用の箱をあつらえてみました。
こんなものにカネは掛けられないので、手持ちの段ボールを切り刻んで作ります。
今回作ったのは、シンプルな小型MCAP-CR三部作用です。
オフ会後にどなたかに差し上げることも考えてそれぞれ別な函を作りました。

函と書いたのは、産業用にはこういうのを『通い函』と呼んだりするからです。
通い函は、材料の輸送用に繰り返し使うエコな梱包箱です。
今回は2回使って終わりですなので耐久性は必要ありませんが、できるだけコンパクトなサイズに作らないと手持ちでの移動ができません(雨が降ったら最悪タクシーです)。

材料は、A3プリンタ・A4スキャナー複合機の箱です。
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ここから適当なサイズに切り出します。
まずは寸法を決めて、カットまたは折り曲げの線をボールペンで引きます。
ボールペンを使うとそこが少しだけ塑性変形して曲げたり切ったりしやすくなります。
線を引くときの鉄則その1
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定規を当てる目印は必ず三か所以上付けます。
2か所だと、間違いに気付きません。
簡単な作業だと思っても10mm違っていたり、5mm違っていたりと、間違いが多いですが、3か所マークしておけば定規を当てたときに間違いに気付くので、3か所以上のマーキングが鉄則です。
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曲げるときは、定規を当てて曲げます。
これでボールペンで書いた線の上をきれいに曲げることができます。
ちなみに使用した定規は、100円ショップで購入した400mmサイズのアルミ製です。
これは、ものすごく役立つので、100円ショップで見つけたら即買いです。
JISマークは付いていないので、購入したら、JISマークの付いたメジャーなどで寸法比較し、目盛の誤差が大きければ採寸用には使わないようにします(幸いにもそういうのに当たったことはないです)。

次は、必要な切込みを入れます。
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これも100円ショップで購入した曲がったハサミが使いやすいです。
牛乳などの紙パックのリサイクル用だったと思います。

函の形状固定には、木工ボンドを使います。
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木工ボンドは比較的はやく乾くので抑えている時間が5分くらいで済みます。
プロならハトメを使えるでしょうがそもそも、段ボールだって専用のものを準備するでしょう。
支えるあいだ、寸法が変わらないよう、端金で抑えます。
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これは開かないようひっかけているだけです。
こんな感じです。
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寸法が足りない部分は、つぎはぎ接着します。
これは、つぎはぎ部分を抑えているところです。
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紅茶の缶ですが、中には、鋼製のワッシャーがぎっしり入っているので結構重く、段ボールの抑えには使えます(木製のエンクロージャーの抑えには全く役立ちません)。

ということで、面倒な部分はだいたいできましたが、寸法の決め方がちょっと失敗で余裕が足りなかったです。
10mmの余裕で大丈夫だと思いましたが、曲げると余裕がほとんどなくなりました。
余裕は20mm程度持たせるほうが何かといいようです。
余った部分には、段ボールの切れ端を入れればいいだけなので。

こういうのもスピーカー工作とは関係ない作業ですねえ。








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by mcap-cr | 2018-09-13 06:52 | 工作 | Trackback | Comments(0)
150円のジャンクユニットが甲高い音だったので、それは広帯域ツィーター用に使うことにして、音楽の友社のムックを探しました。
いつもは、三越前のタロー書房あたりで余っているはずだと思っていたのですがそこにはなし。
三越の中の書店もなし(当然か)。
御茶ノ水の丸善にもなし。
こうなったら最後の手段は神保町です。
こういう雑誌は、経験上、東京堂書店に売れ残っていることが多いので、先週土曜に神保町に行きました。
先に書泉グランデに行ってみましたがそれらしいコーナーが見つかりません。
次は本命の東京堂書店だ!
ありました!
ということで買ってきました。

まずは、穴を拡げます。
型紙を合わせてボールペンで穴を描きます。
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これを、木工やすりでゴシゴシ、#80のペーパーで仕上げました。
冷房の効いた部屋での作業でしたが、汗だくになりました。
端子板と、ユニットとを配線で繋いで半田付けすればOKです。
このユニットにはガスケットが付属しているし、フランジのバッフル面への接触が小さいので、上の写真の型紙は、この作業に使っただけでした。
穴を描くだけで良かったということか。馬鹿だなあ...

とりあえず完成です。
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три, tri

試聴に入ります。
バッハの無伴奏パルティータを聴いてみました。
無伴奏パルティータは、先日の東京音楽コンクールの弦楽部門の課題曲だったので、生で何度も繰り返し聞いたばかりです。
演奏者によって別な曲だったのですが、手持ちのCDは全曲入っているので、全部聴きました。
このCDの演奏は、あっさりと美しく弾いています。
コンクールで聴いた情熱的な演奏とは全然違います。
このCDは、この作業の前に、OMP-600を使ったDVAで全曲聴いていました。

さて、OM-MF5用に改造した、新しいTRIでは...
ものすごくオーディオ的ないい音です。
オーディオ的という表現がぴったりです。
10F/8414G10を使ったRAZとOMP-600を使ったDVAは、生で聴いている感じに近い自然な音だったのですが、OM-MF5のTRIは、自然な感じとは違って、ハイファイ的、オーディオ的です。
高級オーディオのようないわゆる高解像度といった音です。
しかも低音も素晴らしく伸びているしフラットな感じに聞こえます。
オーディオマニアにとっては超々ハイP/C(ハイC/Pと書くと性能に比べてコストが大きいという意味になる)になると思います。
こういう音が出たら喜ばなければいけないはずです。
ところが、素直に喜ぶことができない自分がいる。
この違いをオーディオマニアに説明するのは難しいです。
高級オーディオマニアにはものすごく喜ばれる音です。
もちろん私もうれしいですが、この違和感は何だろう?
音がいいからそれだけ音楽に浸れるという訳ではないようです。

アッカルドの演奏でパガニーニのヴァイオリン協奏曲第3番を聴いてみました。
このTRIは、オーケストラもいい音です。
ヴァイオリンは線が細く美しい音です。
多分歪の小さい音です。

第3番が終わったところで、スピーカーを10F/8414G10を使ったRAZに変えました。
続いてアンプのヴォリウムを変えずに、第4番へと続きます。
条件は揃っていませんが、音量は大きく変わらないようです。
こちらはオーディオ的な評価ではたぶんOM-MF5のTRIより劣ります。
しかし、ヴァイオリンの弦の擦過音が生々しく聞こえます。
演奏者が変わったような錯覚を感じます。

せっかくなので、第4番が終わったところで、スピーカーをOMP-600を使ったDVAに変更して同じパガニーニの2番を聴きました。
こちらも弓が弦を擦る擦過音は良くわかりますが、10F/8414G10より少し弱い感じがします。
能率がちょっと低いかと思い、すこしヴォリウムを上げてみても擦過音は10F/8414G10ほどではありません。
オーケストラが少しまとまってしまった感じがするのは録音のせいかな?
数時間のリスニングでは個々の特徴をしっかり掴むのは難しいようです。

OM-MF5の他の2作品、RAZとDVAは、音は違いますがこのTRIと比べるといい感じの情感に浸ることができます。
工学的な表現は不能ですが、生の雰囲気に近いのは最初の2作品です。
音がいいのは最後のTRIです。

この混乱は何なんだ?
とりあえずオーディオは奥が深いということで。


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by mcap-cr | 2018-09-12 07:00 | 工作 | Trackback | Comments(4)
最後の作品、TRIの試聴記です。
最後と思っていましたが、結論を先に書くと、このユニットはボツになりました。
したがって本当の最後は、次の試聴記で書きます。

本当は、同じくStereo誌のScanSpeakの5cmユニットを使う予定だったのですが、整理の悪い自分は、どこに仕舞ったのか忘れてしまいました。
そこで、周囲を見渡していたら目が合ったこのジャンクユニットを使うことにしました。
このジャンクユニットは、秋葉原のガード下にあるジャンク店で見つけたもので、気になって何十個かまとめ買いしました。
1個150円です。
前回ツィーターとして良い効果を上げたので、ちょっと気になっていました。
製作記事に書いたように取り付けにはかなり苦労しました。
フルレンジとして使うのは今回が初めてです。
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最初の音は、あまりにも酷くて落胆しましたが、我慢して聴き続けているうちに聴ける音になってきました。
エージングが必要なユニットのようです。
数時間聴き、音に慣れてはきましたが、ちょっとキンキンしています。
RAZとかDVAと比べるとキンキンした高音寄りの音が気になります。
マグネットが弱過ぎて箱の負荷に対応できないのかもしれません。
このユニットは、スコーカーか、広帯域ツィーターとして使うほうがよさそうです。
このままオフ会に出すのはあきらめようと思います。

ではどのようなユニットを使うのか?
音楽之友社の最新ユニットを使いたくなりましたが、書店をいくつかまわってもどこにも置いてありませんでした。

次の試聴記に続きます。


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by mcap-cr | 2018-09-11 07:36 | 工作 | Trackback | Comments(0)
次は、同じエンクロージャー三部作の2番目、DVAです。
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два, dva

ユニットには、同じくStereo誌のパイオニアのユニットOMP-600を使っています。
こちらは、ちょっと小さめの公称6.5cmサイズです。
バッフル面に小さくちょこっと付いた感じで、RAZと比べると、見た目のバランスが悪いです。
この作品は、最初からいい感じの音が出ていました。
かなり話題になった、小さいけれども低音がよく出るユニットです。

実際に音を聴いてみると
低音はバランス良く出ます。
ショスタコービッチの歌劇"Gambler"の最初のところを聴くと、最低音の雰囲気がよく出ています。
レベルは高くないものの40Hzくらいまで出ているのではないかと思います。
ツィータみたいなユニットでこの音が出るのですから、自作の経験のない人が聞いたら何かインチキしていると思うでしょう。

音場は、10cmより更に広くて深いです。
ヴァイオリンの輝いて散乱する音の表現もいいです。
これは、小口径の特徴でしょう。

このパイオニアのユニットは、フレームサイズが極小なので、指定通りの穴を開けると端子板の切り欠きがはみ出てしまいます。
そこで、今回は、マグネットサイズの55mmと同じサイズのホールソーで穴を開けました。
工作精度が完璧ではないので、実際には少し大きめの穴が開きます。
そこでようやくマグネットが通過します。
端子板の切り欠きは、現物合わせで少しずつ開け、ようやく通るサイズにしました。
それでも、穴はぎりぎり隠れるくらいなので、この設計ってどうなのかな?
このユニットに限っては、もっと薄い板を使うほうが良かったかもしれません。
振動板の裏側に抜ける圧力波の通路はちょっと狭すぎるかな?

設計のことはさておいて、音に戻ると、DVAもRAZと同様、ヴァイオリンの輝く散乱する音の表現も良く、合唱も綺麗に聞かせ、オーケストラも欲を言わなければ問題ありません。
なによりも音楽が生き生きとして、自分をその中に浸らせてくれました。
音楽の中に自分を没頭させてくれる。
それ以上のシステムはないんじゃないでしょうか?

物理特性に焦点を当てればいろいろと問題は出てくるでしょう。
では、物理特性を完全に近付けたときに感動も増すのか?
感動が増すのであればそれでいいでしょう。
しかし、音楽よりも音を聞いてしまうようになったとしたら、音を聴こうと思わなくさせてくれるシステムのほうがいいのだと思います。
このシステムは、間違いなく音楽を聞かせてくれます。
これ以上はコメントのしようがないのかもしれません。

物理特性の焦点を当てて、このユニットに限れば、もう少し箱を小さくしてもいいのかもしれませんが、サイズに余裕があるほうが、音にもゆとりを感じます。
スピーカーシステムの場合は無駄なゆとりが音楽の命を再生してくれるのかもしれません。

オーディオってこれでいいんじゃないのかな?
金かけて、音楽からこれ以上の感動を引き出せるのでしょうか?


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by mcap-cr | 2018-09-10 07:22 | 工作 | Trackback | Comments(0)
10月7日のオフ会で発表するモデルは、初期のMCAP-CRを工作が容易になるように改造したもので、同じエンクロージャに別々のユニットを付けたもので3セットあります。
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何かニックネームを付けなければいけないので、これを、いち、に、さん、と名付けました。
これではちょっとぱっとしないので、ロシア語で付けてみました。
раз, два, три
これは、ロシア人に写真をとってもらうときに、いち、に、さんという意味で言われるので覚えておくと役立つかもしれません(そんなシチュエーションはないが)。
ロシア語は入力が面倒なので、英語風になおしてみました。
raz, dva, tri
こんなことはどうでも良いのですが、じっくり聴いてみました。
最初に音出ししたときには、どうしよう...と思ったほどひどい音でしたが、オルガンの低音をぶち込んで、振動板を無理やり揺らして強制エージングしたら見違える音になりました。

最初は、いちばん右側のRAZからです。
a0246407_15580557.jpg
раз,raz

音楽の友社のStereo付属ユニットで、スキャンスピークの公称10cmユニット10F/8414G10です。
樹脂製のフレームで10cmにしては小さめ、8cmよりは少し大きい9cmくらいの感じでしょうか。
音場感はかなり良好です。
一発で音場が再現されてしまうのは、音場型が流行らない理由のひとつでもあります。
目をつぶって、三次元だと、マインドコントロールすると三次元の音場が拡がります。
いわゆるいい音です。
ヴァイオリンの高域は、音が輝いて散乱する感じが良く出ます。
音量を上げ過ぎなければ、合唱もいい。
テノールもソプラノもいいです。
オーケストラだって、普通の帯域は十分に再生します。
これだけ聴いていると不満はぜんぜん感じません。
つい最近、東京音楽コンクールの予選、本選と生で聴いてきた耳にも心地よく響きます。
そして、聴いていると、生を聴いていたときの記憶がまじまじと蘇ってきて音楽に浸ることができます。
いままで時間使って金使って何をやってきたんだろう?
開発という手段と計算が趣味でなかったら、虚しくなります。

若いころによく聞いていたベートーヴェンの『告別』というピアノソナタを聴いてみました。
当時たまたまクラウディオ・アラウの生収録をFMで流していたので、それを録音したものを何度も聞いていました。
それは本当に心を洗ってくれる演奏でした。
小遣いが溜まって、同じくクラウディオ・アラウのベートーベンのピアノソナタ全集のLPを購入しましたが、そこに収録されていた演奏では、生収録のものと同じ感動は得られませんでした。
その後忙しくてこの曲のことは忘れていました。
改めて、その後に買ったフリードリヒ・グルダの演奏したCDを聴きなおしてみました。
グルダはどうしてここまで自分のイメージをガタガタに壊してくれるのだろう?
著名な演奏家の演奏だからといって自分を感動させてくれるわけではありません。
ここ何年かで聴くようになったコンクールで、著名でない演奏家が自分を破壊的に感動させてくれることがあることを学びました。
レコード業界は、これも利権なのでしょう。
やっぱり自分の感覚に忠実に聴かなければならないのだと思います。
オーディオから話が飛んでしまいました...

でも、そういう演奏の好き嫌いをはっきりと自分に示してくれるこのスピーカーシステムは素晴らしいと思います。

Joshua Bellというヴァイオリニストの弾いた、ブラームスとシューマンのヴァイオリン協奏曲を聴いてみました。
自分のイメージを完璧に満たしてくれる訳ではありませんが、それでも、これらの名曲の感動を与えてくれました。
先日聴いた、コンクール出場のヴァイオリニストだったらきっともっと私の心を破壊してくれると思いますが、ないものねだりはやめるほうがいいと思います。
音楽之友社の工作愛好家のために提供したこのユニットは、ここまで音楽に浸らせてくれて素晴らしいと思いました。

システムとしても、このサイズでこの音なら素晴らしいですが、箱が偉い訳ではありません。
でも、このスピーカーユニットとこの箱という組合せは、互いをよく理解したカップルなのだと思います。

今回は3作作ったので、2つはどなたか希望者に差し上げようと思いますがだんだん惜しくなってきました。



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by mcap-cr | 2018-09-09 06:42 | 工作 | Trackback | Comments(0)

DU080cの製作(その6)

このモデルの製作記事はこれが最後です。
1回の記事にまとめようかと思いましたが、写真などが多過ぎたので2回に分けました。

昨日からの続きです。
今回は、このコーナーピラーを鉋でおおよそRに近く削り、最後に紙やすりで仕上げました。

檜には、鉋の歯を入れるべき方向があり、合わないと研削面がガタガタになります。
しかも、部分的に方向が違っていたりするので、最後はガタガタの状態を許容することも必要と思います。
電動工具を使えば綺麗にできるでしょう。
そういえばルータ持ってたのを今思い出しました。
いつも工作場所から見える位置にあるのに、サイクロン型集塵器をつくっていなかったので一度も使ったことがありません.
..
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上の写真は、まだましなほうです。
鉋掛けは、サンドペーパー掛けと違って埃が出にくいので、最終仕上げに近いところまで鉋で頑張って、ペーパー掛け作業は最小限にします。
鉋掛けは、はみ出したボンドを除去するのに適しています(大工さんが聞いたら怒るかもしれませんが)。
下の写真の接合部付近の色がついているところはボンドのはみだし部を鉋で削ったところです。
もともと3mm位角材のほうが大きいので、3mmほど削って平面にしなければなりません。
a0246407_07282943.jpg
別な部分ですが、下の写真のように、シナラワンベニヤ合板の表層まで薄く削るのがベストです。
色が変わったように見えますが、ペーパー掛けでこの色の差はわからなくなります。
a0246407_07212360.jpg
コーナーの角材と板材との段差が指での触診によっては検知できなくなりまで鉋掛けができたら、#240のペーパー掛けに入ります。
今回は3セット6本で使用した#240のペーパーは、1/2枚だけです。
布地のものを使用しているので、長持ちで、紙地のものより多くを処理でき結果として得だと思います。
a0246407_07364408.jpg
これ以上は頑張らないことにしました。
最後の仕上げを欲張って却って汚くしたことも多々あります。
いずれにしても、今回も鉋と紙やすりの手仕事です。

鉋がけのあと#240のペーパー掛けが終わったら木工ボンドのコーティングに入ります。
木工ボンドは、5倍くらいに薄めて刷毛で塗りました。
薄めたのは、内部に染み込ませるためです。
ボンドの染み込んだ接合部付近とその他の条件を同等にするための小細工です。
OSWさんが、塗料の乗りを良くするために実験的にやっていたのを見て、私なりにやってみました。
木工ボンドの染み込み方により、経年による日焼け方が違うので、全面に木工ボンドが染み込むようにしようという考えです。
意外に簡単にコーティングが出来ましたが、このときに刷毛の使い方のコツを覚えました。

コーティング時に、薄めたボンドが泡立ちます。
この泡を消すには、刷毛をなるべく直角に近くなるように当てます。
また、当てる力は最小限にし、動きは、まっすぐ、ゆっくりと動かすのがコツのようです。
こうすると泡が消えますが、同時に塗りムラも最小限になります。
刷毛を強く当てると塗りムラが激しくなります。
このコツを覚えることで、仕上げの塗装もなかなかうまくできました。
写真を撮っていなかったのが残念です。

ボンドのコーティングが乾いたら、古タオルなどでこすって表面の細かな凸凹を取ります。
この作業は、ペーパー掛けするのが良いのかもしれませんが、経験上、手触りの悪くなった古タオルのようなものがベストです。
ちなみに今回は違いますが、ラッカースプレー塗装の後の細かな粒もタオルでこするときれいにとれます。

いままで綺麗に仕上げようと思ったら、最後にアクリル系クリアラッカースプレーを使っていましたが、今回は、ワシンの水性クリアーだけで仕上げました。
刷毛は、木工ボンドをコーティングしたのと同じものを同じように使い、2層以上3層以下のコーティングを行いました。
1層だけではどうしても邑が残るので、よほどの上級技術を持たない限り2層以上は必ず必要ですが、塗りすぎても却って汚くなります。
木工ボンドコーティングの効果があったのか、なかなか悪くない仕上がりになりました。

最後にスピーカーユニットを取り付ける前に、くっつき防止の紙フランジを作ります。
スピーカーユニットにガスケットが付属していれば良いのですが、ガスケットがない場合には、塗料が接着剤となってフレームが取れなくなることがあります。
紙のガスケットは、気密の担保ではなく、フレームがバッフルにくっつくのを防止するためのものです。
ガスケットは、スピーカーユニットのサイズを実測したデータに基き、CADで描きます。
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実寸でPPC用紙に印刷して精度を検証し、修正したのちに、ケント紙に印刷しました。
採寸時に気付きましたが、奇数孔の場合にはPCD(ねじ取付孔のピッチサークル径)を測ることができません。
なんてセンスがないんだ。エンジニアの仕事とは思えません。
しょうがないので、隣り合った孔の間隔を測定し、計算でPCDを求めました。

これを切り抜いてスピーカーユニットに当ててバッフル面との間に仕切りとします。

今回苦労したユニットは、ジャンク品150円の7cmくらいのユニットです。
スピーカー端子が付いていますが、相手側がアキバでも見つからなかったので、リードフレームの反対側に無理やりはんだ付けしました。
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単線は作業性が非常に良いです。
次から内部配線は単線で決まりです。

今回は面倒なので内部配線は全部はんだ付けにしました。
接合の確実さははんだ付けのほうが端子接続よりいいです。

3セットの製作完了です。
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まず最初にジャンクユニットから音出しです。
ギャー!!!ひどい音です。
耳が壊れそうです。

そこはちょっと落ち着いてセットアップを見ると、スピーカー台に直接置いたのが悪かったようです。
そこで、インシュレータを置きます。
綺麗なソフトの素材だと思って買ってあったのがありました。
あれ?手触りがドアクッションのようなものじゃないなあ?
しかし、これを3点に置くとちょっと改善しました。
結局、このインシュレータは、全部接着することにしました。
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このインシュレータ、とってもいいです。
良く見るとガラスのようです。
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昭和インペックスのキララグラス10Mというものです。
たくさん入っていますが全部で459円でした。
ソフトな素材だと勘違いして買いましたが、これで正解みたいです。
オーディオ用にするともっと少い数量で数千円でしょうか?
オーディオ用と命名すれば高く売れるんだよねー(棒)。

最初の試聴に戻ると、ジャンクユニットがだんだんと聞ける音になってきました。
ソースによってはジャンクであることがわからないくらいです。

もう少し聞き込んだ試聴は明日以降に書きます。

結構疲れました...


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by mcap-cr | 2018-09-08 08:45 | 工作 | Trackback | Comments(2)

DU080cの製作(その5)

最初に私信です。
昨日の朝の記事で、MCAP-CRの13cmのモデルTR130e1を聴いてみたいと連絡を頂いた方と連絡がとれなくなっていることを書きました。
その中で期限を区切った昨日中に連絡が頂けなかったので、別な方に差し上げることにさせて頂きました。
何かご都合があったと推察いたしますが、また別な機会にお会いしましょう。
狭い家に住んでいるので、毎年置ききれなくなる作品が出来てきています。
また、10月7日のオフ会でも下記新作のうち2セットを希望者に差し上げる予定にしております。
ご了解よろしくお願いいたします。


本論に戻りまして、この作品は、10月7日のオフ会で発表するモデルです。
前回の記事は昨年の12月だったので、もう10ヶ月近く空いてしまいました。

しかし、実は、音場型共鳴管を製作するときに、穴あけだけは一緒にやっていました。
騒音作業を何度もやりたくなかったからです。
盆の期間中でしたが、近隣の工事の騒音に紛れてやってしまいました。
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そして、UP4D-PRの完成後、ここ2週間くらいで頑張って製作してしまいました。
久しぶりの本格的な工作で疲れました。

穴開けの後は、ダクトの取り付けです。
ダクトは10ヶ月前に製作していたもので、これを板の穴に差し込んで木工ボンドで接着します。
これは、取れなければよく、多少の隙間は気にする必要がありませんが、サイズは目論見通りぴったりで、隙間の心配はありませんでした。
自作の紙ダクトはホールソーのサイズに合わせて径を決められるので有利です。
ケント紙の数枚重ねなので変形しますが音に対する影響は皆無と思います。
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ダクトを差し込むのと併行してスピーカーユニット取付穴の微調整を行いました。
Fostexの普通のモデルなどは、説明書通りに丸い穴を開ければそのまま簡単に付きましたが、最近は、端子板の穴を切り欠いたりしなければならないので、手間が増えました。
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音楽之友社の付属ユニットには、対象に工作初心者も入るはずですが、何故かベテランでも戸惑うようなものもあります。
スピーカーユニットのフランジを小さくして僅かに下がるコストを取付の手間が大きく上回ります。
以前のモデルのように大きめの四角型フランジにしてくれれば何でもないことなのですが、全体最適化の視点で見ると何をやってるのかわからなくなります。

それはさておいて、何度かの仮穴開けの後に、最終的な取付穴ができました。
パイオニアのユニットは、取説とおりだと、どうしても隙間が空いてしまうので、取説よりも小さな穴にしました。
適切な取付方法を考えると、穴の径よりもマグネットの径のほうが大きくなってしまうので、それには半割にしなければならないし、ごく薄い板材を使わなければ、音圧が箱側に抜けるために小さな隙間を通らなければなりません。
まあ、できたので良しとしましょう。
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最も苦労したのは、ジャンクの150円のユニットでした。
ジャンク品なので、元々は想定されていた取り付け方法に合ったもののはずで、これを別な用途に適用するので、目的外利用のために手がかかるのはしょうがありません。
それでも何とか取り付きました。
配線のはんだ付けも、直接リード線につなぐような際どい形になりました。
しかし、単線にして良かった。
撚り線と比べると、はんだ付けがずいぶんと楽です。
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話が最終工程であるユニットの取付に飛んでしまいましたが、木工作に戻ります。

ダクトを付けた仕切板と上下の板を、バッフル板と裏板とに接着します。
手持ちの端金の数に限りがあるので1組ずつ製作しました。
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前後の板と仕切板が接着されたら、側面の板を接着します。
これは、なかなか手がかかるし、ずれてしまうので、初心者には簡単ではないでしょう。
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端金が木材に密着すると錆などの色が付くので、密着防止のための竹の棒を挿入しました。
竹の棒は、団子の串が使いやすいです。
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全体が組みたったら、最後に4隅に角材を接着します。
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この角材は、工作誤差を修正すると共に、角の木口を見えなくする効果があります。
今回は角材に檜を使用していますがこれは、ホームセンターなどの材料販売店で入手できる材料の中で最安値の角材でした。
アガチスとか朴とかいろいろな木材があるので、これといった決め手は価格でしょう。
檜は柔らかくて加工が楽なので悪くありません。

長くなってしまったので次に続きます。


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by mcap-cr | 2018-09-07 08:21 | 工作 | Trackback | Comments(2)

UP4D-PR ver.2の製作(7)

先週は、仕事は調整したものの、東京音楽コンクールの二次予選を月・水・金と全部聞いてしまったので、工作のほうはなかなか進みませんでした。
遅い工作ですが着実に進めたので、昨日ようやく音が出せる状態になりました

途中の状態の写真を載せます。
まずは、最終組立前の構造がよくわかる状態です。
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左側の2本が、共鳴管の下側の部分、同じように見えますが左右対称です。
今回の作品は、木口が見えるので、左右同じだとバランスが悪く、対称に製作しました。
右側の横になっているのが本体部分、共鳴管の上側で、こちらも左右対称です。
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今回ははんだ付けはありません。
端子を使った圧着接続になります。
内部配線は、単線なので、端子から抜けにくいよう、折り曲げています。
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端子は、スピーカーユニット専用のものではないので、スピーカー端子にはゆるゆるです。
プライヤーで潰して端子の嵌り具合を調整します。
最初は手こずりましたが、慣れると何とかなりました。
折り曲げを同時に潰さずに片側ずつ潰します。
軽く潰したら嵌めてみて抜けなくなればOKです。
入りにくかったらフラットのドライバーを押し込んで少し拡げ、拡げ過ぎたら潰すという繰り返しです。
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いちばん困ったのは、スピーカーユニットの裏側のナットの取り受けです。
今回は、フランジナットとボルトで留めることにしたのですが、共鳴管から手を突っ込んでも、中が狭い上にマグネット邪魔をするので、ナットが手からこぼれ落ちてマグネットにくっついてしまいます。
指2本でつまむことができないので考えたのが、この、養生テープでナットを指に仮留する方法で、大変でしたが何とかできました。
素直に木ねじ留めにすれば良かったと本当に後悔しました。
しかし、同時にM4の爪付きナットにしなくて良かったと思います。
スピーカーユニットのフランジの孔が小さいので、M4だったら精度が出せなかったと思います。
今回はM3のボルトナット留めなので、何とか組み立てられました。
M3の爪付きナットがあれば良かったかもしれません。
M3はアマゾンでは見付かりますが、ホームセンターでは見たことがありません。
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いよよ完成です。
右側は、裏側です。

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本日いよいよ本格的に試聴です。

いいのは室内楽の弦楽器です。
弦楽器は、前後左右高さがよく分かり、まさにホールで聞いている感じになります。
先週の東京音楽コンクール二次予選では、声楽を含む楽器ごとの、音の出方と音場も観察していました。
そこで分かったことは、
(1)弦楽器は胴からの音が支配的なので、指向性なく音が放散する。また、弦の擦過音など、音が輝かしく散乱する。
(2)声楽は意外に指向性が強く、正面からずれると音圧や周波数特性が変わってくる。ホールでは、多くの人がいろいろな方向を向いて歌うので、どちらが正面か分かりませんが、背面からの反射音はあまり感じませんでした。
(3)金管楽器は、本体からの音が強いですが、特にホーンからの放射音が支配的なので、反射音が強く出る。トランペットやトロンボーンは正面を向くことが多いが、テューバなどは、高音は天井からの反射音が強い。

UP4D-PRで聴くとオペラのアリアは、オーケストラ部分は拡がり、独唱部分は、横の拡がりと同時に指向性を感じます。
結果としてオペラのアリアもとてもいいです。

教会で収録された合唱は音が広がって素晴らしいですが、オルガンの低音は出ないので、その部分が食い足りなく残ります。
これは、想定の範囲内です。
1本の普通の共鳴管は、長さだけで最低周波数が決まるので、これは文句を云うことではなく、物理的に正しいことです。
不足する低音は、サブウーファーで補うのが正しい使い方でしょう。

録画しておいた花火を聴くと、これはなかなかです。
低音が弱いので軽い音ですが、パチパチ弾ける部分はリアルです。

では、全体としてどうか、というと、第一号機の経験があるので、すべてが想定の範囲内でしたが、音楽ファンが聞いたらビックリするでしょう。
今回は、Stereo誌ムックの高級ユニットを使ったとはいえ、音は一級品です。
オーディオマニアの嗜好特性は分かりませんが、音楽ファンとか、演奏家自身が聞けばハイエンドよりいいと思う人もいるかもしれません。
ハイエンドでも出せない音であることは間違いありません。

Stereo誌ムックのこのユニットは、こういう後面開放に近いシステムよりも、背面に負荷を掛けて低音を絞り出すシステムに向いているかもしれませんが、こういう単純な構成でも十分使えるようです。
ちなみに、今回は、4Ωユニットをシリパラ4Ωで使っています。

後記
これを作ってしまってから、置く場所がないことに今更ながら気付きました。
TR130eの最初のモデルを処分しよう(差し上げよう)と思いますので、聞いてみたいと思う方はホームページの問い合わせフォームからご連絡ください。
発送はできませんが、クルマなどで取りに来られる方歓迎です。


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by mcap-cr | 2018-08-26 16:51 | 工作 | Trackback | Comments(2)

工学オーディオに取組むオカルト嫌いです。


by MCAP-CR